osakaまたも東名をひた走り、大阪に来ています。今夜のフェリーで門司に渡り、明日ナクラとコーチボートを下関で積み込みです。

大阪に来る度に、かつて17-8年前にサラリーマンをしていた頃の懐かしい記憶が蘇ります。飲んだくれた失敗話ばっかりで、まともな記憶は一つもありませんが、それでもここは20代前半のほろ苦さを思い出させてくれる特別な街。サラリーマンとしては本当にどうしようもない出来損ないでしたが、あの頃から夢だけはハッキリしていました。

その夢にようやく手が届くかどうか。足掛け18年に及ぶ挑戦の結果が出るまであと24日です。

いよいよ青島ワールドカップ遠征が迫ってきました。明日葉山を発ち、下関のオリエントフェリーにナクラを積み込みます。帰りに和歌山で借りていたナクラを返却し、一度葉山に戻ったあと31日に飛行機で青島に向かう予定です。

実は僕、中国本土へ足を踏み入れるのは初めてなんです。まして中国にヨットを送ってレースに出るなどまったく未体験の領域。宿泊や現地での移動、フネの輸送などを手配していて感じるのは、他国とまったく勝手が違うということ。国際免許が通用しないので車の運転はできないし、カルネ通関もできません。港から大会会場にヨットを運ぶのも業者に任せるしかないんです。加えて食料事情に不安があるので自炊も難しい。ホテル暮らしで基本は外食になります。自炊好きな僕らにとって非常に残念なところです。

経済発展目覚ましい中国ですが、まだまだ近くて遠い国なんだなと思わざるを得ません。もちろんこんなところで文句を言っても状況は変わらないので、受け入れて順応するしかないんですけど。

いや、そんなに文句を言えた義理じゃないのかも知れません。先日マークが日本でレンタカーを運転するのに国際免許が必要と知って驚いていました。僕らにとっては海外で運転するのに国際免許がいるなんて当たり前のことですが、彼らはどこに行っても自国の免許証で運転しているらしく、国際免許の存在すら知りませんでした。

日本ではトレーラーにも車検が必要だし、ボートには船検が必要だし、運転するには船舶免許も必要です。どれも日本人にとっては当たり前ですが、海外選手やコーチにとってはそうではありません。5年後の東京オリンピックに向けて、解決していくべき課題の多さは日本も中国もそんなに変わらないのかも。

これから数年、世界中のセーラーの注目が相模湾に集まります。海も風も人も、世界中のどこと比べても誇りを持てる素晴らしいゲレンデです。日本でセーリングして良かった。また日本に行きたい。世界中のセーラーにそう思ってもらえるように、日本のセーラーで結束して知恵を出して行きたいところです。来年はモスワールドもあるし、ホスト国としての責務をしっかり果たさなきゃ。青島の遠征準備を通じて、はからずも自国の問題点を認識するに至りました。

オッサン宣言

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恥ずかしながら、本日をもってまた一つ齢を重ね、42歳になってしまいました。42回目の誕生日はナクラをバラしてパッキングした後、(マイカーの強い要望を受け)3ヶ月ぶりのモスを楽しみました。やっぱりフォイリングの快感は格別です。

それにしても世界には凄いヤツがいるもんです。19歳のマイカー・ウィルキンソンは驚異的な体力、運動神経、そして反射神経を駆使して初めてでも軽々とモスを乗りこなし、フォイルジャイブまで決めてしまいました。信じられない。そりゃナクラのクルーしても動きがキレキレなはずだわ。参りました。

こういう若さを見せつけられると、いやでも自分がオッサン街道のど真ん中なんだと痛感させられますね。少し前までは必死でその意識を持たないように気をつけていましたが、最近はそんなオッサン化する自分も受け入れ、それでも若い子に負けないところをどこかに隠し持っていればいいのかなと。感情に任せず、怠惰に流されず、他人に優しく、自分に厳しい。そういうオッサンに私はなりたい。

R0001725成田空港に2人を送り、湾岸線をすっ飛ばし、なんとか家族でケーキを食べられる時間に帰ってくることができました。最愛の家族に囲まれ、好きなことに熱中できるなんて、つくづく幸せな42歳だと自覚しています。ここまで来たらとことんまでやり抜き、43歳の誕生日をリオで迎えてやろうと思います。

FBやメッセージなどたくさんのお祝いありがとうございました。これからもどうぞよろしくお付き合いください。

合宿打ち上げ

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ナクラ葉山合宿9日目。海上練習は最終日です。昨日よりも強い北風が吹く予報でしたが、実際は8-12ノットのほど良い風が吹いています。この風速ならと骨折しているリヴも乗ってくれ、2艇でレース形式の練習ができました。

自分で言うのもなんですが、この合宿を通じて学んだことが形になり、格段に走りがレベルアップしたと感じています。初日あんなに全く敵わなかったパートナーに対しても互角以上に渡り合うことが出来ました。初日から骨折したり台風が近づいてきたりで当初はどうなることかと思われましたが、今回の合宿の意義と成果は本当に大きい!

