海の上の平等

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wsreport世界中のセーリングメディアで取り上げられているマレーシアでの問題について、ワールドセーリングから公式レポートが公開されました。

要点は以下の通りです。

  • ワールドセーリングはマレーシア開催のユースワールドにおいてイスラエルの2選手が公平にエントリーを受け付けられず、結果として大会に参加できなかったことを大変遺憾に思っている。
  • すべての選手が、その国籍、宗教、年齢、性別、障害の有無によらず、公平に扱われることはワールドセーリングの憲章に規定されている。
  • その規定を守れなかった加盟団体には、将来の開催権を奪う、該当国へのレース役員を派遣しない、もしくは加盟団体から除外するなどの制裁を加えることができる。

今回の問題においてマレーシアセーリング協会にどのような制裁が与えられるのかについては、具体的には言及がありません。今後の調査の進展をみながら、しかるべき措置が下されることでしょう。また、アブダビやオマーンにおける過去の大会で、同様にイスラエル選手に国旗や国歌を制限したことについての言及は一切ありません。

ユースワールドは今年がオマーン、来年がイスラエルと、まさに今回の当事国で開催が予定されています。ここでワールドセーリングが毅然とした態度と結論を示すことで、今回のような差別が連鎖しないことを切に願うばかりです。

2020年のオリンピック開催国として、本大会はもちろん、それに先立つ日本開催の国際大会すべてにおいて、すべての参加国選手が平等に扱われること。国歌も国旗も平等に尊重されること。これをJSAFからも発信するべきではないかと考えます。実は先日、そう河野会長に進言して、検討するとのお返事をいただきました。

海に出たら、国籍も宗教も関係ない。それがシーマンシップの大原則です。いまこそ我々シーマンが声を上げなければ。繰り返しますが、差別は絶対に許してはいけません。

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