ラフの恐怖

カテゴリー SAILING

オラクルチームUSAのAC50がトレーニング中にキャプサイズ。幸いクルーに怪我はなく、艇体のダメージも最小限で済んだそうです。

それほど吹いてる訳でもなく、誰かと競ってるわけでもないのに?それだけ練習から限界を攻めてるということかな。

飛ばないカタマラン、たとえばナクラ17で最も怖いのはベアする瞬間です。下側のハルだけ接水してベアすると、浮力が足りずにノーズダイブしがちです。その点フォイラーは飛んでる分だけノーズダイブしにくくなるのですが、逆に怖くなるのがラフです。ただでさえ風の2倍以上のスピードで走ってるのに、ラフした瞬間にアパレントの風速が一気に増すので、アパレントの風向は一瞬で横に回るのです。だからラフする時に最もメインを出さないといけません。

ラフする時には一気に回してアビームの角度を避けるようにするのですが、これだけのスピードで走りながら一気に回頭すると、遠心力も大敵になります。ラフする場合は遠心力がヒールモーメントになってしまうので、この動画のように一気にもっていかれるケースが多々あるのです。

沈したらそのレースを落とすだけでなく、その日のレースをすべて落とす可能性が高い。1日分の星を落としたら、これまでのキャンペーンすべてを無にしてしまうかも。盤石と見られているオラクルですらこけるんだから、本番では何があるか分かりませんね。あらためてACの怖さを思い知らされます。

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