女の戦い

カテゴリー SAILING

セールフォーゴールド3日目。朝から予報通りのいい風が吹いています。しかも僕らは今日は午後からなので、出艇する頃にはもう千切れるほど吹き上がってきました。正直これはムリなんじゃないか・・・と内心では思ったけど、何事も経験です。さぁ行ってみよう!

バウダウン!
ズブーーーーン(バウが沈んで行く音)
ビューーーン(2人で前に吹っ飛ばされる音)
ドバーーーーン!(マストが海面を叩く音)

うっはー、これでこけんのか。たまらんなぁ。

出艇してまだ1分も走っていませんが、この時点で決心しました。よし、今日のレースはリタイアだ。ボートから見て勉強しよう。という訳で、本日のセーリングはホントに1分未満で終了しましたw

レース海面では僕ら以外の9艇がレースをしていますが、まともに走れているのは半分くらい。僕らはもし海面まで行ってたとしても、いまの実力では絶対にまともに走れないし、トップ選手の走りを見ることもできません。それどころか運営に迷惑をかけたり、乗員や艇体に損傷を出しかねません。リタイアの判断は正解でした。

25ノットを越える海面でのナクラ17の走りは凄まじい迫力です。スピードだけで言えばモスの方が速いけど、迫力は完全にナクラの勝ちですね。しかもトップ争いをする2チームは、どちらも女子ヘルムなんです。いやー参った。久しぶりに衝撃を受けました。ブラックロックでAmacとロブのオッサン2人に受けた以来の衝撃です。今度は女の子に!

P1040486ルーシー・マクレガーとピッパ・ウィルソンの2人は、25ノットの風の中で殴り合いのようなマッチレースをしていました。ナクラが男女混合になると知った時、僕は絶対に男が舵を持った方が速いと思いました。実際ここ最近の大きなレースはすべて男子ヘルムが勝っています。でもいまの僕にとって、あのかわいらしい女の子2人はあまりに手強い。そうかー、人間鍛えればあんなに強くなれるのか。

この写真のルーシーたちのトラピーズ姿勢を見てください。完全にマストと90度。ハルと水平にビターーッと伸びていますよね。セールもキレイにトップツイストしてて、メインシートはギンギンに締めて、まー速いのなんの。そんじょそこらのボートじゃ絶対に追いつけませんよ。ホント凄かった。

正直言って、こんなにナクラが速いとは予想以上でした。うれしい誤算です。まさに僕と和歌子のためにあるようなクラスじゃないですか。早くあの走りを身につけて、25ノットの中で突っ走れるようになりたい!

思い出すのは2009年の年明けすぐ。モスを始めたばかりなのに無謀にも参戦したオージーナショナルで、まさに今日のような経験をしました。風が強すぎてまともに走れないので、レースをリタイアしてボートから観戦したのです。あの時も「いつか自分にもこの風でこのフネを乗りこなせる日が来るんだろうか・・・」と途方に暮れたものです。

でも努力を重ねて、少しずつ課題を克服し、乗りこなせる日はやって来ました。ナクラでも一緒です。彼女たちがこの風で走れるようになるまでに、どれほどの努力し、何回沈して、道具や身体を壊してきたか。その技を僕らは見て学べるんだから、ホントにありがたいことです。

今日は全然セーリングしてないけど、ここに来てもっとも刺激的な一日でした。いい宿題をもらいました。ありがとうルーシー。ありがとうピッパ。いつかオレのトランサムを見せてやるぜ。

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