井田さんのブログに刺激されて書きます。長くなるかも知れないけど、実は僕がブログを始めて一番書きたかったことなので、良ければ付きあってやってください。
井田さんは同じ大学の2個上の先輩で、KAZI誌の連載やブログを通じて、日本のヨット界にメッセージを発信し続けています。Slow speedとSAILFASTなんて名前は正反対だけど、井田さんも僕もヨット界を盛り上げたいという点では同じ思い、のはずです。
ヨットを普及させたい。日本中どこに行ってもみんなそう願っています。選手も、指導者も、もちろん僕のような業者も。でも、現実はうまくいっていません。10年くらい前かな、JSAFの登録会員が1万人を切ったとき、関係者の中では大きな話題になったのを覚えていますが、いまや6,500人くらいまで減っています。特に東北や日本海側は惨憺たる有り様で、登録会員が一ケタの県連すらあります。
ヨットを普及させるどころか、どんどん会員が減っている。これはもう、原因はハッキリしてるんです。みんな分かってるはずだけど、なかなか口に出さない。語弊があるかも知れないけど、あえて言いましょう。
「ヨットがつまらないから」
究極的にはこの一言に集約されるんです。ヨットが普及しない、JSAFや学連、高体連、OP協会の会員が軒並み減っている理由は、いまのヨットがつまらないからなんですよ。まずはその現実を直視しないことには対策など打てないと思います。
「そんなことない、ヨットは面白いよ。なんでヨット屋のお前がそんなこと言うんだ。」と思われるかも知れませんね。もちろん僕はヨットを心から愛しているし、死ぬまで辞めるつもりはありません。でも、こんなにヨットにのめり込む僕の方が変わり者で、普通の人はそこまでのめり込めないのがいまのヨットの現実な訳です。だから僕を基準にするべきじゃない。
このブログを読んでいる方も大半がヨット好きな人でしょう。みなさんは一般的には「変わり者」であり、みなさんを基準に普及をしようと思っても上手くいくはずがないんですねw
だって実際、毎年たくさんの子供や学生がジュニアクラブやヨット部に入ってるじゃないですか。ヨットが本当に楽しいスポーツだったら、みんなもっと続けるでしょう。なんでそのまま続けないんですか。ヨットの楽しさを一通り味わったであろう人が去って行くんだから、新しく人が入ってきても同じことですよ。ザルで水すくってるのと一緒。ザルの穴を埋めないと、水が増えるはずがないんです。
ヨットの楽しさを味わったのに辞めてしまった人。それぞれに葛藤もあったかも知れません。でも離れてしまった。なぜなのか。おそらくヨットを続けられない最大の原因はお金。そして時間。この競技はそのどちらも大きく浪費する覚悟が必要ですから。就職先が海から遠く、たまの休みに時間と金をかけてヨットに乗りに行くなんて大変でとても・・・というのが現実じゃないでしょうか。
でも興味深いのが、そういう人も社内のつき合いでゴルフを始めたりするんですよね。あれだって大変なスポーツですよ。道具は高いし、休みの日には朝も早くから何時間もかけてゴルフ場まで行き、終わった後にはビールも飲めずに車を運転して帰る訳です。他にも最近ではジョギングやトレッキング、トレイルランなどが流行っていますが、わざわざお金と時間をかけてしんどい思いをしたがる人がビックリするほどたくさんいるんですよね。なぜでしょうか?
