理想と現実

カテゴリー SAILING

IMG_9095ナクラワールド最終日。シルバーフリートの最終レースは11時スタートの予定でしたが、今朝も30ノットの風が収まっておらず、あっさりAP/A旗が掲揚されました。僕らの最終成績は66艇中の48位で終了です。

トップ10を除いたゴールドフリートは12時半に予定通りスタートして上マークまで来ましたが、風が強過ぎてここでノーレース。そのままゴールドフリートもレガッタ終了しました。

そしていよいよトップ10によるメダルレースが30ノットの風の中スタート。良くこの風の中でやれるなぁ。これが本当に同じナクラなのかと疑いたくなるほどです。上マークはクラブの目の前で、激しいノーズダイブに大興奮!

暫定トップでメダルレースに臨んでいたのは、ワールド2連覇中のビリー・ベッソン/マリー・リウーでした。しかしスタートでピンボートのアンカーに引っかかり、大きく出遅れ。名前の通りビリで上マークにやって来た時は絶体絶命でした。2位のオーストラリアチームとは4点差。その彼らは4位で回航して遥か先を走っています。ホントに見えないくらい離れてました。

この時点で優勝争いは4位を走るオーストラリアと5位のドイツに絞られた。観戦していた全員がそう思っていたはずです。ダウンウインドでドイツがオーストラリアを抜き、アップウインドでも先行。もしドイツとオーストラリアの間に誰か1艇でも入れば、ドイツの逆転優勝です。同じコーチ仲間のドイツを応援する僕らは固唾を呑んで見守っていました。

そのとき、突然右海面から現われた黄色いビブのスターボ艇!なんとベッソンです。アップウインドで右一本に突っ込み、300mはあろうかというほどのリードを一気に縮め、ポートのドイツ艇をハント。無理にタックさせられたドイツは沈して一気に最下位へ。そしてベッソン/リウーはダウンウインドでオーストラリアも抜いて3位フィニッシュ。堂々の3連覇を成し遂げたのでした。なんという勝負強さ。なんという圧倒的なスピード。

ナクラを始めて1年が過ぎましたが、世界の中での自分の位置は残念ながら全然向上していません。むしろ差をより明確にハッキリと感じさせられています。今年のワールドでは、少なくともゴールドフリートに残る程度に上達したはずと期待していたのですが、力の無さを思い知らされる結果に。歯がゆいけど、これが現実です。

ただし、もう一つの現実は、それでも僕らがアジアでトップだということ。シンガポールと2艇の香港の4艇しかいませんが、アジアの枠を競う戦いにおいては、重要な意味を持つのです。

アジアの枠を越えた、「世界標準の走り」を身につけられるように理想を追ってきました。でも現実にはもうアジアの枠しか僕らには残されていません。9月の青島ワールドカップで最上位の成績を収めたアジアチームにリオ五輪の1枠が与えられます。

これから2ヶ月。残された時間の使い方を良く考えて、確実に最後の切符を手に入れたいと思います。

コメント

コメント(2) “理想と現実”

  1. 博多の官兵衛

    アミーゴ、お疲れさん‼︎
    世界の壁だな〜( ゚д゚) まあ、アジア枠だって重要な枠だぞ…‼︎
    ヨーロッパ勢にとって悔しい枠だと思うから。
    青島に向けて、軽風に強くならないとな‼︎ 今度は!

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    • hiroki

      そうですね。泣いても笑ってもあと2ヶ月。帰国して少し休んだらまた修業の日々です。

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