僕が個人的にもっともリオで注目しているのが49erのライバル対決です。ロンドンではオーストラリアのネイサン・アウタリッジ/イアン・ジェンセンが金、ニュージーランドのピーター・バーリング/ブレア・チュークが銀を獲得しましたが、今回は完全に逆の立場に立っています。ピーター/ブレアはこの4年間で出場したすべてのレガッタで優勝。当然世界選手権は4連覇、ヨーロッパ選手権も4連覇。破竹の27連勝で押しも押されぬ金メダル候補筆頭です。
6年前に470から49erに転向した彼らをトレーニングパートナーに選んだのが、他でもないネイサン/イアンでした。その甲斐もあって彼らは他の誰も敵わないスピードを手に入れ、仲良く金と銀を分けたのです。しかしロンドンのあと、ピーター/ブレアは速くなり過ぎました。49erだけでなく、ユースACもモスワールドも優勝。エミレーツ・チームニュージーランドとしてワールドシリーズでもトップを走っています。(先日のポーツマスラウンドで逆転されましたが、彼らは乗っていません)今夜行われる開会式ではニュージーランド選手団のキャプテンとして旗手を務めるそうです。
対するネイサン/イアンは49erでも所属するアルテミスでも彼らの後塵を拝することが多くなりました。GC32やRC44のキャンペーンも平行して行う彼らは非常に忙しく、49erに乗る時間がなかなか取れていないから無理もありません。それでも僕は、もしピーター/ブレアが負けるとしたら、それはネイサンたちしかいないと思います。
先日行われた49erの南米選手権で、ついにピーターたちを破ったのはやはりネイサンたちでした。ネイサンは振れ回るトリッキーなコンディションで強みを発揮する選手なので、リオの海面にはきっとフィットするんじゃないかと予想しています。いまでもプライベートでは仲のいい4人。きっとこの2チームがまた金と銀を分けることになるでしょう。
セーリング界の頂点を極めたこの2チームのライバル対決、どっちに軍配が上がるのか?12日からのレースは目が離せません。