モスのセールデザインの進化について、とても興味深い記事がありました。
マイク・レノンへのインタビュー記事なのですが、その中でアップウインドのセールシェイプについては、ほとんど板が望ましいと。ドラフトは2−3%。この記事で使われているポール・グディソンとディラン・フレッチャーのセールの写真がまさにその通り。どこにもカーブがないくらい板なんです。
実はこれ、僕がガルダで購入して全日本でダントツ速かったセールも同じコンセプト。セールシェイプはもはや3次元ではなく2次元といっていい。ほとんどラフカーブしかないので、パネルを組み合わせる必要すらないんじゃないか?と思えてきます。なんでそんな「板」が揚力を生むのかと笑っちゃいますが、これが劇的に速いことは今年の全日本でも証明されました。
陸の上では完全な「板」ですが、セーリング中は風圧と体重でマストがサイドベンドして、軽くツイストしています。シェイプから生まれるツイストと、サイドベンドで生まれるツイストでは、リーチのテンションが違う。だから角度も取れる。
唯一の欠点は、微風で飛びにくいこと。カニンガムを緩めても深くなるのはラフばかりで、リーチはストレートなまま。それでは艇速5-6ノットのノンフォイリング時に充分なパワーを得ることができないんですね。フォイリングしてしまえば、一気に艇速が2倍になるので、ストレートリーチでも問題ありません。
海外選手が微風でなかなか飛べないのは、それが理由なんだと思います。だからビッグフォイルが必要になるんです。僕は体重75キロでも人より早く飛べるから、基本スモールフォイルだけで充分戦えてきました。でもフォイルの迎角を減らし、セールのシェイプを減らし、より高速仕様になればなるほど、微風でのパフォーマンスが犠牲になってしまうというジレンマを抱えています。
この問題を一気に解決するには、ハイアスペクトフォイルしかないのだ!そうなのだったらそうなのだ!
という訳で、古谷さんと一緒に世界をアッと言わせるフォイルを開発しています。ふっふっふ・・・お楽しみに。