それは単純に、楽しいからですよ。かける時間とお金よりも、得られる喜びが大きいからです。だから仲間が仲間を呼んで増えていく。我々はその逆。
だから僕らは仲間を増やしたいのであれば、もっとお金と時間がかからないように、そしてもっと喜びが大きくなるように努力する必要があります。自分たちは「変わり者」だと自覚して、もっと普通の人にも楽しめるようなヨットに変えていかないといけないのです。
じゃあどうすれば楽しくなるのか。僕が思うにそのキーワードは「達成感」なのかなと。登山やマラソンのように、しんどくてもハッキリとした達成感があれば、人はハマっていくものです。いまの日本のヨット界は良くも悪くもレースが中心ですが、それぞれの参加者にハッキリとした達成感があるでしょうか。インカレや全日本で優勝したりオリンピックに行ければ、そりゃ達成感もあるでしょう。でもそんな人はほんの一握りです。
最近ロングレースやショートハンドのレースが復興してきているのは、それぞれに達成感がハッキリとあるからじゃないでしょうか。レースじゃなく回航ですら、目的地に着いた達成感はスゴイ大きいですしね。モスが盛り上がっているのも、レースの成績に関係なく、「飛べた」とか、「ジャイブができた」とかそれぞれの達成感があるからじゃないかと思います。何位であっても、フィニッシュできただけで嬉しい、走り切れただけで嬉しいと思えるような経験は、ゴルフで100を切ったとか、登山で頂上に着いたとか、そういう喜びに似てるんじゃないかと思うんですよね。
僕は会社を興すときに、セーリングの楽しさを最大化したいと願いました。ブログを始めたのも、その思いからです。モスやシースケープに注力するのは、いまの日本にもっとも欠けている魅力を持っていると感じるからなんです。こういう楽しいフネを増やしたい。そして誰よりも先頭切って楽しみたい。楽しさを共有したい。そう思っています。
日本のセーリングはもっともっと楽しくなるはず。そして仲間も必ず増えていくはず。会員数の減少?不景気?そんなのここをスタート地点と思えば苦になりません。まだ6,000人もいるんですから。ここからドーンと増やしましょう。諦めたらそこでゲームセットですよ。
同感です。
ありがとうございます。みんなでもっと面白くしましょう。
還暦になり始めました。まだ嘱託社員をしているので、休みを取れない為、月一位しかセーリング出来ません。メンテナンスが多くて体力を奪われます。二つ上の人に指導を受けています。競技指向の方なので厳しいです。同感投稿しました。
ようこそセーリングの世界へ。どうぞご自分のペースで、ゆっくりと末長くお楽しみください。乗りたい時に、乗りたい人と、乗りたいフネに乗ればセーリングは最高です。
私は現在レース艇のオーナーですが、最近なかなか人が集まりません。他の艇も同じ様な状況みたいです。そろそろレースから足を洗って
デイセーラに艇を変えてショートハンドでノンビリと天気の良い日にセーリングを楽しみたいと思ってます。案外、この方法がヨット好きを増やす良いやり方かも知れませんね。
ヨットレースも、やり方次第でもっとみんなが楽しめるものになるはずですよね。モス協会でも同じ悩みを抱えています。速い人の意見だけに流されず、みんながハッピーになるヨットレースを増やしたいところです。
あ、ちなみにショートハンドのデイセーラー、いいのがありますよ!
基本的な考えや想いは後藤さんほどではないでしょうが私も同様に思います。
「‥何位であっても、フィニッシュできただけで嬉しい、走り切れただけで嬉しいと思えるような経験は、ゴルフで100を切ったとか、登山で頂上に着いたとか、そういう喜びに似てるんじゃないかと思うんですよね。」
につきましては、まさにゴルフとか登山、はたまたスキーやマラソンにも共通しているとも思います。
もうひとつ言えば「五感が刺激される快感」というものはヨットやWSFでは強いかと思います。モスなどではさらにその快感を強くするために道具を開発・改良する楽しみがあろうかと思います。(他のローテクのヨットにも若干はあります‥ここらへんは「道具を磨く」楽しさ‥登山やゴルフなどにもありますが)
まあ、これらの楽しみを増幅させますのは、共感し同調する仲間が多いことなのではないでしょうか。
ゴルフで言えば街にある練習場であったり、登山でもゴルフやマラソンでは、その「達成感を味わう」という喜びを共感し合える場‥それは、そういった視点での雑誌・ホームページもそうですし、大きなイベントもそうでしょう。特にマラソンなどはそのようです。
登山やゴルフは雑誌でしょうか‥
もちろんそのスポーツに携わる人が多く、商業ベースになるがゆえに‥という事が中核をなしますので、ヨット・セーリングにそれがそのまま参考になるかどうかは疑問ですが‥
さて
もうお気づきかもしれませんが、そこに「競技団体」「競技団体への登録者数」は直接関連しているのか?ということです。もちろん全く関係していない‥などというつもりはありません。
「レース派or(もしくはvs)クルージング派」などというかつてよく言われたような陳腐な論に頼ろうとも思いません。
