いよいよ青島ワールドカップ遠征が迫ってきました。明日葉山を発ち、下関のオリエントフェリーにナクラを積み込みます。帰りに和歌山で借りていたナクラを返却し、一度葉山に戻ったあと31日に飛行機で青島に向かう予定です。
実は僕、中国本土へ足を踏み入れるのは初めてなんです。まして中国にヨットを送ってレースに出るなどまったく未体験の領域。宿泊や現地での移動、フネの輸送などを手配していて感じるのは、他国とまったく勝手が違うということ。国際免許が通用しないので車の運転はできないし、カルネ通関もできません。港から大会会場にヨットを運ぶのも業者に任せるしかないんです。加えて食料事情に不安があるので自炊も難しい。ホテル暮らしで基本は外食になります。自炊好きな僕らにとって非常に残念なところです。
経済発展目覚ましい中国ですが、まだまだ近くて遠い国なんだなと思わざるを得ません。もちろんこんなところで文句を言っても状況は変わらないので、受け入れて順応するしかないんですけど。
いや、そんなに文句を言えた義理じゃないのかも知れません。先日マークが日本でレンタカーを運転するのに国際免許が必要と知って驚いていました。僕らにとっては海外で運転するのに国際免許がいるなんて当たり前のことですが、彼らはどこに行っても自国の免許証で運転しているらしく、国際免許の存在すら知りませんでした。
日本ではトレーラーにも車検が必要だし、ボートには船検が必要だし、運転するには船舶免許も必要です。どれも日本人にとっては当たり前ですが、海外選手やコーチにとってはそうではありません。5年後の東京オリンピックに向けて、解決していくべき課題の多さは日本も中国もそんなに変わらないのかも。
これから数年、世界中のセーラーの注目が相模湾に集まります。海も風も人も、世界中のどこと比べても誇りを持てる素晴らしいゲレンデです。日本でセーリングして良かった。また日本に行きたい。世界中のセーラーにそう思ってもらえるように、日本のセーラーで結束して知恵を出して行きたいところです。来年はモスワールドもあるし、ホスト国としての責務をしっかり果たさなきゃ。青島の遠征準備を通じて、はからずも自国の問題点を認識するに至りました。