昨年のAC45ワールドシリーズで大方の予想を覆し、4位と大健闘していたチームコリア。しかし先月末に大黒柱のクリス・ドレーパーをルナロッサに引っこ抜かれてしまい、さすがにお先真っ暗だろうと思われていたところ、あっと驚くリクルートを実現しました。現49erワールドチャンピオンにして、モスワールドチャンピオン。世界一のヨット馬鹿、ネイサン・アウタリッジと契約したのです。
“I’m really excited to join the team, it is a great opportunity for me and I’m looking forward to getting my hands on the tiller at the first event in Naples. It is going to be a very busy year for me, with the Olympics in London and also now joining Team Korea but I am looking forward to it and can’t wait to get sailing with the team.”
「チームに入れて興奮してるよ。最初のナポリのイベントでティラーを持つのが今から楽しみでしょうがないね。今年はロンドンオリンピックとチームコリアでチョー忙しい年になりそうだけど、チームメンバーと走るのが楽しみでもう待ち切れないよ。」
いやー、相変わらずのヨット馬鹿ぶり。もうひとりのヨット馬鹿、レーザーのトム・スリングスビーはオラクルレーシングと契約してるし、彼らにとっては、あんな楽しそうなイベントに自分が参加していないことが、もう我慢できないんでしょうね。
しかしスゴイ時代になったもんです。オリンピックでメダルをとって、それからキールボートの経験を積んで、いつかはアメリカスカップを獲りたいなんてもう遠い昔の話。いまやオリンピックとACをかけ持っちゃうんだから。フィン級のイギリス代表、ベン・エインズリーも今回のオリンピックで4回連続の金メダル獲得という、神様ポール・エルブストロームに並ぶ挑戦をしているにもかかわらず、自らのチームを立ち上げてACキャンペーンを開始しています。
もっとスゴイのはボルボオーシャンレースで現在首位を独走しているテレフォニカのイケール・マルティネスとシャビ・フェルナンデス。世界一周レースと49erをかけ持つこの2人は、昨年のプレ五輪でもネイサンと同点の銀メダルを獲得しています。もうなんだか自分のクラスだけに集中してる選手が気の毒になってきますね。才能があるからかけ持ちができるのか、かけ持ちをしてるから才能が高まるのか。うーん。
今年のAC45サーキットは4月のナポリを皮切りに、5月ベネチア、6月ニューポートと予定されています。オリンピック本番が8月にあるのに、ネイサンやトム、ベンはホントに全部出られるのかな?信じられないんだけど。しかも8月後半にはモスワールドもあるよ。ま、どうせ出てくるんだろうなー、ヨット馬鹿だから。
[…] 奴らに共通してるのは、前にも書いたけど、いろんなフネに乗ってること。AC45だったり、モスだったり、速いフネに乗ってるのが多いですね。速いフネに慣れてれば、自分のクラスに戻った時に余裕が生まれるからね。リオに向けての強化では日本もモスを使ってみたらどうかと本気で思います。 […]