Point of No Return

カテゴリー SAILING

また一人、もう戻れない領域に足を踏み入れてしまったようです。あのピンクモスの女性オーナー、河合さんの進水を見届けに稲毛まで行ってきました。

そよそよの微風で出て行き、今日は飛べない日かと諦めて帰る時に、一瞬のブローが下りてきて飛んだそうです。その感動、その興奮が昨日のことのように思い出されます。分かる。分かるなー。

4年前の夏、仲良くなったZhikのお客さんがブレードライダーを買ったことを聞き、進水式のお祝いに森戸海岸にシャンパンを持って行きました。まさかその日、自分の人生を変える衝撃を味わうとは知りもせず。風はそよそよ。飛べずに戻ってきたオーナーから「乗ってみる?」と言われ、ものは試しと乗ったら飛んじゃったんですね。

初めて飛んだ時に一番驚くのは、音が消えることです。フッと静寂に包まれて、そこから加速すると風の音だけが聞こえる。まるでナウシカが乗ってるメーヴェみたいに。風と一体化する感覚はそれまでのセーリングで味わったことのないものでした。

あぁダメだ。これはヤバイ。ヨット屋を生業にしていく以上、これを手に入れない訳にはいかない。

着岸する時にはすでにこう考えていました。そして家に帰って、嫁さんに「ヤバイ物に乗った」と告げました。その日の夜はもう、布団の中で身体が浮き上がって、興奮して眠れません。辛抱たまらず、2週間後に中古のブレードライダーを購入したのです。

変わり者の多いヨット乗りの中でも、とりわけモス乗りは変人の集まりです。麻薬中毒者みたいなもので、その魅力に取り憑かれてしまったらもう抜け出すことは難しい。ホント、ディンギー乗りの墓場みたいなもんです。こっから先はありませんから。

という訳で、河合さん。Welcome to 蛾地獄。そこが地獄の1丁目です。脇永さんと僕で4丁目くらい。でも30丁目くらいの先人がいますから安心して下さい。

コメント

コメント(2) “Point of No Return”

  1. 177437

    まあ、確かにモス乗ってる人見てると、自分がそ~と~まともな常識人だってよくわかるよ。

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