Welcome to 蛾地獄

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またひとりモス仲間が増えました。伊藝ヨットサービス代表、伊藝徳雄さんです。気温3度という極寒のなか、缶ビールで進水式をおこない、葉山の海へ飛び出して行きました。ようこそ蛾地獄へ!

もうちょっと暖かければお付き合いしたかったのですが、いくらなんでも3度は・・・YBだねぇ、こんな真冬の海に嬉々として出ていくなんて。みなさん年上なので、何の意味かは申せませんが、YBですぜ、旦那。

ご本人曰く、まったく寒さを感じなかったそうです。麻薬だ。モスは麻薬だ。

Tom King is KING!

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プーマの航跡を見ようとiPadを開いたら、フラッシュがインストールされていないので、Googleマップで表示されました。これはこれで見やすい。よく見るとプーマは小笠原の父島と母島の間を通っていることが分かります。わお!

艇団は昨晩あたりから緩やかに南下を始めた模様です。もしくは地図上でそう見えるだけなのかな?これだけレグが長いとメルカトル図法で表示することにムリがあります。最短距離は地図上で下にふくらむ弧を描くはずなので、フリートはみな距離よりも風速を優先して遠回りしてるってこと。それが南下してるように見えるんだから、実際に南下してるはずですね。これだけ距離が離れてても、みんな同じように南下するなんて面白い!

快進撃を続けてきたプーマがここに来て苦しそうです。代わりにインコースからテレフォニカが伸びてきました。なんだか地球を使って競馬してるみたいですね。見てる方は面白いけど、選手は24時間ずっと緊張が続いて大変だろうなー。

ところで、日曜日まで開かれていたエッチェルズのワールドで優勝したのは、ヨンナナ乗りには懐かしのトム・キングでした。2000年シドニー五輪の男子470金メダリストです。オーストラリアの英雄ジョン・バートランドの2連覇を阻止しての初優勝。速いヤツは何に乗ってもホント速いのね。

トム・キングがヨンナナに乗っていた頃いかに速かったか。強風のキールウィークでトムの1つ風上からスタートした轟選手の話です。スピードに不満そうなトムは、なんと走りながらスターンに行き、ブームエンドからセールをチェック。その間もスピードはほとんど変わらず、そこからチョコチョコッとバングやアウトホールをトリムしたらバビューンと加速して、一気に置いていかれたそうです。バビューンって。マリオカートじゃあるまいし。金メダル獲得後にサクッと引退して銀行勤めに戻ったと聞いていましたが、セーリングを続けていたんですね。

そしてやっぱりここにもいましたよ。どこにでも現われるヨットバカが。

風の神様

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今日はMach2の購入を検討中のお客さまと一緒に葉山新港へ。でも肝心の風がGuruの予報よりも弱く、海面は飛べるか飛べないかのヘロヘロブローしかありません。うーん、どうかなー・・・ま、とりあえず行ってみるか。

出てみるとちょうどフワッとブローが入って、うまい具合に飛べました。お客さまの目の前で何度かジャイブを決めて、着岸。出てたのはほんの15分くらい。そして風は落ち、もうそれから飛べる風は吹きませんでした。練習としては物足りませんが、晴れて受注となりましたので、本日の業務としては大成功でございます。風の神様ありがとう!

風の神様と言えばプーマ!艇団を離れて、1艇だけ沖縄本島の北を回るギャンブルをしましたが、どうやら大当たりしたみたいですね。先頭集団がカームに捕まってる遥か北をリーチングでかっとび、一気にトップに立ちそうな勢いです。長距離レースはこれがあるから楽しい!

さぁオークランドへ向けて各チームはこれからどこで南下を始めるのか。赤道無風帯を最短で横切ったチームがレグを制するでしょう。プーマがギャンブルを当てたことで、各チームのナビゲーターは新たなチャンスを必死に探しているはずです。ますます目が離せませんね。

Gottifredi Maffioli

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僕は自他共に認めるロープマニアです。学生時代からロープにこだわりが強くて、クラブのフネでも自分でじゃんじゃん気に入ったロープに換えていくタイプでした。470で海外を転戦するようになったら、世界には自分の知らない素晴らしいロープがあることを知り、さらに深みにハマっていきました。

だって考えてみてください。ディンギーに乗っている時、手に握っているのはティラーとかスピンポールを除いて、ほとんどロープのはずです。ヨットに乗るということ即ち、ロープを握ることともいえます。メインシート、ジブシート、スピンシート、バング、カニンガム、ツイーカー、アジャスター等、それぞれのロープには求められる特性が違い、最適なロープも違います。

