USセーリングチームの代表選考が大詰めです。ボラがナクラでリードしているのは紹介しましたが、実は49erでもモス乗りのブラッド・ファンクがトレヴァー・バードとリオを目指していて、現在2番手につけています。
かつてのアメリカの代表選考といえば、国内選手だけで何レガッタも何十レースも重ねて決定する方式で有名でした。しかもどこよりも結果を残してたんです。それがこうして国際レースで、しかも経過を公開しながら選考するだなんて。
昨今のオリンピック代表選考は逆の傾向です。たとえば近年最もメダルを量産するイギリスやオーストラリアは、どこのレースが選考で、どういうポイント制になっているのかを公開しておらず、ある日突然、特定のクラスの代表が発表されるスタイルをとっています。
ハッキリとした選考基準が分からないので、かつての日本陸連のマラソン代表選考みたいに物議を醸すと思いがちですが、実はそうじゃありません。彼らは選手たちを守るために選考基準を秘密にしているんです。
なぜなら他国がメダル争いをするであろう選手を、国内選考で負けさせてしまうことが不可能ではないから。国際レースを選考レースにするとそのリスクがある。かつてのアメリカが国内レースで代表を決めていた理由の一つです。今も昔もメダルを量産する国はそこまで警戒しているということです。自分の浅はかさを思い知らされた気がするエピソードでした。
49erもFXもナクラも今週フロリダのクリアウォーターで開かれるワールドで代表が決まります。モス乗りとしてはボラとブラッドにぜひ頑張って欲しい!