アメリカスカップは今週末には終わり、スポーツ史上最古のトロフィーは、再びニュージーランドへと移るでしょう。最もふさわしい安住の国に。
そもそも90年代からもう20年くらい、アメリカスカップとは名ばかりで、実質はキウイカップの状態が続いていました。ピーター・ブレイクを中心にしたブラックマジックがカップを奪い、そこからラッセル・クーツがスイスのアリンギに仲間をごっそり連れて移籍したことで、カップは史上初の欧州へ。そしてまたカップをアメリカに戻したのも、クーツやブラッド・バタワースなどのニュージーランド勢が率いるBMWオラクルレーシングでした。
今回だって、アメリカ対ニュージーランドと言いながら、オラクルチームUSAのセーリングチーム、ショアチーム、デザインチーム、含めてアメリカ国籍はごく僅かしかいません。一番多いのはニュージーランド人なのです。
セーラーやデザイナーだけじゃありません。すべてのAC45が建造されたのも、エミレーツとルナロッサのAC72はもちろん、オラクルのウイングが作られたのも、ニュージーランドなのです。
もうアメリカスカップは、ニュージーランド対ニュージーランドみたいなもの。完全にこの世界を牛耳っているんです。しかもユースアメリカスカップの結果からも、この状況が更に続くことは容易に想像できます。
ホントなんなんですかね、あの国は。ヨットとラグビーだけは半端ないですよね。人口たったの400万人ちょっと。日本で言えば、我が故郷、福岡県よりも少ないんですよ?あとは羊しかいない国なのに、ホント信じられない。
だからカップが今回ニュージーランドに再び渡るのは自然な流れだといえます、国費を投入してまでカップ奪還を目指していた国民の熱狂ぶりは、相当でしょう。今週末のテレビ視聴率は90パーセント超えると思いますよ。マジで。
ニッポンチャレンジが挑戦していた頃のACとはまったく別物になりましたね。嘆く人も多いようですが、挑戦してない人間に、とやかくいう権利なんてありません。今回のマッチを見て、更に強く思いました。あれを見せられたら、もう戻れません。戻るべきじゃありません。前に進むべきです。
圧倒的な技術とノウハウを持つのはニュージーランドだけなので、他の国に対しては、我が国もそんなに大きな差をつけられてるとは思いません。悲観する暇があったら、29erや49er、ナクラ、モスで遊んでた方がよっぽど、将来のアメリカスカップ再挑戦につながると思います。
あーその気になって来たw よし、そういう訳で、来週のモス全日本、そして来月のモスワールド、日本のために頑張りますw