いよいよルイヴィトンカップのファイナルが始まりました。いきなり波乱の幕開けです。スタート10分前にルナロッサのダガーボードにトラブルが見つかり、サポートチームが乗り移って懸命に修復を試みますが、スタート直後のジャイブでダガーボードが下りません。万事休す。
誰もが独走するエミレーツの楽勝かと思いました。しかしそうは問屋が卸さないのです。上マーク回航でバウが突き刺さり、あわやピッチポール。ザッブーーーーン!このクラッシュで2名のクルーが艇外に投げ出され、艇体のパーツにも損傷が発生。幸い怪我もなく大事には至りませんでしたが、その後はフォイリングすることもなく、そろそろと安全に走ってフィニッシュ。薄氷を踏むような1勝でした。
上マーク回航の瞬間は40ノットくらい出ているので、時速にして80キロ近いわけです。ほぼ高速道路の自動車に近いスピードで走って、瞬間的にそのスピードがゼロになるんだから、吹っ飛ばないわけがありません。よく誰も怪我しなかったなと思います。プロテクションスーツが役に立ちましたね。
そもそもなんでこんな無様なバウダウンになってしまったのでしょう。動画を見てると、強いパフでアパレントが後ろに回り、バウが下げられてしまっているのが分かります。風下のラダーエレベーターが海面上に出てしまったら、何も抑えが効かなくなるので、こうなるのも無理ありません。 ラダーエレベーターを大きくするという、安全委員会の提言を受け入れなかったエミレーツなだけに皮肉です。こうなるのを防ぐためのルール変更提言だったのに。
ただし、もしラダーエレベーターを大きくしても今回のように落水者が出てしまった場合には、その落水者を引っ掛けてしまう恐れもあります。どっちにしても危険な乗り物ですね。相当頭がいかれてないと乗りこなせそうもありませんな。
落水しても置いていってレースを進めて良いのですか?
安全の観点では、もちろんレスキューボートがあるから良いのかも知れませんが、乗員が減少した状態でのFinishって認められているんですね。
びっくりしました。
ACのクラスルールで許してるみたいですね。ジブが落ちた時も海に捨てましたし。実際は2人も減っちゃったら手が足りなくてまともには走らせられないでしょう。