秘策公開

カテゴリー SAILING

先日バキュームで作ったカーボンのテープ。これはメインフォイルの改良に使うためでした。メインフォイルとはモスのセンターボードの先についた水中翼のことです。

フォイル本体とフラップの間の隙間を最小にするのが目的です。Mach2のフォイルがいかに良くできているとはいえ、量産品で隙間をゼロにして出荷することはできません。フラップとフォイルがぶつかると割れてしまうからです。

こんな隙間を埋めて、何かいいことあんの?と思うでしょう?僕もいままで考えもしませんでした。でも、ワンジー遠征で一番感銘を受けたのが、トップ選手たちのフォイルへの尋常ならざるこだわりだったのです。そこで帰国後すぐに、この隙間の裏側、すなわちフォイルとフラップの隙間の上側をキレイに埋めてクリア塗装してみました。そしたら全然走りが違うじゃないですか!

メインフォイルはフラップの段差をシーカフレックスで丁寧に埋めましたその後に新艇が届き、さらに気合いを入れてフォイルの仕上げをしたら、まったく異次元のトップスピードになりました。どうやら思っているよりもフォイルの抵抗を減らす効果は大きい!だったら裏の隙間も最小にしたら、スゲーことになるんじゃないの?という経緯です。

モスで飛んだことがないと想像が難しいかも知れませんが、僕らはこのフォイルだけが接水してるので、フォイルこそが抵抗のすべてです。しかもスピードが普通のヨットよりはるかに速い。だからこんなに小さな抵抗が大きな影響を与えるんです。

くれなゐ号は進水3日目に逗子沖で31.5ノットを記録しました。その後も乗るたびに29ノット台のトップスピードを出しています。フォイルがさらに進化したら、いったい何ノット出るんだろう?ワクワクしてきます。さらに本栖湖に行ったら?

いやーモスって奥が深い。僕みたいにヨット屋になっちゃうくらいフネをいじるのが好きな人間にとって、こんな楽しいクラスはありませんね。今年はハワイワールドの前に、絶対に世界をアッと言わせるスピードを出してやりますよ。

コメント

コメント(1) “秘策公開”

  1. […] 作業前のフォイルと比べたら違いは一目瞭然です。これでまた戦力が上がってしまった。フフフ。 […]

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