IMG_5991大満足の練習を打ち上げ、最後の晩餐へ。どこに行きたいかリクエストを聞くと、なんとスシトレインをご所望。じゃあ行きつけの高級寿司店に行きますかw

はるばるイギリスとニュージーランドから飛んできてくれたマークとリヴ/マイカーありがとう。快くナクラをチャーターさせてくれた和歌山セーリングクラブと合宿を受け入れていただいた葉山新港にも感謝しています。みなさんの支えがなければこの合宿は成立しませんでした。ムラキとヤナもありがとう。

そして最大の感謝はスポンサーのアビームコンサルティング株式会社へ。このご恩は必ず青島で結果にしてお返ししようと決心しています。ありがとうございました。

北の風、風力5

カテゴリー SAILING

Photo by ムラキノボル

Photo by ムラキノボル

ナクラ葉山合宿8日目。昨日のラフな南風とは打って変わって、20ノットオーバーの北風が吹きつけています。元気に出艇していった我が娘の手前、もちろんビビる訳にはいきません。今日もみっちり2セッションの練習です。

ストレートラインのスピードは相当改善されたし、タックジャイブ、ラフベア、ホイストドロップもかなり安定してきました。ただしそれもマークを回らずにフリーで走っている時だけ。マークを回り出すと途端にボロが出ます。特にダウンウインドのレイラインは大問題。足りずにショートジャイブを繰り返したり、オーバーレイしてタイトになりノーズダイブしてしまったり・・・

つまり、まだこの風での余裕がないということです。それが現実。でもこういう練習を積めば、15ノットくらいの時には余裕が出るだろうし、いずれは20ノットでも余裕が出るはず。明日はもっと強い予報だけど、今日よりも余裕を持って走れるよう意識したいと思います。

南の風、風力4

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Photo by ムラキノボル

ナクラ葉山合宿7日目。終日オンショアの南風が12-18ノット吹き続ける中で、集中した素晴らしい練習ができました。ただ走るだけならそれなりに走れますが、マークを打って回るとボロが出てしまいます。そのボロの数だけ、まだまだ上手くなれるということです。

ナクラで戦う上で絶対に欠かせない武器、それはスピード。今回の合宿でそのスピードがやっとグローバルスタンダードのレベルに近づいてきたと感じています。ハイパフォーマンスボートでは、いくら小手先の技術があっても、スピードがないと勝負になりません。

もっともっとスピードに磨きをかけて、スタンダードレベルを越え、世界のトップで戦えるようになりたい。そこまで行って初めてナクラのレースを楽しめるはずです。

この週末は同じ葉山新港をベースに、東日本OP選手権が開かれていて、我が長女も出場しています。家族でこうしてセーリングに没頭できるなんて本当に幸せなことです。凛子はこの強風の中で立て続けに5レースも走ったそうで、最後まで走り抜いただけでも賞賛に値するのに、成績も良かったので本人含め周りもみな驚きました。父も負けないように頑張ります。

Quantum leap

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ナクラ葉山合宿6日目。昨日あまり練習できなかった分、朝の北風と午後の南風で2セッション、みっちりと練習しました。やっぱり走り合わせる相手がいると効率が全然違います。特に午後のフルパワーの風の中でのアップウインドでは、いままでとまったく違う走りができました。

まだまだ試行錯誤していますが、少しずつ確実に良くなっています。知識と経験の無さを埋めたくても、雑誌やネットに答えがないので、自分で経験して、他のフネを研究して、小さな改良を積み重ねていくしかありません。その中でたまに、大きな発見で一気に上達するポイントがあって、それはまさに今日のような日です。モスを習得していく過程でも似た経験をしてきました。

一日一日がとても貴重です。明日は終日いい南風が吹く予報なので、また2セッションみっちりやります。

終日微風

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ナクラ葉山合宿5日目。終日微風で、残念ながら短い練習時間で終わってしまいました。それでも微風のダウンウインドが以前より速くなったのは大きな収穫です。青島では微風のダウンウインドテクニックが重要になるかも知れませんからね。

毎日小さな収穫と、新たな課題が出てきます。しっかり積み上げれば、いつかは世界のトップに届くはず。去年一緒に練習していたドイツチームは、プレオリンピックで快走しています。僕たちもそうなれないとは限らない。ブラジルに行かずに練習すると自分で決めた以上、ここでできることを最大限やるだけです。

あーホントにずっとナクラ漬けだ。モスが恋しい。

コロンビア・ゴージで開かれた全米選手権。いつか行ってみたい場所の1つです。

レベルアップ

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ナクラ葉山合宿4日目。なんと左手の薬指を骨折しているリヴも朝からやる気満々です。根性あるなぁ。結局風が10ノット程度に上がってきたら着岸してましたが、明日からも乗れる限りは乗ってくれるそうです。

昨日のランドヨットが功を奏し、非常に大きな進歩を感じた一日でした。タラララッタッタッター♫ヒロキ/ワカコのレベルが上がりました。そんな音が聞こえるくらい。マニューバの中で何を優先するかが明確になったのが違いです。この合宿を通じて、ひとつ壁を越えられそうな気がするぞ。大きな壁を。

ランドヨット

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IMG_5990ナクラ葉山合宿3日目。ロンドンからマークも飛んできました。昨日のアクシデントから大幅なプランの変更を余儀なくされた訳ですが、失ったものをいくら嘆いても時間の無駄です。いまできるベストを尽くさないと。

パートナーを失ったと考えるよりも、まだマイカーとマークがいると考える。そうすれば福岡で1艇で練習するよりも遥かに有意義な練習ができるはずです。ただし今日は25ノットオーバーの強風で出艇禁止になってしまい、陸上でフネを固定して、クルー動作についての疑問解消に費やしました。聞いてしまえば当たり前に思えることでも、2人だけで乗ってると思いついていないことがあるものです。

明日からは風も落ち着くので、1艇のナクラを3人で乗り回しながら、濃密な時間を過ごそうと思います。

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