あらためてエミレーツのフォイリングを見ると、やっぱり断然速いですね。両ハルが浮いた瞬間に誰かが「オーマイガーッ」と叫ぶのが笑えます。スプレーがクルーを襲うスピードを見ると、恐らく40ノットは楽に越えてるんじゃないでしょうか。
彼らはこの1号艇でテストしたデータを基に、早くも2号艇の建造にとりかかっていて、来年早々には進水予定だそうです。他の挑戦艇でここまでのフネを作れそうなチームは見当たりません。
戦争が科学技術を発達させるのと同様に、お金持ちの意地の張り合いはセーリングの科学技術を格段に発達させています。風速の3倍で走る72フィートのカタマランなんて、少し前まで夢物語でした。いまや前回のACボート(90フィートの巨大トリマラン対カタマラン)も退屈に見えてきます。個人的にはオラクル対エミレーツのフォイリング対決が楽しみでしょうがありません。