日本陸上競技連盟登録者数 34万人
日本のランニング人口は800万人と言われています。
日本山岳連盟加盟社数 7万人
日本の登山人口 1230万人(レジャー白書より)
このような数字はなにかを示唆してくれていると思うのです。
不景気だとか少子化だとかを理由に挙げがちだけど、1億2000万人の中の6,000人って、所詮2万人に一人ですからw そんなの理由にならないんですよね。
やり方次第では簡単に2倍にも3倍にもなるってことです。
私は、アクセスディンギー(Hansa)というボートで、セイラビリティという活動を日本に普及活動を始めて,10年以上になります。
同じような意見を持った人が、まだまだいて、そういう人たちが私を助けてくれています。
全国にまだ180隻ほどしかありませんが,少しずつですが普及が進んでいます。
毎年、5のクラブで大会が行われています。
活動を,普及して来ていて,充分にセーリングが、殆どあらゆる人に楽しんでもらえる事を革確信しています。
頑張ってください。
勿論,私も続けてゆきたいと思っています。
素晴らしいですね。アクセスディンギーは最も垣根の低いセーリング体験を提供できる、まさに「アクセス」の名に相応しいフネだと思います。
そこで興味を持ってくれた人たちに、いつかは・・・という憧れを持ってもらえるように僕は飛び続けます。
はじめまして。セーリングを習い中でネットでみてこちらにきました。ゴルフもします。両方とも素晴しい景色海や山の中を回遊するという意味で好きです。お仕事ではないので「達成感」を求めてはいません。セーリングで上手にトリミングで来た時は嬉しいです。まだ練習段階なのでレースでの結果は良くありませんが、レースは楽しんでやっています。パートナーとのコミュニケーションや風が良く読めると嬉しいです。こういうのを達成感というのかもしれませんが、余り深く考えずに楽しんでいます。日本では道具からスポーツに入るという人が多いので高いお金がかかるのかもしれませんが、別に高価でなくてももうあるものを使い、レンタルでも共有できるヨットをクラブが提供する等、どこにいってもあるゴルフ場の様に気軽にレンタルできる雰囲気をつくると一般人はやりやすいと思います。あまり「特殊なスポーツ」という雰囲気をつくってはいけないと思います。風の多い海の町だったら誰でもヨットがのれるぞ、とワクワクできる雰囲気にすると良いと思います。私はワクワクしています。今日もヨットレッスンに行きます。ここ4日間続けてなのでヨットについて考えてみました。今一つ嫌いな事はウェットスーツを着る時です。スクーバダイビングの時に使っていたウェットなので着る時がきついです。新参者なのに、沢山書いて住みませんでした。まだ学ぶ事が沢山あります。
貴重なご意見ありがとうございます。ヨットが楽しいと言ってもらえるのは、ヨット乗りとして純粋に嬉しいです。おっしゃるようにレンタルで気楽に乗れる環境整備は、セーリング普及の大きなキーです。スクールも重要です。ワクワクできるスクールに通えるのが羨ましいですよ。どうぞこれからもセーリングを楽しんでください。着るのがキツクないヨット用のウェットスーツが欲しくなったら、ZHIKをお勧めしますw
はじめまして、当方昨年鵠沼に東京より引っ越してまいり30年真剣に続けたゴルフをヨットに変えてみようかと思案中の身です。
海の近くに住んでるのにマリンスポーツを楽しまないのは後々後悔するのではとパートナーと2人で乗れる船をと話をしているところです。
正直あれもこれもとは難しいとは思いますが、どんなスポーツもやればやった分だけ楽しみも見えてくると考えチャレンジしてみたいと思ってます、ヨットに於ける1番の問題はやはり生死に関わる問題が大きくまして相手が自然ですから初心者には最初は辛く厳しい道のりかと。
おっしゃる通りです。海は見るだけじゃもったいない!ヨットは一生楽しめる奥の深いスポーツです。ぜひ一度お店に遊びにいらしてください。
はじめまして、東京都の高校ヨット部で主将をしている者です。
私の部は、例年今ぐらいの時期に一年生の退部者が続出します。
私の部では、夏休みに三年が引退し一年生が乗ることができるようになります。
最初は楽しいのですがそのうち自分の上達具合について疑問を抱き、モチベーションが下がってしまうようです。
そしてこの時期はオフシーズン故420•FJで出場できる大会はありません。たとえあったとしても輸送費などが都合できず断念してしまいます。そのため上達具合に実感が持てないのだろうと思います。
ヤードストックナンバーなどを利用して艇種に縛られず裾野が広い大会が関東圏で頻繁にあれば…と思う次第です。
都内は特に楽しくヨットを続ける環境に乏しいのかも知れないね。日本の中心なのに寂しい話です。
みんなが声を上げて、少しずつでも変えていかないと。
正論だとおもいます。マーケットを広げる努力は、絶対に、必要だと思います
ありがとうございます。楽しさを感じてる人たちが、もっともっと情報発信をして、楽しさを伝えていく努力も必要なのではと思います。今後もよろしくお付き合いください。