マイアミでは連日いい風が吹いているようです。
先日JSAFの会議に出席していて、とても残念に感じることがありました。ユース世代の育成強化は現在レーザーラジアルと420が中心ですが、今後は日本人が体格的に不利とされるスキフ種目の強化にも乗り出すと発表されたのです。
スキフの強化に乗り出すこと自体は大いに結構なのですが、なぜ体格的に不利だといわれるのかが理解できません。ボートパークに行って実際に選手たちを見て欲しい。全然そんなことない。確かに49erのクルーは平均的に大きいですが、ヘルムスは驚くほど小さい人もたくさんいます。この動画に出てくるイギリスのエース、ディラン・フレッチャーも日本人の平均身長くらいですよ。
FXなんてもっとビックリするくらい小さい。現在マイアミでトップを走るニュージーランドも小さいし、オーストラリアのテスなんて150センチ前半じゃないかな?ビックリするくらい小さいんです。FXは基本的にアンダーパワーなので、ヨーロッパの平均的な女の子じゃ大きすぎて不利だって言われてるんですよ。つまりアジア人の方が体格的に向いてるってことです。ナクラもみんな小さい。僕と和歌子は平均よりかなり大きい方です。
だからなんとなくイメージだけで日本人はスキフに向かないとか不利だとか言うのは本当に止めて欲しい。体格で勝てないんじゃなくて、単に普及してないから、きちんと強化してないから勝てないんだと考えるべきじゃないでしょうか。
忘れちゃならないのはオリンピックのセーリング競技におけるコア種目はレーザーとラジアル、それに49erとFXだということ。なのにいま49erのキャンペーンは実質1チームのみ。FXもやっとどうにか1艇2艇という状況。これは由々しき事態だと言わざるを得ません。
せっかくオリンピックが自国に来るんだから、もっといろんな種目を活性化させましょう。新しいことを始める勇気を持ちましょう。日本人はスキフに向いてないとか、高速セーリングに向いてないなんて嘘っぱちです!41歳のオッサンがモスワールドでトップ取れるんですから。みんなが本気で取り組んだら、きっと世界をあっと言わせられるはずですよ。
体格を理由にするのは昔からの伝統だから。取り組む前から不利とか言ってるようじゃ、ま、先は知れてるけどね。そういう人に限ってスキフを見たことがないだろうし。
不利と言われようがなんだろうが、本当にやりたいやつはやるんですけどね。ただ言葉尻にはもっと気をつけるべきだと思います。