羊たちの杯

カテゴリー SAILING

20130914-午前100205.jpgアメリカスカップは今週末には終わり、スポーツ史上最古のトロフィーは、再びニュージーランドへと移るでしょう。最もふさわしい安住の国に。

そもそも90年代からもう20年くらい、アメリカスカップとは名ばかりで、実質はキウイカップの状態が続いていました。ピーター・ブレイクを中心にしたブラックマジックがカップを奪い、そこからラッセル・クーツがスイスのアリンギに仲間をごっそり連れて移籍したことで、カップは史上初の欧州へ。そしてまたカップをアメリカに戻したのも、クーツやブラッド・バタワースなどのニュージーランド勢が率いるBMWオラクルレーシングでした。

今回だって、アメリカ対ニュージーランドと言いながら、オラクルチームUSAのセーリングチーム、ショアチーム、デザインチーム、含めてアメリカ国籍はごく僅かしかいません。一番多いのはニュージーランド人なのです。

セーラーやデザイナーだけじゃありません。すべてのAC45が建造されたのも、エミレーツとルナロッサのAC72はもちろん、オラクルのウイングが作られたのも、ニュージーランドなのです。

もうアメリカスカップは、ニュージーランド対ニュージーランドみたいなもの。完全にこの世界を牛耳っているんです。しかもユースアメリカスカップの結果からも、この状況が更に続くことは容易に想像できます。

ホントなんなんですかね、あの国は。ヨットとラグビーだけは半端ないですよね。人口たったの400万人ちょっと。日本で言えば、我が故郷、福岡県よりも少ないんですよ?あとは羊しかいない国なのに、ホント信じられない。

だからカップが今回ニュージーランドに再び渡るのは自然な流れだといえます、国費を投入してまでカップ奪還を目指していた国民の熱狂ぶりは、相当でしょう。今週末のテレビ視聴率は90パーセント超えると思いますよ。マジで。

ニッポンチャレンジが挑戦していた頃のACとはまったく別物になりましたね。嘆く人も多いようですが、挑戦してない人間に、とやかくいう権利なんてありません。今回のマッチを見て、更に強く思いました。あれを見せられたら、もう戻れません。戻るべきじゃありません。前に進むべきです。

圧倒的な技術とノウハウを持つのはニュージーランドだけなので、他の国に対しては、我が国もそんなに大きな差をつけられてるとは思いません。悲観する暇があったら、29erや49er、ナクラ、モスで遊んでた方がよっぽど、将来のアメリカスカップ再挑戦につながると思います。

あーその気になって来たw よし、そういう訳で、来週のモス全日本、そして来月のモスワールド、日本のために頑張りますw

子豚写真集

カテゴリー PRIVATE

朝起きて、空港に行って飛行機に乗るだけの日。特にこれといったトピックもないし、全国1億2千万人の三匹の子豚ファンのために、10日間の写真集を公開いたしましょう。仕方ない。

大きくなってもこの旅行を覚えてるかな?ハルちゃんは2歳だし難しいかも知れませんね。どの瞬間を切り取っても、全力でいまを楽しんでそうだから、まあいっか。

残念な最終日

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家族が一足早く帰国し、僕だけ残る最終日。でも体調がすこぶる悪い。せっかくサンフランシスコまで至高のレースを観に来たのに・・・

レースの方も僕の体調に合わせるように残念な感じでした。第5レース。スタートからリードを奪ったオラクルでしたが、2ゲートを回って即タック。これが最悪な選択だったようで、あっさりエミレーツに逆転を許し、ズルズルと差を広げられ、カップ本戦で最大の1分5秒差をつけられてフィニッシュ。

続く第6レースは、なんとオラクルが延期を願い出て、後日延期となりました。大会中、各チームに一度だけ許されたこの延期リクエストを今日使っちゃうとは驚きです。道具にトラブルがあった訳でも、コンディションが悪かった訳でもないのに。

