アムステルダムで開催されているMETS 2017(マリンイクイップメントトレードショー)にて、ザイクの新しいオーシャンギアレンジ、アイソタックXがデザイン大賞を獲得しました。昨年のアヴレアに続き、2年連続の受賞です。
以前にも少し触れましたが、このアイソタックXはボルボオーシャンレースに参戦しているアクゾノーベル、東風チームと共同開発した究極のオーシャンギアで、アイソタックオーシャンはこのXに置き換わります。最大の特徴は簡単に取り外し、交換が可能なアダプティックフード/バイザーシステムです。これだけで赤道から南氷洋までの幅広いコンディションに対応可能。
そして目立たないけど大きな役目を果たすのが、独自開発した全く新しいレジシール。従来のラテックスシールが持っていた「肌に張り付く」「苦しい」「紫外線ですぐ劣化する」といったマイナス要素を全て覆す画期的なネック/リストシールです。レジシールは耐紫外線性能がラテックスシールの10倍以上と圧倒的で、従来品のように肌を締めつけず快適な着心地でありながら、水の浸入を完全にシャットアウトします。
他にも闇夜のデッキ上やコクピット内でも、自分の存在だけでなく、どちらを向いているのかまで相手に知らせるバイオモーションリフレクターや、荒天時の視界を倍に広げる、ポリカーボネイト製で取り外し可能なハイドロビジョンバイザーなど、画期的なアイディアが随所に盛り込まれています。アクゾノーベルチームのスキッパー、シメオン・ティエンポントも洋上でのパフォーマンスに大満足のようです。
ボルボ参加7チームのうち2チームのオフィシャルサプライヤーを務め、スキャリーワグチームに至っては供給ではなく購入してザイクを着ているので、実にボルボセーラー全体の42パーセントがザイクを着て世界一周に挑んでいる計算になります。もちろんこういったトップエンドの商品で発生する技術革新は、普及モデルの商品にも今後活かされていくでしょう。ディンギーから始まったザイクのイノベーションは、オーシャンセーリングの世界でもとどまるところを知りません。