ボルボオーシャンレースの第5レグは、もうえらいことになってます。オークランドを出たのが3月18日。テレフォニカが見事なスタートダッシュを見せましたが、カームに捕まり一気に形勢逆転してサンヤがトップに。この中国チームがトップに立つなんて初めてのことでした。が、長くは続きません。22日にラダートラブルによりリタイヤ。オークランドに戻ることを決めました。サンヤチームは修理のあとに貨物船でマイアミに送るそうです。つまりこのレグと次の第6レグを諦めました。っていうかこのチーム、乗ってる時間より修理してる時間の方が長くない?

その後はいつも通りテレフォニカ、グルパマ、カンペール、プーマの4艇の争い。南氷洋をケープホーンに向けてひた走ります。荒れ狂う風と容赦なく襲いかかる大波にやられ、最新の技術を詰め込んだレース艇に次々とトラブルが襲いかかりました。まずカンペールがバウのフレームにダメージを受け、チリのプエルトムントへ変針。リペアを施してからのフィニッシュを目指すそうです。そして次はなんと暫定トップのテレフォニカも同様にバウのダメージ。彼らはケープホーンに寄港し、わずか18時間でリペアを終わらせて再スタートしました。

お次は最後方からフリートを追いかけていたアブダビ。彼らはフネの側面をやられ、海上で応急修理を試みますが、結局カンペールと同じくプエルトムントに向かい、このレグをリタイヤ。残るグルパマとプーマだけがケープホーン手前からガチガチの激しいマッチレースを繰り広げていました。このままグルパマ、プーマ、テレフォニカの順にフィニッシュすれば、総合優勝争いも最高に盛り上がります。

それなのに。ああそれなのに。それなのに。なんとグルパマがディスマスト!あいたたたた

この知らせが入った時のテレフォニカがどれくらい興奮したか知りたいですね。彼らは18時間のリペアの後、400マイル以上あった差を一気に40マイルにまで縮め、トップフィニッシュさえ可能な位置まで戻ってきました。さぁこのままプーマが初のトップフィニッシュを果たすのか。テレフォニカの大逆転か。それともまたトラブルで誰か消えるのか。フィニッシュのイタジャイまで残り500マイル弱です。

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