NO RACISM

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world-sailing-logoマレーシアのランカウイで開催中のISAFユースワールドは今日が最終日。各国各クラス1艇ずつ参加できるこの大会に、1カ国だけ参加できなかった国があります。イスラエルです。

イスラエルは昨年のユースワールドRS:Xで男子優勝、女子7位の成績を残していますが、今年の大会にはマレーシア政府から参加に条件が付けられました。それはウェアやセールにイスラエル国旗をつけないこと。そして優勝したとしても国歌を流さないこと。大会直前にその条件をつきつけられ、イスラエルチームはこの大会への参加を取りやめたのです。

マレーシアはイスラム教徒の多い国で、長年に渡ってパレスチナを支援してきた歴史があります。その国で開かれる大会でイスラエルの選手が活躍するのは許されないということでしょうか。最悪ですね。スポーツと政治、スポーツと宗教、スポーツと戦争は切り離されるべきです。ましてユースの大会で。彼らにいったい何の罪があるというんでしょうか。

ISAFは奇しくも最近その名称をワールドセーリングに変えたそうですが、どうやらその世界にイスラエルは含まれていないようです。何がワールドセーリングだと。世界中のセーラーが等しく競い合えない大会なんて、世界選手権とはいえないでしょう。

実は去年のオマーンでも同様で、イスラエルだけは国旗を揚げることを拒否されていたそうです。今後イスラム諸国で開かれる国際大会ではこの前例が踏襲されていくのかも知れません。

国際セーリング連盟の加盟国はすべて平等に大会に参加する資格があるはず。ホストとしてその条件を守れない国に国際大会を開催する資格はありません。統括するワールドセーリングはオマーンにもマレーシアにもそう告げて、ペナルティを課すべきです。

これは2024年以降のオリンピックでセーリング競技が採用されるかどうか。それすら左右する重大なスキャンダルではないかと案じています。2020年のホスト国として、JSAFもこの事態に厳しい態度をとってほしい。差別は絶対に許してはいけません。

イスラエルを含む世界中のセーラーが等しく競いあえる大会が戻ってくることを祈ります。

コメント

コメント(4) “NO RACISM”

  1. ゆう

     そもそもセーリングって、その規則で「主催者は、参加申込を拒否できる」と定めている、珍しい競技なんですよねぇ。
     したがって、世界選手権、大陸間選手権以外は、国際大会であろうとも、主催者は自由に参加者を選べる規則になっています。
    (各国規定で、「宗教上の理由での拒否はダメ」としている国もあります。日本は「あらかじめ連盟の許可をとれ」となっていましたが、2014年3月1日に削除されました。つまり自由に拒否できます)

     ちなみに世界選手権は、許可なく拒否しちゃダメよてな規則です。今回のケースでは、参加拒否ではなく「国家、国旗」といった振る舞いの制限なので、直接この規則には触れないのでしょうけれど・・・・

    スポーツは政治の影響を受けてしまうので、スポーツに影響を与えない政治を実現して欲しいなぁと願います。

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    • hiroki

      いつも勉強になるコメントありがとうございます。非常に根の深い問題だとは思いますが、これが何の咎めもなく罷り通るようになったらもっと大問題だと感じます。

      ユースワールドの開催は来年がオマーン、その次がイスラエルだそうなので、負の連鎖が続かないことを祈るばかりです。

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