究極のジブシートや究極のスピンシート、究極のアジャスターなどを求めて世界中のロープを試しました。ニュージーランドのドナジーや、アメリカのサムソン、ドイツのリロス、オーストリアのロブラインなどなど。どれも国内で売ってるロープより断然良かった。良かったんだけど、究極ではなかった。

そして僕の究極のロープ探しは、マフィオリという終着駅に辿り着きました。ゴッティフレディ・マフィオリは、アメリカスカップやボルボオーシャンレースなど、究極のヨットレースの世界で圧倒的なシェアを誇る、まさに究極のロープメーカーです。オラクル対アリンギの対決が盛り上がった時も、ロープはマフィオリ対マフィオリでした。

僕はあの前回のACが開かれる1週間前に、イタリア・ノヴァーラにあるマフィオリの工場ですごいモノを見たんです。それはACに向けて出荷前の、ジェネカーのラフコードです。40メートルはあろうかという、直径15ミリくらいの真っ黒いチューブに包まれたロープ。その端を持って、戯れにクルッと180度回したら、なんと40メートル先で反対端が同時にクルッ。うそ!?マジで?何度試しても、両端がまったく同時に動くんです。これがロープマニアにはたまらない!

AC45でもジブやジェネカーをファーラーで巻き取る映像がよく流れますが、直接巻いてるのは下のドラムだけなんだから、上はついて回ってるだけなんですよね。だからラフコードが伸びちゃったらファーラーを巻いてもピークが全然巻けないことになっちゃう。タックとピークを同時に回そうと思ったら、ラフコードは絶対に伸びちゃダメなんです。そして40メートルも50メートルもあるラフコードでそれを実現できるのは世界でマフィオリだけなのです。

そんな世界最強のロープメーカー、マフィオリのラインナップは、ロープのコア、外皮、打ち方、サイズ、色など含めると数千通りにのぼります。弊社はその中で価格と性能のバランスが最適なタイプを選び抜いてストックしています。例えば470のジブシートにはOlympic75の6mm。アビーム470チームやSPN、関東自動車などのジブシートは全艇このOlympic75です。なぜか。

  1. 伸びない – DSK75ダイニーマのコア
  2. 摩擦に強い – HTポリエステルという熱処理された外皮
  3. つぶれない – プライが詰まっていて、ロードがかかってもちゃんと断面が丸い
  4. 最適な重量としなやかさでコントロールしやすい

ジブシートって最も伸びちゃいけないロープなんです。なぜならカムから手元の距離が最も長いから。470でトラピーズに出た手元から、風下のカムまでは2メートル以上あるので、パフでカムを切ろうと思っても、ロープが伸びるとカムに力が伝わらずにうまく切れません。1センチ引けば1センチ動く、切りたければすぐ切れる。当たり前のことがとても大事なのです。また、スナイプではウィスカー張ったリーチングでジブを安定させられるかで差が出ます。

摩擦の強さも重要です。いまどきのロープのコアは、ディンギーの負荷で破断することはまずありません。ロープがダメになるのはほとんどの場合、外皮がカムやラチェットで擦り切れるパターンです。摩擦に強くするには外皮を厚くするのが一番確実ですが、そうするとその分コアが細くなり伸びてしまいます。逆に伸びないようにコアを太くし過ぎると外皮が薄くなり、摩擦ですぐに擦り切れてしまいます。このさじ加減がロープメーカーの腕の見せ所であり、マフィオリのロープはまさに絶妙のバランスなのです。

また、断面がちゃんと丸いというのも非常に重要です。ロードがかかった時に四角や楕円に潰れるロープはクリートが外しにくく、捩れてキンクしやすいという問題があります。マフィオリのロープが最も優れているのは、この断面形状の安定性。ロープの断面が丸いなんて当たり前のようですが、実は探してもなかなかないんです。

アビーム470チームによれば、それまでのジブシートは通常2週間、ひどいときは3日で交換しなければならなかったところ、Olympic75の6mmは3ヶ月以上使えるそうです。ラジアルの選考をトップ通過した土居愛実選手のメインシートは同じOlympic75の7mm。また5月のワールドで国枠を目指す49erの牧野/高橋組もマフィオリの愛好者です。

