3月後半からちょっと間が空いてしまいました。いろいろと身の回りでも変化が起きていて、目まぐるしい日々を過ごしています。その報告はまたの機会に譲るとして、まずどうしてもこの話題を避けては通れません。
3月27日。オークランドからイタジャイへの南氷洋レグを走る、ボルボオーシャンレースのスキャリーワグチームからMOB(落水)の知らせが入りました。レース委員会は早急に海難救助の要請を関係各所に流しますが、ケープホーンまでまだ1,400マイルを残す南氷洋のど真ん中では、救助隊が到着するだけでも1日以上を要します。海象は風速35ノット、波高5-10メートルの大しけ。他のレース艇はすべて、ダウンウインドで200マイル以上も先行しており、そこから捜索に加わるのも2次災害の恐れを増すだけです。
もちろんクルーたちはセールを降ろし、エンジンをかけて懸命に捜索しました。同チームは香港へ向かうレグの途中でも若いクルーが落水し、すぐに救助しましたが、今回はそういう訳にはいきません。水温は9度。いかに重装備だったとしても、1-2時間が限界だと思われます。ほどなくして、レース委員会は捜索を打ち切り、落水者ジョン・フィッシャーを遭難により失ったと認めました。
辛く悲しい現実です。ボルボオーシャンレースは、45年の歴史で7人目の死者を出してしまいました。遺族、友人、そして僚友のスキャリーワグチームに対して、哀悼の念を送ります。
スキッパーのデイヴィッド・ウィットにとって、亡くなったジョンは刎頚の友だったとか。上り調子で総合3位に浮上し、周囲のボルテージも最高潮だったというのに・・・残酷です。
どういうシチュエーションで落ちてしまったのかは、公式なレポートを待つしかありません。ただ、ヨットレースである以上、事故の可能性はゼロにはできないのが現実です。まして彼らが挑んでいるのは世界で最も危険な世界一周レース。セーラーたちは全員、生きるか死ぬかの瀬戸際で戦っているのです。
このレグをリタイアしてチリに寄港していたスキャリーワグチームですが、さきほど次のレグからのレース続行をアナウンスしました。クルーたちがどれほど苦しんだか。ましてスキッパーのウィッティーたるや・・・でも、レースの続行を誰よりも望んでいるのは、きっと亡くなったジョンなのではないでしょうか。スキャリーワグチームのここからの奮闘と安全を願ってやみません。
(前回大会を含め)事故の発生は、特定のチームに集中してますね。何かあるんすかねぇ?
確かに2チームに集中してますね。ベスタスは実況検分のために、また香港へコンテナ船で送られるみたい。もうレース復帰は難しいかも。前回から災難続きですよね。