朝、ホテルから路面電車に乗ってメディアセンターへ。レース委員長であるイアン・マリーの、「今日のレースは今までのどのレースよりも接近戦になるだろう」という言葉に緊張感がみなぎります。
その後、係留されている2艇のAC72をじっくり観察。最も印象的なのは、ウイングの違い。例えれば、飛行機の翼を立てたオラクルに対して、従来のマストとセールをウイングに仕立てたエミレーツという感じです。
ドッグアウトショーで選手たちを見送ったら、観戦ポイントまで歩くんですが、これが遠い!小一時間かかる。しかもこの間に気になるのが、オリンピックの開催地発表。マドリードが一回目の投票で落ちたとか、イスタンブールと東京の決戦投票だとか、胃の痛くなる情報を集めながら、セントフランシスヨットクラブの堤防へ辿り着きました。
レースも気になるけど、オリンピックも気になる!早く発表してレースに集中させてよ、お願いだから。午後1時のはずの開催地発表は、一回目の投票が同数だったために20分延びたとか。
そうこうしてる間に午後1時15分。第34回アメリカスカップの第1レースがスタート。来た!どっちも速い!目の前で繰り広げられるフォイリングジャイブの応酬に心を奪われます。2艇のパフォーマンスは期待どおり差が小さく、抜きつ抜かれつの接近戦です。ふとiPhoneに目を落とすと、、、、
キターーーーーッ!東京!!!
思わず吠えてしまい、周りの失笑を買っちゃいましたよw でもホントに嬉しい。この決定が持つ意味は、国民一人一人にとっても、日本全体にとっても非常に大きいと思います。感動しました。
さあレース観戦です。ヘリからの映像では分かりにくいかも知れませんが、地上から見るとエミレーツのアップウインドは、ほぼ飛んでいます。完全に飛ばしてしまうとリーウェイが大きすぎるので、風下のハルが僅かに海面に触れる高さを維持しながら。つまり超低空飛行です。
結局、今日の2レースはどちらも僅差でエミレーツが取りました。データを見ても、2艇の差はダウンウインドよりもアップウインドの方が大きかったようです。
先日のジュリーの裁定により、オラクルには2点の減点が言い渡されているので、マイナス2対プラス2の4点差となりました。オラクルにとって、かなり厳しい戦況と言わざるを得ません。しかし2艇のパフォーマンスは近く、先行逃げ切りが有利なコースなので、スタートさえリードできれば、オラクルにも充分にチャンスがありそうです。
明日も同じ時刻に2レースが予定されています。違うのは、僕が1人じゃなくなることかな。 このままだとつまらないから、子供たちと一緒にオラクルを応援しようと思います。