清々しい冬の青空の下、真っ白なVSRが進水しました。その名も「丸玉丸」。オーナーはヨットの運送でお馴染み、丸玉運送の玉山さんです。蒲郡の海陽ヨットハーバーをベースにセーリングクラブを立ち上げ、いままで以上に精力的に活動されるご予定です。ますますのご活躍をお祈りします。
ご存じのように冬の蒲郡は、北西の季節風が強く吹く、国内有数の強風ゲレンデです。強風の練習には最高の環境ですが、それも安心して練習できるレスキュー体制があってこそ。30ノットは当たり前、時に40ノットを超えるほどのハードなコンディションで乗員と艇体の安全を守るには、リジッドインフレータブルボート (RIB) が不可欠です。FRP船は乾舷が高くて風に流されやすく、小回りが利かず、なによりも手や身体を挟まれる危険があり、沈したディンギーには絶対に近づけません。
愛知県連、トヨタ自動車、アイシンAI、豊田自動織機、そして丸玉丸と蒲郡だけで5艇もVSRが浮かんでいるのは、VSRでなければいけない理由があるからです。レスキューボートとして小さすぎず、大きすぎない最適のサイズ。しかも足が速く、小回りが利いて、ディンギーにぶつけながら救助作業ができます。普段の使い勝手の良さも重要ですが、本当のサバイバルになったときにこそ、VSRは真価を発揮するのです。
憂いのないレスキュー体制を準備して、思う存分、強風のセーリングをお楽しみ下さい。