対戦成績はこれでエミレーツ4点 vs オラクル-1点の5点差がつきました。オラクルは非常に苦しいですね。明日もレイデーでレースがないので、クルーもしくは道具に何か思い切った変更をしてくるのではないでしょうか。2ボートキャンペーンをしてきたオラクルにとっては、クルー総入れ替えすら不可能ではないのです。(しかも控えにいるのがベン・エインズリーなんですから)

エミレーツはスタートが少し消極的なのが気になりますが、アップウインドの速さとクルーワークの練度の高さで、リードされても確実に差を詰めてくるところが流石です。1マークをエミレーツが先行して回れれば、あとは盤石のように見えます。

エミレーツがカップを奪うまであと5勝、オラクルが守るまであと10勝。第6レース以降の対決も楽しみですが、残念ながら僕は時間切れ。明日の飛行機で日本に帰ります。

残念な休日

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今日はレースが行われないので、家族でサンフランシスコを満喫する日としました。お約束のケーブルカーに乗り、オープントップバスで観光名所めぐり。

子供たちのリクエストをできるだけ聞こうと、オープントップバスでゴールデンゲートブリッジを渡ったのですが、これが寒いのなんの・・・体の芯まで冷えきってしまい、僕だけ体調を崩してダウン。とっても残念な休日になっちゃいました。子供たちはピンピンしていますのでご安心ください。悔しいけど、寄る年波には勝てませんなぁ。

もうみなさん結果は御存じかも知れませんが、今日の2レースはエミレーツとオラクルが1戦ずつ分けあいました。エミレーツが逆転勝利した第3レースは28秒差。そしてオラクルがついにエミレーツに土をつけた第4レースは、なんと8秒差!

3分とか5分とか差がついていたルイヴィトンカップとはまったく違う、手に汗握るレース展開。今日の2レースは、まさに歴史に残る極上のエンターテイメントでした。まだご覧になっていない方は、どうぞフルサイズで鑑賞してください。

マルチハル、ウイングセール、そしてハイドロフォイルとかつてない大きな変革により、多くの批判にさらされた今回のAC。結局3チームしか挑戦者は現われず、しかも悲惨な事故も起こしてしまい、一時は開催が危ぶまれもしました。

しかしご覧になったとおり、挑戦者と防衛者は、かつて人類が目にしたことのない刺激的なバトルを展開しています。大変革の英断を下した防衛側のラリー・エリソン、そしてラッセル・クーツは、今日のマッチにより、自分たちは間違っていなかったことを世界に示すことができたのではないでしょうか。

「あんなフネでマッチレースはできない」と言われ続けてきました。でも今日、彼らが見せてくれたのは、紛れもないマッチレースでした。

「あんなのヨットじゃない」とまで言う人もいました。でもその人が乗っているヨットは、100年前のヨットと比べたらどうでしょう?そんなのヨットじゃないって言われるんじゃないでしょうか。

僕は前回のバレンシアでのACも見に行きました。それは、この対決でヨット界が変わるから、自分の目で見ておきたいと感じたからです。前回の2艇のスケールの大きさは、生で見ないと実感できないものでした。今回のフネはサイズこそ小さくなりましたが、スピードが断然速い。このスピード感も、やはり生で見ると違います。

途方もない大きさや、とてつもない速さのヨットを目の当たりにして、あらためて感じさせられるのは人間の偉大さ、そして無限の可能性です。限界を押し広げる彼らの強靭な意思と独創性には、同じセーラーの端くれとして、尊敬の念を禁じ得ません。これでこそアメリカスカップです。

子供たちの目に、あのモンスターマシンはどう映ったのでしょう。ヨットがあんなスピードで飛んでいくのが、この子たちの世代にとっては当たり前のことになるのかも知れません。セーリングはそうやって進化してきたし、これからも進化していくんです。

素晴らしい瞬間に、家族とともに立ちあえて光栄です。今日一日だけでも、万難を排して来た甲斐がありました。感動。

大興奮!

