究極のシーマン

カテゴリー SAILING

世界にはとんでもない男がいるものです。スイスのイヴァン・ブルニョンはたった21フィートのビーチカタマランで単独世界一周航海に挑戦しています。オートパイロットこそついていますが、キャビンがなく、おまけにGPSも搭載していません。六分儀と紙のチャートだけで、どんな嵐の中でもむき出しのトランポリンもしくはウイングに乗って航海しているのです。言葉で説明よりもこの動画を見てください。

2013年10月にフランスのサブレ・ドローヌを出発し、大西洋を渡り、パナマから太平洋に入ってポリネシアの島々を巡り、マラッカ海峡からインド洋に入って・・・スリランカまで来たところで、なんとフネが座礁して大破してしまいます。動画では「たった5分居眠りしただけなのに〜」と泣き叫ぶ姿がw

現在はスリランカでなんとかフネを再建造し、モルディブに向かって航海中です。紅海に入りスエズを越えれば、残すは地中海だけ。彼の目標は今年中にスタート地点に戻ることだそうです。これほど無茶な冒険家セーラーは初めて見ました。

アメリカスカップやボルボオーシャンにも憧れますが、彼こそが究極のシーマンなのかも知れません。いくらオリンピックでメダルを取ろうと、30ノットや40ノットで走ろうと、海の男として冒険家には敵わない。かっこいい。だって単独世界一周だけでも無理なのに、こんなオモチャみたいなカタマランで太平洋のど真ん中なんて走ったら不安で気が狂うって!

こういうスケールの大きな発想はいったいどこから来るんでしょうね?フランス圏の冒険セーラーたちは、完全にセーリングスポーツに対する認識が違うと感じます。競技や遊びの枠を超えて、もう生きることすべてなんじゃないかと。うーん・・・深いですね。とにかく無事に目的地に到着することを祈るばかりです。Bon Voyage!

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