ロスコフ到着

カテゴリー SAILING

昨日の16時にロリアンを出航。目的地はフランス北西端をグルッと回った先にある小さな漁村、ロスコフです。

出航時から20ノットオーバーの南西が吹いていたので、ワンポンリーフ。そこから夜半には30ノットを越えてきてツーポン。ジブを巻いてステイスルに変更。大西洋沖からくる巨大な波と強烈な潮に木の葉のように揺られながら200マイル弱の航海でした。明朝9時に無事目的地ロスコフに到着。

たった一晩ですが、また多くのことを学べました。特に潮の速さは驚きです。ロスコフ辺りの干満差はなんと10m。潮流の速さも推して知るべしです。今回はちゃんと追い潮を狙って来たから良かったけど、ノルマンディーではそういう訳にいきません。

つまり潮流によって、僅かの差が一気に開いたり、逆に詰まったりするということ。風が弱い場合は岸に寄せてアンカリングすることも充分あり得ます。風の読みだけでなく潮の読みが勝敗を分ける、戦略的なヨットレース。想像しただけで頭がパンクしそう!

あらためてセーリングの面白さと奥深さを、29年目にして再認識しています。新しいことを学ぶって、ホントいいですね。こんなチャンスを与えてくれた北田さんと、チーム貴帆のみなさんには感謝の一言です。ありがとうございます!

IMOCA 60

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たった数日留守にしただけなのに、ロリアンの桟橋には2艇のIMOCA60が増えていました。

左はヴァンデグローブで優勝したバンクポピュレールVIII、いまは新しくビューローヴァレー。そして右の元エドモンド・ロスチャイルドはモナコのチームマリッツィアにオーナーが変わりました。

あっという間にオーナーが変わり、スポンサーロゴも変わって次のサイクルが始まるんですね。次のヴァンデまで4年あるのに、売る方も買う方もアグレッシブだなと感心します。

ミニやフィガロ、クラス40の中にあって、IMOCA60の存在感は異様です。やはりフネから突き出たデッキスプレッダーとフォイルが強烈で、周りを威嚇するオーラが半端ありません。

ファーラーで巻いたジブにソックスをかぶせるにも、グラインダーで2人がかりで回してるのには驚きました。こんな巨大なフネを海上で、一人で意のままに動かせるって、とんでもない特殊能力ですよ。生で見るとあらためてソロオーシャンセーラーに感服せざるを得ません。

ちょうどそろそろ日本では白石さんのスピリットオブユーコーが各地を回るそうですが、その迫力のサイズと、これを一人で動かして世界を回る人たちがいるという刺激を子供たちに感じてもらいたいですね。やはり生で見ないと伝わらない感動ってありますから。

これを見た後にクラス40を見ると小さいなと感じます。ま、ほんの一瞬ですけどねw 僕にはまだまだ40でも大き過ぎて四苦八苦しています。まだ5回くらいしか乗ってないし当たり前なんだけど!

お仕事再開

カテゴリー SAILING

再びフランスへ戻ってきました。肉体的には少しキツイけど、精神的にはとても充実しています。

今回の渡仏の目的はトレーニングの仕上げと貴帆の回航です。その2つを兼ねて早速明日から出発します。まずはフランス北西端をグルッと回ってロスコフまで。そこから僕はロリアンに戻り、WS主催のシーサバイバル講習を3日間受講します。(これを受講していないとノルマンディーチャネルレースに出場できません)

北田さんとジャンの2人にはその間も回航を進めてもらい、講習が終わる土曜の夜に合流して、ノルマンディーのスタート地点、カーンに到着する予定です。まずはロスコフまでの第1レグ。いい風が吹きそうです!

