今日は北田さんが所用で不在のため、ジャンと2人でバウワークを中心におさらい。ダウンウインドセールだけでもコードゼロ、A2、ミディアム、A5と4枚もあって、それぞれホイストの仕方も微妙に違うので頭がこんがらがります。こんなこと真夜中に30ノットの中でやんのかよ・・・
ところでここロリアンは、フランス軍の潜水艦工場があったので、戦時中ドイツ軍から激しい爆撃にあったそうです。心なしか街並みに風情がないのは、徹底的に破壊されて作り直した新しい街だからだとか。
さしたる名所もないロリアンが施策としてセーリングシティーを目指したのが約10年前。それがうまくハマり、いまやこの街の一大産業となっています。造船所、セールメーカー、リギンメーカー、計器や通信機器、各種のメーカーやショップが軒を連ね、マリーナには巨大なシェッドが聳えています。その中にはヴァンデグローブを終えたばかりのバンクポピュレールや、単独無寄港世界一周の最短記録を更新した100フィートトリマランのソデボなどが整備の真っ最中。
桟橋にはIMOCA60やクラス40、フィガロ、ミニ6.5などが所狭しと並んでいます。なかには先日女性クルーの参加を発表したばかりのボルボ65、東風も係留してあるし、かつて紹介した、スコータイプのミニ6.5を中古で手に入れて改造し、フルフォイリングで世界を驚かせたSEAirもここにある。なんだ、僕がいつもネットで追いかけてる情報の発信地はほとんどここじゃないかと。そのくらいこの田舎町はヨットとセーラーで溢れ返っています。これまで世界中のセーリングタウンを訪れましたが、規模の大きさではここがナンバーワンかも知れません。
マリーナにはフェンスもなければ駐車場もタダ。誰でも簡単に入ってこれちゃうんですよね。日本ではとても考えられない。うーん、葉山も日本のセーリングタウンとしてこういう発展の可能性はないものだろうか。もちろん規模は100分の1でも構いません。人口たった3万人の葉山だけど、ヨット業者の数は日本でも隋一のはず。オリンピックを契機にもっとセーリングを身近に感じられる町になったらいいな。山梨町長、一度ロリアンに視察に来ませんか?