2016年のオリンピックが開かれるブラジルのイメージといえば、やはりサッカー。ワールドカップ優勝回数も最多の5回を誇ります。サッカー以外にもブラジルは柔道やバレーボールなども強く、なんとなくスポーツ大国のように思われがちですが、実はそうでもありません。
オリンピックで獲得した通算の金メダルの数は23個と意外に少ない。得意のサッカーもオリンピックでは金メダルをとったことがありません。史上最も多くの金メダル(6個)を獲得した競技は、バレーボールとセーリングなのです。ブラジルはセーリングで金6、銀3、銅8と17個のメダルを獲得しています。
なかでもトーベン・グラエル(金2銀1銅2)とロバート・シェイド(金2銀2銅1)は2人だけで10個のメダルを母国にもたらした国民的英雄です。既にトーベンは活躍の場をアメリカスカップやボルボオーシャンレースに移しており、アテネ五輪を最後にオリンピックには出ていません。かたやロバートは、ロンドン五輪を最後にスター級が姿を消すことになり、引退するのかと思いきや、レーザーに復帰して6度目のオリンピックを目指すと宣言し、周囲を驚かせました。
かつてロバートは、レーザー界に君臨する絶対王者でした。世界選手権を制すること8回。オリンピックでも常に表彰台に上がり、イギリスのベン・エインズリーとは数々の名勝負を繰り広げてきました。アトランタではロバートが金、ベンが銀。次のシドニーではベンが金、ロバートが銀。その次のアテネではベンがフィン級に移って金を獲り、ライバル不在のロバートも当然のように金。その後ロバートはスターに乗り換えて、北京で銀、ロンドンで銅を獲り、7年のブランクを経てのレーザー復帰なのです。
そんなロバート・シェイドは現在39歳。(僕と同い年!)ブラジルのレーザー界には、ベンが不在の間にブルーノ・フォンテスという若手が育っていて、ワールドランキングも3位につけています。流石に復帰してもそう簡単には勝てないんじゃないかというのが大方の見方でした。でも、絶対王者の統治はまだ続いていたのです。
まずはオープン参加したイタリア選手権で7レース中トップ6回の圧勝。そして先週行われた母国ブラジルのナショナルでは、ブルーノを含む腕利きの若手たちを相手に、8レース中トップ5回、2位が3回の失点9という勝ちっぷりを見せたのです。凄いとしか言いようがありません。
彼を見ていると、若い選手に負けるのを年のせいにできませんね。どんなトレーニングをしてるんだろう。しかも前にも書きましたが、ロバートの奥さんのジンターレもラジアルの世界チャンピオンです。凄過ぎて笑えてきます。
2016年には42歳になるロバートの戦いぶりは、今後も要注目です。負けてられません。がんばろ。
[…] ブラジルのロバート・シェイドがオリンピックキャンペーンからの引退を発表しました。5つのオリンピックメダルを持ち、レーザーの世界選手権を9回、スターの世界選手権を3回制したスーパーセーラー。地元リオのオリンピックは惜しくも4位でしたが、2020年の東京は49erで目指すと発表して世界を驚かせました。 […]