世紀の大記録

カテゴリー SAILING

単独無寄港世界一周に挑戦していたフランソワ・ガバーのマシフは、42日16時間40分でフィニッシュラインを切りました。それまでの記録を約1週間も更新する大記録の誕生です。史上最年少でヴァンデグローブを制し、その後もルートデュラム、トランサットジャックヴァーブルと負けなしで、ついにソロの新記録まで作ってしまいました。末恐ろしい34歳の青年は、外洋のピーター・バーリングと呼ばれても過言ではありません。

30mものどでかいトライマランを、たった一人で大海原をプッシュし続ける精神力。トラブルを解決する危機対応能力、毎日何千回もグラインダーを回し続ける体力。そんな過酷な彼の日常を5分にまとめたムービーが公開されました。

いかがですか。まったく休む間もないのに、寸暇を見つけて眠れるというのもまた才能です。寝る時にもシートを手放していないんですね。トラベラーかな?

42日という記録がいかにとんでもないか。この画像で一目瞭然です。

フランソワがフィニッシュした時、昨年のトマ・コヴィルはまだ赤道をようやく越えたところ。その前の記録、フランシス・ジョイヨンはようやくケープホーンを越えたところ。その前の記録で、日本にも凱旋でやってきたエレン・マッカーサーは、ようやく航程の半分を越えたあたりです。

全航程の平均スピードは驚愕の27.2ノット。おそらく、これ以上速く世界一周できるフネは、パワーボートを含めてもないでしょう。南氷洋の荒波の中で30ノット以上で走れるパワーボートなんかありませんから。しかも、しつこいようですがソロですからね。信じられない。セーリングの歴史の中でも格別の偉業として讃えられるべき大記録です。

来年きっと、ライバルのアルメル・ルクレアシュが、進水したばかりのバンク・ポピュレールIXで記録更新に挑戦するでしょう。フランソワの記録を破れるとしたら、彼しか考えられません。もし記録が更新されるなら、おそらく40日を切って、フルクルーの記録すら破ってしまうのではないでしょうか。セーリングはどこまで進化するのか。フランス勢の快進撃はまだまだ続きそうです。

コメント

コメント(1) “世紀の大記録”

  1. 博多の官兵衛

    ハイ、アミーゴ!

    シングルハンドの王道を超える究極のチャレンジャー達は、日本のセーラーからしたら計り知れないなぁ…
    \( ˆoˆ )/
    全てが冒険心の塊なんだろうか⁈

    時間に余裕がある時には、今後も世界のセーラー達を紹介して欲しいぞ〜!

    日本全国のセーラー皆様もどうぞ良いお年をお迎えください!

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