あー、いい加減長くなってきたからここらで止めますね。ロープのこと書き出したらキリが無い。興味のある人はぜひご来店ください。今日もいくつか新しく入荷しましたが、中にはDSK90 Race DYCO 8mmという、キールボート向け最強のハリヤードロープがあります。もちろんスプライスしての納品も可能です。

いいロープは、やっぱりいいんです。全然違う。ぜひ多くの人にこの違いを体感してもらいたい。ロープに関する相談やご質問はお電話でもメールでも、いつでもお問い合わせ下さい。

悲しいかな日本のメディアではほとんど報道されませんが、ボルボオーシャンレースの艇団は現在、日本の領海を走っています。4日前に中国の海南島・三亜をスタートし、すぐに台湾の南端をかすめて、現在は沖縄本島の200マイルくらい南をオークランドに向けて東進しています。

日本の領海を走っているのに、日本に寄港せず、日本人も参加していないなんて、寂しい話ですね。92-93年の大会では小松一憲、原健、松永香の3名がクルーとして乗り込み、あまつさえ小松さんの乗ったヤマハ号はクラス優勝したというのに。あれからもう20年も経つんですね。

その間にW60クラスは巨大なカンディングキールを備えたVOLVO-70クラスへと進化し、デイランで時に600マイルを超えるハイスピードレースが繰り広げられるようになりました。何千マイルも走って、差が数分なんていうから凄まじい。たった180マイルのパールレースですら何時間も差が開くのに!

っていうか、もしVOLVO-70クラスがパールレースに参戦したら、正午にスタートして、日が暮れる頃にはフィニッシュしちゃうんですね。(こちとら2晩も寝てるというのに・・・)サンデーレースだ。ハハハ、やっぱすげーや。一度見てみたいなー。

VOR第4レグは、箱根駅伝の復路みたいな時間差スタートをしたらしく、最初からけっこうな差がついてました。インポートレースでカームに捕まって最下位スタートとなったプーマは、大逆転を狙ってるのか、1艇だけとんでもないコースを選んでいます。沖縄本島の北を回る気なのか?沖縄東海レースと間違ってないかい?とてもオークランドを目指してるとは思えないんだけど、今後どう巻き返すのか要注目ですね。

10年以上も前の映像ですが、2001年に撮った我々のマークラウンディング練習です。ジブもメインもクロスカットですね。懐かしい。

この頃まで僕は前向きタックをしていました。映像を見て分かるように、反対タックのハンドルを持っていません。カムを切った手でそのままリングをつかみ、フックしてからトラピーズに出ています。ハンドルを持って出てからフックするよりも、フルトラピーズになるまでの時間が短くて済みます。慣れてくると、ハンドルを持ってフックするのに比べ、体力的にもラクチンです。

コツはリングをフックにかけたらそのまま手を上にスライドし、アジャスターを横に引っ張りながら出て行くこと。そうすることでリングがフックから外れるのを防ぐことができます。

トラピーズタックを突き詰めて考えれば考えるほど、実は前向きよりも後ろ向きタックの方が利点が多いのです。前向きタックの方が優れているのは、この「いきなりフルトラの術」以外にありません。だからこそ前向きタックをしているクルーは必ず身につけるべきなんです。

この「いきなりフルトラの術」は、タックだけでなくスタートでも非常に有効です。トラピーズ出て、フックして、アジャスター伸ばして、としてるクルーを一気に上突破しちゃえ!頑張って練習して下さい。

ちくのー

カテゴリー PRIVATE

やっつけたと安心していた風邪が、やっかいな病気を引き起こしてくれました。急性の副鼻腔炎。蓄膿です。つらい。あまりの辛さに24時間のうち20時間寝てました。うわーん。

Happy Birthday Rinko!

カテゴリー PRIVATE

今日2月21日は、長女凛子の7歳の誕生日。家族でささやかなお祝いをしました。

7年前の2月21日はとても寒い日でした。2月14日の出産予定日の1週前から、僕も一緒に里帰りし、いまかいまかとその時を待ちました。そして何事もなく予定日を過ぎ、そこからさらに1週間が過ぎ、緊張が緩んだ頃に突然その時がやってきたのです。21日の早朝、うっすらと霜のおりた路面を病院へ急ぎました。よくテレビドラマで病院の廊下のシーンがありますよね。旦那さんが行ったり来たりソワソワするやつ。ついに自分にもその日が来たぞとばかりに、ソワソワしまくりましたよ。

オンギャー

ブワーっと反射的に涙が出ました。恥ずかしいぐらい泣きました。小さな命が、未熟な自分たちを親として誕生したことの、例えようのない喜びと不安。絶対に何があっても守り抜くと心に誓ったあの日。あれからもう7年か。早いなぁ。凛子、産まれてきてくれてありがとう。

