世界一過酷なヨットレース、ボルボオーシャンレース2014−2015がスペイン・アリカンテで開幕しました。第1レグはケープタウンまでの長丁場ですが、まずは前哨戦のインポートレースの模様です。
率直に言ってしまうと・・・遅い!なんだこのフネ?このフネで世界一周するの?
今回のボルボは以前もお伝えしたように、艇体もマストもセールもすべて大会から供給されるワンデザインです。開発費が不要になるので、大幅なコストダウンにつながり、参加チームが増えるだろうと言う目論見でした。しかし前回大接戦を繰り広げたグルパマやエミレーツ、プーマなどが軒並み参加を取りやめてしまい、結局フタを開けてみれば参加はわずか1チーム増えただけの7チーム。
なんだかこのインポートレースの走りを見ていると、これまでのチームが参加を辞めた理由が分かる気がします。特にあのA3ジェネカーはなんだと。ただデカイだけで、全然リグとマッチしてないじゃないですか。ラフコードのテンションでジェネカーのラフがストールしてるし、リーチは逆にシバーしてます。うーん・・・
乗り手が自分たちのために開発したら、決してこういうことにはならないでしょう。フネが速かろうが遅かろうが、条件は同じなんだからいいだろうという姿勢が見えてしまいます。僕だけでしょうか?
11日にはケープタウンまで6487マイルの第1レグがスタートします。今回はフネが同じなので、乗り手の腕しだい。だとすると、スペインのマプフレチームが最有力だと思います。舵を持つのは、またも出ましたイケール・マルティネス!そう、あの夜な夜なイケールです。こいつ地球何周目なんだ?
クルーには49er時代からの盟友シャビ・フェルナンデス。フィンの銀メダリスト、ラファ・トゥルイリョ。そしてワッチキャプテンにはフランスの英雄、ミシェル・デジョワイヨの名前まであり、乗り手の技術と経験値を比べれば、マプフレが大本命なのは間違いありません。
前回もそうでしたが、ボルボの勝敗を決める大きな要因はトラブル。特にディスマストは致命的です。今回は全艇同じマストなので、同じストームの中に入ったら、全艇ディスマストなんてことも考えられる訳で・・・それはないかw
いろいろとダメ出ししましたが、それでもこれから9ヶ月をかけて世界一周するセーラーたちには憧れるし、これから起こるであろう沢山のドラマを想像するだけで興奮します。これまでの歴史に恥じない、熱い戦いを期待しましょう。
今回の参加艇はロープもすべて大会からの供給。1艇あたり3,000mを越える長さのロープはすべてマフィオリです。
ロープ1本が切れるだけで、クルー全員の命が危険に晒される外洋レース。ロープに求められる信用度はインショアやディンギーレースの比ではありません。
ロープは本当に大事です。ロープを換えるだけでフネは生まれ変わります。弊社のマフィオリラインナップはどんどん拡大していますので、フネの大小を問わず、お気軽にお問い合わせください。