真の王者

カテゴリー SAILING

バルセロナで開かれていた49er/FXのヨーロッパ選手権で、ニュージーランドのピーター・バーリング/ブレア・テュークが2位に60点差をつけて圧勝。同大会4連覇を達成しました。

ちなみに彼らは世界選手権も4連覇。2012年のロンドンオリンピックで銀メダルを獲得して以来、この4年間、出場したすべてのレガッタで負けなし、破竹の25連勝です。しかもピーターは2013年のユースアメリカスカップ、2015年のモスワールドも優勝。負けたのはA-catぐらいじゃないでしょうか。

これでまだ25歳。ブレアも26歳。まったくもって末恐ろしい。このまま4年間負けなしでの金メダルが現実味を帯びてきました。しかもその翌年にはアメリカスカップが控えています。彼らの勢いはどこまで続くのか?

470男子の絶対王者、ベルチャー/ライアンも2週前に再びヨーロッパ選手権を制しました。知りあった頃はあどけないティーンエイジャーだったベルチャーが金メダリストになり、私生活でも二児の父となったことに時の流れを感じます。

昨年12月に彼らは文句なしのリオ五輪代表に選ばれました。その晴れ晴れしい記者会見の5分前、ベルチャーは妻のフレデリーケからの電話で、娘のアメリーがダウン症と診断されたことを告げられました。まさにキャリアの絶頂を迎えていた彼にとって、この事実がどれほど重かったか。僕にはとても想像がつきません。

それから数ヶ月が経ち、彼は自分たちがいかに間違っていたかを思い知ったそうです。先天性の遺伝子疾患であるダウン症は、人種や性別などによらず、800-1,000人に1人の割合で生まれるらしく、世界中にそのコミュニティーが広く存在しています。ベルチャーはそのコミュニティーに感銘を受け、一員になれたことを喜び、アメリーが自分たちの人生をより豊かにしてくれると言っています。

セーリング技術だけでなく、人間としても大きく成長した彼は、きっとリオで2個目の金メダルを獲得して、愛娘アメリーの首にかけてあげることでしょう。素晴らしい友人を持てたことを誇りに思います。

コメント

コメントする




«   »