福井の若狭高浜で行われた第82回全日本インカレは、同志社大学が総合優勝を勝ち取りました。現役のみなさん、スタッフの方々、おめでとうございます!

レガッタ前半の無風と、後半の突風・高波によって両クラスとも3レースのみの実施に終わってしまったのはとても残念です。しかもその僅かなレースの中で、潮によるリコールも多数出たとあって、レース運営も選手コーチも相当ストレスが貯まったでしょうね。誰のせいでも無いとはいえ、やるせない思いが残ります。

レガッタフォーマットなど、いろいろな問題をはらみながらも、インカレは日本のセーリング界で最大の関心を集めるイベントです。それは日本のセーリング経験者の中で、おそらく半数以上の方々にとってヨット人生のクライマックスだからだと思います。

だからといって、インカレこそが至高、これで勝ったヤツが偉いんだみたいな風潮はどうも好きになれないんですよね。インカレも所詮はひとつのヨットレース。それ以上でもそれ以下でもありません。インカレで勝ったと満足してヨットを止めてしまうくらいなら、負けた悔しさで続ける方が実りある人生が待ってるんじゃないかとすら思います。

この年代のセーラーに、学連以外のセーリング環境が乏しいのが歯がゆいなぁ・・・選択肢が少な過ぎる。10代のうちからスキフやマルチハルに乗ったり、ビッグボートのチームに入ったり、ロングレースに出たり、いろんな経験を積めるのが理想です。その上で、自分が打ちこめるセーリングに没頭していければ、きっと長いスパンで楽しめるようになるんじゃないかと思います。

毎年この時期には同じことを言ってますが、学生セーラーのみなさん、おつかれさまでした。勝った人も負けた人も、どうかここから先のセーリングの楽しさを知ってください。社会人になってからのセーリングはもっと自由です。好きなフネに、好きなひとと、乗りたい時だけ乗ればいい。暫く休むのも良し、頑張って働いてお金を貯めるのも良し。セーリングは一生かけても味わい尽くせないほどの楽しさと喜びを与えてくれます。みなさんはそのほんの、ほんの一部をかじったに過ぎないのです!

こんなに海に囲まれた国で、セーリング技術を身につけたみなさんは幸運ですよ。眺めるだけだった海が遊び場に変わるんだから。これを読んで誰か一人でも、セーリングを続けてみようと思ってくれたら幸いです。

コメント

コメント(4) “インカレのその先”

  1. 井上直樹

    今年も色々なドラマがあり、レースに対する賛否も色々ありますが、上位に入る大学の選手は皆んな真面目にヨットに取り組んでいるのを、一緒に参加するレースを通じてひしひしと感じます。
    後藤君の書いている事は、全くその通り。
    僕のヨット人生においても、インカレはとても重要な1ページです。
    高校、大学とスナイプに乗り、実業団で470に乗り、その後クルーザーに乗り、10年間の大学監督を経て、またスナイプでレース活動に復帰して、今年で50歳。
    もうだいぶオッサンですが、今の生活の中で、普通の会社員が、限られた時間の中から折り合いをつけて活動しているヨットライフが最高に楽しい‼︎
    大学ヨット部を引退する時に、自分自身のヨットライフにこんな可能性が有るとは全く思いませんでした。
    今年はスナイプワールドに初めて参戦し、世界のレベルの高さを痛感するも、更なるレベルアップの可能性に胸を躍らせています。
    それぞれの時期で多く人達に支えられてヨット活動を続けて来ました。
    今のチームはそんな海外にあるようなクラブライフを日本のディンギー活動で唯一実現しているクラブです。
    ヨット部を引退して、次のフィールドを見付けられずヨットを辞めてしまうのはもったいない。
    ビックボートも良し、空飛ぶ奴も良し。
    スナイプを続けたい人は声をかけて下さい。

    返信

    • hiroki

      若い子に憧れられるオッサンを目指しましょう。オッサンどころかジイさんと呼ばれる日もそう遠くないのか・・・

      返信

  2. umihiko

    「みなさんはそのほんの、ほんの一部をかじったに過ぎないのです!」

    ホントおっしゃる通りですね。

    返信

コメントする




«   »