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朝、ホテルから路面電車に乗ってメディアセンターへ。レース委員長であるイアン・マリーの、「今日のレースは今までのどのレースよりも接近戦になるだろう」という言葉に緊張感がみなぎります。

その後、係留されている2艇のAC72をじっくり観察。最も印象的なのは、ウイングの違い。例えれば、飛行機の翼を立てたオラクルに対して、従来のマストとセールをウイングに仕立てたエミレーツという感じです。

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ドッグアウトショーで選手たちを見送ったら、観戦ポイントまで歩くんですが、これが遠い!小一時間かかる。しかもこの間に気になるのが、オリンピックの開催地発表。マドリードが一回目の投票で落ちたとか、イスタンブールと東京の決戦投票だとか、胃の痛くなる情報を集めながら、セントフランシスヨットクラブの堤防へ辿り着きました。

レースも気になるけど、オリンピックも気になる!早く発表してレースに集中させてよ、お願いだから。午後1時のはずの開催地発表は、一回目の投票が同数だったために20分延びたとか。

20130907-午後094153.jpgそうこうしてる間に午後1時15分。第34回アメリカスカップの第1レースがスタート。来た!どっちも速い!目の前で繰り広げられるフォイリングジャイブの応酬に心を奪われます。2艇のパフォーマンスは期待どおり差が小さく、抜きつ抜かれつの接近戦です。ふとiPhoneに目を落とすと、、、、

キターーーーーッ!東京!!!

思わず吠えてしまい、周りの失笑を買っちゃいましたよw でもホントに嬉しい。この決定が持つ意味は、国民一人一人にとっても、日本全体にとっても非常に大きいと思います。感動しました。

さあレース観戦です。ヘリからの映像では分かりにくいかも知れませんが、地上から見るとエミレーツのアップウインドは、ほぼ飛んでいます。完全に飛ばしてしまうとリーウェイが大きすぎるので、風下のハルが僅かに海面に触れる高さを維持しながら。つまり超低空飛行です。

結局、今日の2レースはどちらも僅差でエミレーツが取りました。データを見ても、2艇の差はダウンウインドよりもアップウインドの方が大きかったようです。

先日のジュリーの裁定により、オラクルには2点の減点が言い渡されているので、マイナス2対プラス2の4点差となりました。オラクルにとって、かなり厳しい戦況と言わざるを得ません。しかし2艇のパフォーマンスは近く、先行逃げ切りが有利なコースなので、スタートさえリードできれば、オラクルにも充分にチャンスがありそうです。

明日も同じ時刻に2レースが予定されています。違うのは、僕が1人じゃなくなることかな。 このままだとつまらないから、子供たちと一緒にオラクルを応援しようと思います。

決戦前夜

カテゴリー SAILING

15時55分発のフライトを、夕方6時前だと勘違いし、旅の幕開けにいきなり寿命が縮まりました。首都高速をベタ踏みでぶっ飛ばし、なんとかギリギリ搭乗成功。自分のバカさ加減に殺意を覚えます。

でもそんなダウンな気分も、ご機嫌なクリアブルースカイでアゲアゲ!決戦の地サンフランシスコへやって参りました!

いよいよ明日9月7日、第34回アメリカスカップが開幕します。スポーツ史上最古のトロフィーを自国に再び持ちかえらんとするのは、エミレーツチームニュージーランド。最強の挑戦者を払いのけて、カップをその名のとおり自国に留まらせようとするのは、オラクルチームUSA。

対決は160年を越えるカップの歴史で初めて、ハイドロフォイルを装備したカタマランで行われます。40ノットをゆうに越えるハイスピードバトルは、これまでのセーリングの概念すら変えかねません。

明日の第1レースがとにかく楽しみです。そしてほぼ同じ時間に、2020年のオリンピック開催地も決まりますね。しかも夜には、僕が6日ぶりに家族に会える!なんて重要な一日なんだろう。興奮してなかなか寝付けないので、ルービー飲みにいこうっと。おやすみなさい。

ユースACの最終日は1レース目を終えたところで、風速がリミット以上に上がってしまい、お楽しみの最終レースがキャンセルになりました。せっかく夜中の3時に起きてLIVEで見てたのに…

