フネ固定の極意

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連日の本牧埠頭で、20フィートコンテナにびっちり積み込まれた4艇の420と1艇のOPを搬出しました。3艇はラックに積んで1艇をカートップ。そしてOPは車内とスッキリ納まります。

ここでみなさんによく見て欲しいのがカートップした420の固定方法です。

まず大前提として、ディンギーを積むのに最適なのはトレーラーではなく、カートップです。しかも積み方は上下反転した「おかま」が基本です。なぜだか分かりますか?

トレーラーと乗用車ではサスペンションが全然違います。トレーラーは自重の倍の荷物を詰め込む仕様になっているのでサスが固いのです。荷物が軽いときには固いサスが災いして跳ねまくります。車とトレーラーどっちに乗りたいかを問われたら、誰だって車でしょう。フネだって一緒です。

そして「おかま」にした方がいいのは、ハルに極力荷重をかけないためです。ハルは海面を滑るためのもので、路面を走るためのものじゃありません。

ディンギーで特に丈夫に作られているのはマストステップ、マストパートナー、そしてチェーンプレート周辺。だからその丈夫なところを使って固定するべきなんです。写真のようにチェーンプレートの付け根を短いロープで縛りつければ、それだけでフネはビクともしません。デリケートなハルにベルトをかけてぐいぐいとテンションをかけなくていいんです。あとは跳ねないようにだけ軽くスターンを固定すればOK。

ちなみにこのチェーンプレートからの固定は、陸置でフネを固定する時にも有用です。

一般的にはバウとスターンに1本ずつロープを渡して固定しますが、あれではどんなに強く締めても、強風が吹くとそのロープの輪の中でフネが回転して倒れてしまいます。

下に押さえつけるという固定観念を捨てましょう。回転さえ防げば絶対にフネは倒れません。この写真のように左右のチェーンプレートから1本ずつロープを張れば、それだけでどんなに吹いても倒れないし、バウも上がりません。あんなにガンガンに締め上げる必要などないのです。

フネ固定の極意は、

  1. 丈夫な部分に
  2. 左右1本ずつ
  3. できるだけ短い距離で押さえる

ステーの無いシングルハンドなどは、ロアーマストだけ立ててロープを巻くのがベストです。(オーニングに穴をあけないといけませんが・・・)

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