大逆転なる

カテゴリー SAILING

壮絶な選考レースを終え、リオ五輪男子470級代表はチームアビームの土居/今村組が逆転勝利を収めました。

僕らは今日がトライアルレースで、微風の中でペタペタと走りながら、今日のこの場所に4年間の集大成を賭けるなんて気の毒だなと話していたんです。それほど気まぐれで頼りない風でした。着岸してすぐに470の成績をネットで見てみると、土居/今村が9位で松永/吉田が10位と出てる。ってことはギリギリ松永/吉田がリードを守って代表か。うわー、そうか。おめでとう松永/吉田。しばらくそう思ってました。

でも成績表をよく見てみたら土居/今村と8位のフランスチームは同点。同点ならメダルレースで先着したアビームチームの方が勝ちなはず。成績表は何かの間違いだ。ってことは、8位と10位。8位なら順位点が5点付くから・・・これ、ひょっとして逆転じゃね?

和歌子と2人で代表選考の得点方法を見直し、慎重に計算し直しました。あ、逆転だ。うわお、うわお!すげえ!

と興奮してる頃に平井編集長がFBに逆転のポスト。ああホントに逆転したのか。そうか、そうか、うわーそうか。

いろんな感情が駆け巡ります。代表を争った4人とも良き友人で、素晴らしいセーラーで、彼らがそれぞれ背負っているものの重さも良く分かるだけに、どうしても勝負の非情さを感じざるを得ません。嬉しさも悔しさも悲しさもすべて入り交じった気持ちになり、まるで自分のことのように心を揺さぶります。あぁ4年に一度の恒例行事だ・・・

間違いなく日本のセーリング史上に残る、素晴らしい大接戦、そして大逆転でした。死力を出し尽くした4人のセーラー、そしてサポートされたすべての方々に敬意を表します。お疲れさまでした。敗れた2人のためにも、土居/今村にはリオで最高の走りを見せて欲しい。それしか言葉が見つかりません。

さぁ明日からはいよいよナクラワールドが始まります。今大会にはリオの参加枠が3枠用意されていて、去年のワールドで取れなかった国々が虎視眈々とその座を狙っています。僕らももちろんその枠を狙っているうちの1カ国です。ただ、現実的にはまだその力が無いことも良く分かっています。

どこまで行けるかは分かりませんが、この2ヶ月泥水をすすり、ほぞを噛み、涙を飲みながら、やっと掴めてきたこと。言葉にすればあっけないほど簡単なことだけど、暗闇を這いつくばってやっと見えてきた光。その方向に出口があるんだということを証明したい。上手くなったんだ、速くなったんだって感じたい!JPNのナクラここにありと世界に示したい!純粋にそう願う心境です。

あぁ今日はどうしても感情が揺れ動きます。おめでとう。お疲れさま。そしてありがとう。

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