 

蛾の巣

カテゴリー BUSINESS

我が社の修理ヤードを我が物顔で占領していた僕のMach2。バラせば小さくなりますが、毎回組んでバラすのもいい加減イヤになってきたので、なんとか組んだまま格納するいい方法はないかと、熟慮に熟慮を重ね、ついに行動に移しました。

天井に吊るした場合、モスは意外と高さがあるので、ヘッドクリアランスが問題になります。また、照明を丸々1つ潰してしまうのも難点です。壁に張り付けも考えましたが、同様に高さがネックになり、デッドスペースをたくさん作ってしまいそうです。そこで、浅いVの字型のモスを最も効率的に格納するため、壁と天井のコーナーに斜めに張り付けることにしました。

我ながら完璧です。使うのはロープ1本。ひとりで簡単に張り付けられるし、ヘッドクリアランスもばっちり。照明も暗くなりません。これでいつでも思い立った時に、ムフフ・・・

スコーの逆襲

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ミニトランサットというレースをご存じですか?フランスからブラジルまで4,000マイル以上を走る、大西洋横断シングルハンドの冒険レースです。2年に1度開催されていて、冒険好きのフランスではスタートが生中継されるほど人気があります。

使われるフネはトランサット6.50というオープンクラス。全長6.5メートル、全幅3メートル、喫水2メートルなどの諸元を満たしていれば、モスのように自由に設計できます。弊社が今年から国内販売を開始するシースケープ18は、このトランサット6.50のデザインをベースに作られたフネです。全長の短さをカバーするバウスプリット、幅広のトランサムにツインラダーなど、シングルハンドでも荒海を速く安全に走れる工夫が随所に施されています。

直近では2011年の9月25日にフランス西岸のシャラント・マリティームから大会がスタートし、途中ポルトガル沖のマデイラ島でストップオーバーの後、10月30日にブラジルのバイーアに先頭艇がフィニッシュしました。マデイラ島からの第2レグを制し、大会総合でも優勝に輝いたのは、Teamwork Evolution号に乗るデーヴィッド・ライソン。そしてこのEvolution号はなんと、昔懐かしいスコーだったのです。

スコーってなに?という方もいらっしゃるでしょう。モスがまだ飛んでなかった時代。エイのように平べったいスコー船形と、鉛筆のように細長いスキフ船形のどっちが速いのか、長い長い戦いがありました。スキフはバランスが難しく、曲芸のようなテクニックが必要だったのに比べ、スコーは安定して乗りやすく、特にフリーが速いのが特徴でした。いや、だったそうです。どっちも乗ったことないから耳学問です。スコーは徐々にスキフに駆逐されていき、フォイラー全盛の時代になってからは、スコーはほぼ死滅していました。ノスタルジーを求める爺さんのものだったのです。

しかしそんなスコーがミニトランサットの優勝で再び脚光を浴びています。なにせこのスコー、メチャクチャ速かった。それまでのレグ最短記録を23分更新しただけでなく、2位を丸一日以上、120マイル以上の差をつけてフィニッシュしたのです。これは30年を超えるミニトランサットの歴史で、最もダントツだったそうです。

ライソンは優勝インタビューで、「フネが速すぎて、むしろスピードを抑えながら走った時もあった」と答えています。ブイ周りと違って、時として何日も同じタックを走るロングオフショアレースでは、スコーのフリーの速さがクローズのデメリットを上回ることもあると実証されたのです。えらいこっちゃ!いま世界中のヨットデザイナーが解析しまくって、このスコーのメリットがどこまで広がるのかを研究しているでしょう。

フリーばっかりのロングオフショア?どっかで聞いたことありませんか?そう、トランスパックです。ロサンゼルスからハワイまでの2,200マイルあまりを貿易風に乗ってかっ飛ぶトランスパックこそ、スコーにうってつけなんじゃないか?当然そう考える人が出てくるわけです。

すでにライケル/ピュー設計事務所が次回トランスパックに向けて90フィートマキシのスコーデザインを発表しました。Evolution号が備えていたローテーションバウスプリットも採用されています。楽しみですねー、90フィートのスコー。これも圧勝しちゃったら、一気にスコーが主流になるかも知れませんよ。

モスもフォイラーのスコーが出たら、まさに空飛ぶじゅうたんみたいでしょうね。Mach3はスコーか?

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