ソフトバンクチームジャパンとオラクルチームUSAが相次いでAC45Sでのフォイリングタック成功を公開しました。
ついにこんな日がやって来たのかという思いです。前回のAC72ではフォイルジャイブが勝負のポイントでした。今回はフォイルタックがそうなりそうです。
ジャイブが出来るんならタックも出来るんじゃないかと思われるかも知れません。しかし回頭中もパワーを維持できるジャイブに比べて、タックは遥かに難度が高いのです。僕の場合、モスに乗り始めて3日目でフォイルジャイブができましたが、フォイルタックができるには1年かかりました。それくらいフォイルタックは難しい。彼らが興奮するのも当たり前です。
前回のオラクル対エミレーツでは、8対1の絶望的な劣勢からオラクルが8連勝してカップを防衛しましたが、オラクルの大きな勝因の一つがタックの進化でした。片ハルから片ハルへロールタックのように荷重が移って、タック中のボトムスピードが15ノットを切らないようになり、タックするたびにエミレーツに対して1-2艇身ゲインしていました。
それがついにフォイルタックですよ、信じられない。彼らはこのテクニックを徹底的に解析してるはずだから、きっと再現性も高くなるでしょう。そうすると何が起こるか。スタートしてから一度もハルが水につかずにフィニッシュすることも可能になるということ。まさに空中戦!
トム・スリングスビーは動画の中で、フォイルタックを決めるかどうかで50mから200mの差が生まれると言っています。またクリス・ドレイパーは、フォイルタックができることで、よりシフトに合わせて細かくタックするようになるとも言っています。かつてのモノハルのマッチレースのようなタッキングマッチも見られるかも知れません。
来年のバミューダが楽しみになってきました。フォイルタックを精度高く成功させられれば、ソフトバンクがルイヴィトンカップを制するかも。く〜、興奮するわ。