結果、優勝は予想通りチームニュージーランド。2位もニュージーランドのフルメタルジャケット。そして3位にはポルトガルのROSSカスカイスが入りました。

このAC45によるユースアメリカスカップは興行的にも大成功だったのではないでしょうか。願わくば次回のACがどこで開かれるにしても、継続して欲しいところです。そして次回こそ日本からの参加を強く求めたい。日本チームがいればどれだけ盛り上がったか。それを想像すると残念でなりません。

実際、今回の参加チームの面々を調べても、大してキャリアもないディンギーあがりが多いんですよ。彼らにあって日本のユースセーラーに欠けているのは、なんとしてでも世界の舞台に出て行きたいという熱意!パッション!これだけです。

次回大会があるのであれば、誰か熱意のある若者が出て来て欲しい。我が社にできる支援はしますよ。僕も昔は熱意だけしかなかったけど、たくさんの支援を受けて世界に出させてもらいましたから。

20130906-午前105509.jpgさて、今日は葉山マリーナで今週末に進水予定のシースケープにデコレーションを施しました。どうです?カッコ良くないですか?このフネはジェネカーがブルーのグラデーションなので、それに合わせて、スピード感のあるブルーのスプレーを表現してみました。我ながらいい感じに仕上がって満足しています。

さあ明日からサンフランシスコ。なんとか一人暮しの寂しさにも耐えることができました。ありがとうございます。現地からのレポートをお楽しみに!

ユースAC佳境

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ルイヴィトンカップは下馬評通りエミレーツ・チームニュージーランドが圧勝し、7日から始まるカップ本戦の前座として、AC45によるユースアメリカップが開かれています。これが面白い!やっぱりAC45のフリートレースはいいなぁ。クルーが落ちたり、マークに引っかかったり、落としちゃったコードゼロを他のフネが引っ掛けたりw そんなトラブルも含めて、ルイヴィトンカップなんかより、よっぽどエキサイティングで面白いです。

今日までに6レースを終え、予想通りチームニュージーランドのピーター・バーリング師匠が頭一つ抜け出しました。中継を見ていると、ピーターだけはウイングを自分でトリムしてますね。トリマーはクランクだけしているので、もはやグラインダーです。でもそのおかげか、ワンデザインのAC45の中で僅かにボートスピードが速いように見えます。

明日は最終日。このまま彼らが逃げ切るのか、アルテミスやオラクルのユースチームの逆転があるのか。最終の第8レースは得点が倍なので、最後まで目が離せません。

ところで肝心のアメリカスカップ本戦の方ですが、先日のワールドシリーズにおける不正に対しての判決が出ました。クルー1名とショアクルー2名の除籍、25万ドルの罰金、加えてアメリカスカップ本戦における2ポイントの減点が言い渡されたようです。つまりエミレーツが9勝でカップを奪えるのに対して、オラクルがそれを防ぐには11勝が必要ということです。

キナ臭い!キナ臭いぞ。ラリー、お願いだから大人しくこの判決を受け入れてください。再審の要求とかしないで。9月7日にちゃんとカップを開幕させてください・・・

Walk on the water

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7月6日に本栖湖でフォイルを割り、すぐに修理しましたが清水のサマーキャンプでまた割れ、実に2ヶ月ぶりの練習です。いやー、やっぱりモスは楽しい!!

午後4時から5時までの1時間だけでしたが、40代に入った肉体はすぐに悲鳴を上げ、3時間くらい出てたような錯覚を覚えました。今月21-22日に迫った全日本、そして10月に控えるワールドに向けて、非常に心配な状況であります。でもとりあえず、今日はフォイルが割れなかったので、良しとしましょう。

セーリングの持つヒーリング(癒し)効果はすごいですね。モスは特にそう。頭の中が空っぽになります。このスポーツが、これからの時代で果たしていく役割は大きいと思うなぁ。これをご覧になっている、セーリングを離れてしまった元セーラーのみなさん。また海に戻ってきませんか?これほど生活を潤してくれる趣味はありませんよ。

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