未来の星

カテゴリー BUSINESS

香川県坂出市で開かれていた、カヌースプリントの海外派遣選手選考会で、弊社がサポートを始めたばかりの松代龍治選手が優勝しました。

羽根田選手がリオで銅メダルを獲得し、注目を集めたカヌースプリント競技。高校一年生の松代君は、未来を嘱望される有望なスター候補生です。アヴレアトップにミューノハイブリッドパンツがお気に入りだとのこと。世界の舞台でもその名を轟かせてほしいと思います。

カヌーやSUPでもザイクユーザーが確実に増えていて嬉しい限りです。セーリング同様にパドルスポーツでもナンバーワンブランドを目指しますよ!

爆弾投下

カテゴリー PRIVATE

末っ子の晴人が卒園。そんな大事な日に、当の本人は朝からお腹がゆるく、微熱ぎみでした。ひょっとしてと思ったら・・・式が終わると同時に気分が悪いと言い出し、最後は園庭に派手にゲロ爆弾投下!嘔吐下痢症に耐えて、よく頑張ったね。えらいぞハルちゃん。

将来の夢は「お笑い芸人」だそうです。その夢が叶った時には、このゲロ爆弾のエピソードが役に立つんじゃないかなw

これで僕ら両親も長かった保育園生活から卒業することになります。嫁さんが本当によく頑張ってくれました。ありがとう。

ただいま!

カテゴリー PRIVATE

やっぱり家族は一緒が一番。子供たちの笑顔を見れば疲れも吹っ飛びます。ただいま!

第1クール終了

カテゴリー SAILING

帰国の朝ですが、電車が発つまでの時間を使ってナビゲーションソフトのレクチャーを受けました。既にノルマンディーチャネルレースのコースがインプットしてあります。スタートから順を追って説明してくれるジャン。なになに、去年は60ノット吹いた?ここの海峡は潮流が9ノットだ?話を聞いてるだけで眩暈がしてきました。うーん、最初からハードルが高過ぎたのではあるまいか・・・

しかも驚いたのが、5月14日のレーススタートまで、レースヴィレッジでは一切セーリングができないらしい。マジかよ。1週間も何するの?パーティー?インタビュー?そんなことより練習させてくれよ〜。

というわけで、残された練習の日数はごく僅か。いったん帰国し、来週月曜日にまたロリアンに戻ってきます。

今日は北田さんが所用で不在のため、ジャンと2人でバウワークを中心におさらい。ダウンウインドセールだけでもコードゼロ、A2、ミディアム、A5と4枚もあって、それぞれホイストの仕方も微妙に違うので頭がこんがらがります。こんなこと真夜中に30ノットの中でやんのかよ・・・

ところでここロリアンは、フランス軍の潜水艦工場があったので、戦時中ドイツ軍から激しい爆撃にあったそうです。心なしか街並みに風情がないのは、徹底的に破壊されて作り直した新しい街だからだとか。

さしたる名所もないロリアンが施策としてセーリングシティーを目指したのが約10年前。それがうまくハマり、いまやこの街の一大産業となっています。造船所、セールメーカー、リギンメーカー、計器や通信機器、各種のメーカーやショップが軒を連ね、マリーナには巨大なシェッドが聳えています。その中にはヴァンデグローブを終えたばかりのバンクポピュレールや、単独無寄港世界一周の最短記録を更新した100フィートトリマランのソデボなどが整備の真っ最中。

桟橋にはIMOCA60やクラス40、フィガロ、ミニ6.5などが所狭しと並んでいます。なかには先日女性クルーの参加を発表したばかりのボルボ65、東風も係留してあるし、かつて紹介した、スコータイプのミニ6.5を中古で手に入れて改造し、フルフォイリングで世界を驚かせたSEAirもここにある。なんだ、僕がいつもネットで追いかけてる情報の発信地はほとんどここじゃないかと。そのくらいこの田舎町はヨットとセーラーで溢れ返っています。これまで世界中のセーリングタウンを訪れましたが、規模の大きさではここがナンバーワンかも知れません。

マリーナにはフェンスもなければ駐車場もタダ。誰でも簡単に入ってこれちゃうんですよね。日本ではとても考えられない。うーん、葉山も日本のセーリングタウンとしてこういう発展の可能性はないものだろうか。もちろん規模は100分の1でも構いません。人口たった3万人の葉山だけど、ヨット業者の数は日本でも隋一のはず。オリンピックを契機にもっとセーリングを身近に感じられる町になったらいいな。山梨町長、一度ロリアンに視察に来ませんか?

