晴れ渡ったとても気持ちのいい青空の下、シースケープ24とVSR 6.2(仮称)の試乗をしました。いや〜、どっちもいいねぇ。
シースケープ24はドッグハウスが長くマストから前も長く広いので、前だけ見てると、とても24フィートとは思えないサイズ感です。それなのにメインシートもティラーも軽いのなんの。トラベラーもバックステイもないので、走らせるのが簡単過ぎて笑っちゃいます。
18や27に比べて、ジェネカーを張って一気に加速する躍動感はあまりありません。おそらく船形による違いでしょう。リーチング重視ではなく、VMG重視を感じるところです。その代わり明らかに上り角度が良く、タッキングアングルも小さいのが確認できました。ダウンウインドで深く落としても、18や27のような減速感はありませんでした。
言い方を変えれば、24の方がより広く受け入れられやすいんだと思います。僕のようなタイトリーチング大好き人間は評価するポイントがずれがちなのでw
あと驚くのはキャビンの広さ!大人4人がゆったり寝られるバース。ヘッドクリアランスも高くて、中の快適さは18とは次元が違います。クルージングが楽しそうだなぁ・・・妄想が膨らんじゃうよ。
ツインラダーのシステムは18とも27とも違う新しい方式です。実物を見るまではむき出しなのが不安だと思ってたけど、カーボンのティラーもアルミのコネクションもとても頑丈なので、思い切り体重をかけてもびくともしません。むしろメンテナンス性が上がっていいのではと評価が変わりました。
総合的に24はまとまりが良く、シースケープのラインナップの中で一番の優等生だと思います。価格設定も27に比べてぐんと低いので、今後の主力になっていくのは間違いないでしょう。
VSR6.2はまだ正式名称ではありませんが、RYAからの要望で開発しているモデルです。RYAと共同開発し、VSR最大のヒットモデルになった5.8Rは60馬力や70馬力のエンジンが最適なマッチング。でも5.8Rではナクラに追いつくのがしんどい、もっとスピードが出せるモデルが欲しいというリクエストに応えています。
確かに速い。90馬力を積んだこの試作艇は38ノット出せます。(ナクラはそんなに速くないぞ?)でも速さよりも艇体の剛性の高さが気に入りました。UD(単方向繊維)をふんだんに使って45度方向の捩れを最小に抑えているので、高速で波に叩かれてもふらつきがありません。安心感が全然違います。
この6.2に70馬力がベストなんじゃないかなと個人的には考えています。そうすれば5.8Rと5.8Cのいいとこ取りで、最も速くてしかも快適なコーチボートになる気がします。
VSRは更にひと回り大きな6.4も開発中です。想定はGC32などのハイパフォーマンスボートで、最大140馬力のエンジンを搭載できる予定。こちらもオリンピックのマークボートやプレスボートの需要を考えたらとても大事なモデルになるでしょう。
シースケープもVSRも、これほど長く低迷するヨーロッパ経済の中で、ほんとに良くやってるなと感心させられます。素晴らしい!
いい出張でした。さぁ愛する家族の元に帰ろう。