スペイン狂騒曲

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マイアミOCRの成績表をよく見てみると、驚くべき事実が隠されていました。

このブログによく登場するスペインのイケール・マルティネス。アテネ五輪49erのゴールドメダリストで、なおかつ外洋レーサーとしても世界を何周もしているセーラーです。そのイケールが、元女子470の世界チャンピオン、タラ・パチェコと組んでナクラに乗ると聞いた時は、なんたるゴールデンコンビと興奮したものです。

1年ほどは全く芽が出なかったイケール/タラでしたが、去年の春から急激に成績が伸び始め、ヨーロッパ選手権で優勝。一気にワールドの優勝候補に躍り出ました。サンタンデールの事前練習でも素晴らしい走りを見せていたので、彼らの走りを録画して夜な夜な研究したものです。

ところが、さすが激情のスペイン人。迎えたワールド本番のレース中にイケール/タラは離脱。そのまま解散してしまいました。なんたるあっけない幕引き。その1ヶ月後にはボルボオーシャンレースにイケール乗ってるし!ああ、このまま彼のナクラキャンペーンは終わったんだろうな。そう思っていました。

でもそこから事態はさらに動きます。イケールは第3レグからボルボを降り、新しいクルーとナクラに乗ると発表されました。ボルボよりナクラを取るのか〜と感心して、そういえばマイアミでどのくらい走ってるのかな?と成績表を見たんです。そしたらイケールたちより前を走ってるスペインチームがいるじゃないですか。

それがなんと、フェルナンド・エチャバリ!去年までイケール/タラのコーチをしてたフェルナンドが現役復帰してる!フェルナンドがタラと乗って、初めてのナクラのレースに出て、しかもイケールより前走ってるじゃないですか。どんだけ〜w

このフェルナンドも前に紹介したことがあるんですが、トルネード最後のオリンピックとなった北京での金メダリスト。その後なんとスターに転向してロンドンを目指しました。トルネードからスターに乗り換えたことにも驚かされましたが、コーチになってからまたナクラに戻るとは・・・

一つの艇種にずっと乗り続けることが多い日本人の感覚からすると、スペイン人の自由奔放さに僕なんかは憧れを抱いてしまいます。速い人は何に乗っても、いくつになっても速いんですね。負けてらんないわ。

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