いやー、全然知らなかった。今年のユースワールドからマルチハル種目としてナクラ15が採用されたのは知ってました。(開催地であるオマーンが辞退してしまい、まだ代替地は決まっていません)2017年のユースワールドもナクラ15、そして2018年にブエノスアイレスで開かれるユースオリンピックもナクラ15。
そこまでは知ってたんだけど、なんとブエノスアイレスでのナクラ15はこの画像のとおりフォイラーだって言うじゃないですか。マジかよ!
東京オリンピックに向けてナクラ17もフォイラーになると決まっていますが、2年も先駆けてユースがフォイラーになるなんて驚きました。しかもこの15のフォイル、先日紹介した最新のA-catと同じZボードとLラダーなんです。
Zボードの利点はボードの上げ下げが必要ないこと。常に4本のフォイルが接水して走ります。もう一度先日のA-catの映像を見て下さい。
常に風上のボードを上げて、3本のフォイルで走るAC45やGC32よりも安定して走る様子が見て取れます。両方のボードのリフトを使って飛んでいるので、ヒールアンヒールによらず、水中にあるフォイルの表面積の増減によって、ハイトは自然にコントロールされます。旅客船のジェットフォイルと同じ原理です。
デメリットは抵抗が増えることですが、ナクラのようにワンデザインならみんな同じだから問題ないし、クルーにとってタックジャイブでボードの上げ下げが無いメリットは大きい!
実際、デッキ上に挙がってるダガーボードってすごく危険なんです。フネが海面に突っ込んで減速したとき、クルーが吹っ飛ばされてボードのエッジで怪我をするのが一番怖い。だから常にボードを下げていられるのは、体力的に楽なだけじゃなく、安全面でもメリットが大きい。
Lラダーも同様に安全です。GC32のトレーニング中に落水したフランク・カマスが足首を切る大怪我をしたのは記憶に新しいところ。ACのルールでも落水者を守るためにラダーのTフォイルの幅は厳しく規制されています。Lラダーならその心配もありません。
ナクラ15は真っ直ぐなボード、これまでの17と同じCボード、そしてフォイリング用のZボードの3種類を用意して、ダガーケースをボルトオンで交換することで、習熟度に合わせた変更が簡単にできるとのこと。また既存のナクラ17も同様に、ダガーケースを改造することで、ZボードにLラダーのフォイリングカタマランに生まれ変わるようです。
ユースオリンピックの参加資格は14歳から18歳まで。OP卒業して間もない年代の子たちがこんなフネに乗るなんて!凄い時代になったものです。おーいOPっ子たち、覚悟はいいかい?
速さを追求するだけでなく、安全面も考慮しながら、フォイリングはどんどん進化しています。3本足から4本足へ、これは大きな波になりそうです。