スロベニアのセールメーカー、ワンセールが試作したソフトウイング。ハードウイング特有の「下ろせない」という欠点を見事に克服しています。リーフもできるそうですし、ジェネカーも張ってますね。
セールはよく飛行機の翼にたとえられます。効率良く揚力を生み出すには、薄いセールよりも、厚みのある翼断面の方が有利なのは間違いありません。オラクルの勝利でウイングセールの優秀さが再認識され、モスでも2010年末にハードウイングが出てきました。ベルモントのワールドでアメリカのチャーリー・マッキーが使ったのですが、なにせよく壊れる。毎日壊れる。いくら性能が良くても、耐久性、可搬性、コストの問題などが山積みで、ハードウイングは普及しませんでした。
その代替案として出てきたのが、先日僕もワンジーで試したソフトウイングです。これならハードウイングが持つ問題をクリアできそうですが、あとはパフォーマンスでソフトセールに対して明らかなアドバンテージが出せるかどうか。現時点ではまだまだ道のりは遠いと言わざるをえませんでした。しかしハイドロフォイルのここ10年の進化を考えれば、ウイングセールも決して不可能ではないでしょう。10年後には常識になっているような気もします。楽しみ。