はじめの一歩

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天気予報が急変したので、2オーバーナイトの予定を1ナイトに短縮したプランをジャンが作ってくれました。それでも300マイルと僕にとっては未経験の長さです。

20日の午後2時に出航。20ノットオーバーの強風の中、2ポイントリーフにステイスルを揚げ、ブレスト沖のウェイポイントを目指しました。見事に真上りです。

天気は悪い、気温も低い、波は悪い、こんなコンディションだとクラス40はスピードも上り角度も悪い。まさに拷問のようなファーストレグ。でも全然苦じゃないんだなこれが。

巨大なセールが生み出すパワーを、これまた巨大なバラストキールとウォーターバラストで推進力に変え、波を切り裂きながら進んでいく貴帆。人間一人の力ではどうにもならない自然の力を、物理法則でうまくコントロールして自分のものにする感覚は、ディンギーとはまた異なるものです。

そして夜。視覚に頼りがちな日中よりも五感が研ぎ澄まされ、波の音ひとつも昼間より大きく響きます。見上げれば雲は流れ、月もなく満点の星空。あーもう悔しいほど美しい。

日本にいれば愛する家族と暖かい我が家で眠れるのに、何を好き好んでこんなフランスの片田舎でオッサン2人が波をかぶっているのか。なかなか理解してもらえないかも知れません。僕にとっては無上の贅沢なんだけどw

結局午後6時にロリアンに戻るまで、28時間ほぼ休みなしでセーリングしてしまいました。後半はもうほとんどソロで北田さんを退屈させてしまったかも。楽しくて興奮してるんだからしょーがない。休みたくないし眠りたくないんです。

時間の都合でショートカットして220マイルほどしか走りませんでしたが、それでも僕にとっては最長航海でした。まだまだ元気だし、まだまだ走りたい。そのうちどこかで嫌になるときが来るのかな。うーん・・・いまのところその兆候は見当たらないですね。すっげー面白いぞ、クラス40。

Sailing is healing

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ドゴール空港まで12時間のフライト。そこから1時間半かけてモンパルナスの駅に移動し、2時間半カフェで時間をつぶして、TGVに揺られること4時間。ようやくロリアンに到着しました。パリから先が遠い・・・

一夜明け、北田さんとコーチのジャンと合流して、さっそく練習開始です。4ヶ月前に2日間乗っただけのクラス40。まずはリハビリとしてタックジャイブのマニューバを中心にメニューをこなします。

一つ一つのセールが大きいので、何をするにも時間がかかるし疲れます。ひとつ手順を間違うだけでさらに時間と労力を費やすことに・・・安全で確実な手順を覚えていかなければいけません。更に大きなIMOCA 60を一人で操っているヴァンデグローブのセーラーたちがいかに超人かを思い知らされますね。

それにしても楽しい。幸せ。こんな大きなフネを自分の意のままに動かすのは、得も言われぬ快感です。750リッターのウォーターバラストのおかげで、20ノット近い風でもフルメインで走れちゃう。いや〜快適快適。

今年に入ってセーリングしたのはシースケープ24の進水で2回だけ。こんなにヨット乗らなかったこと初めてかも知れません。半ば強制的にこうして日本を離れてセーリングに没頭できるというのは、いまの僕にとって最高の「癒し」です。ホント気持ちいい。

明日からは北田さんと2人で、2オーバーナイトの練習航海に出ます。電波が入らないので帰るまで更新はできないかも。とにかく安全第一で、思う存分潮風に吹かれて来ようと思います。

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