デンマークのオーフスで開かれている49erのヨーロッパ選手権で、日本の牧野/高橋が健闘しています。参加90艇のうち、ゴールドフリートに悠々残って、現在25位。昨日崩して順位を落としましたが、それでもここの所、彼らは明らかに一皮剥けた走りを見せています。
今年の初戦、プリンセスソフィア杯で18位、続くイェールで16位、先月はウェイマスで7位、キールで10位と、世界のトップまであと一息という戦いぶりはもっと取りあげられてもいいんじゃないでしょうか?牧野/高橋は、これまでの日本の49erの歴史を塗り替える、素晴らしい活躍を見せてくれようとしています。
彼らの強みはなんと言ってもフィジカル。2人とも49er乗りの平均を遥かに上回る恵まれた体格を持ち、なおかつ非常に向上心が強いのが特徴です。トヨタ自動車東日本という所属先の手厚いサポートのもと、雨の日も風の日も黙々と練習を重ねてここまで成長してきました。
日本のセーリング界では、いつの時代も話題の中心は470です。僕も10年乗っていたし、いまでも470は大好きですけど、ちょっと日本の現状には不安を抱かざるを得ません。470は週末に江の島でフリートレースを企画するだけで70艇とか80艇とか集まるのに、49erは年に一度の全日本で5艇を集めるのがやっとです。オリンピックを目指して活動しているのは牧野/高橋のみ。リオから採用が決まった49er FXも、ようやく波多江/大熊が活動を始めたという状況です。
オリンピッククラスの中でも、コア種目である49erで活躍する2人に注目して下さい。彼らは、いままで日本人が辿り着けなかった高みでレースを繰り広げています。
そしてジュニア・ユースのセーラーは、たくさんご飯を食べて、大きくなって、彼らを越えるスキフセーラーを目指してください。我が家の長男、大志は将来49erに乗りたいと言っておりますよ。いいねぇ、少年よ大志を抱け!