いよいよリオ五輪が目前に迫ってきました。報道では相変わらず水質汚染やジカ熱、盗難などネガティブな情報ばかりが流れてきます。昨日はようやく完成したオリンピック用のスロープが、僅か1日で崩壊してしまったというニュースが入りました。ひどい話です。

でもそんな中でも選手たちは、それぞれの目標に向けて最後の調整をしています。彼らには何の罪もありません。ロシアのセーラーも参加できるようになって安心しました。ネガティブなニュースはもう懲り懲りです。

49erのオーストラリア代表、ネイサン・アウタリッジ/イアン・ジェンセンを応援する地元の仲間たち。とても感動的で何度も見返してしまいました。

一人一人の選手たちの背後には、多くの仲間や家族のサポートがあります。日本人が何個メダルを獲ったかばかりでなく、世界のトップアスリートたちの究極のパフォーマンス、その背後にあるストーリーをもっと見たいと願うのは僕だけでしょうか?

もちろん、その中でも日の丸セーラーたちにはベストを尽くして欲しい。若手もベテランも悔いのない走りをして、一つでも上の順位を取って欲しいと願っています。頑張れニッポン!

敗者の務め

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疲れ果てたカラダに鞭を打って、表彰式会場の江の島へ。勝者を讃えるのは敗者の大事な務めです。

会場で放映されていたレースの航跡から、新島と大島の外を回ったのは実は間違いではなかったと証明されました。特に大島は大正解。それよりも問題は夜の間のコース取りだったようです。

昼の間、利島に向かってスターボ一本だったのが夜の間にポート一本に変わったんだから、左に我慢して伸ばすのが正解でした。でもまぁそれも結果が分かってから言うのは簡単だけど、あれだけのヘッダーなら返したくもなるさ。

難しいなぁ・・・いつになったら勝てるんだろう。ロングレースってホントに奥が深いですね。クラス優勝されたホライズンのみなさん、総合優勝されたのふーぞのみなさん、おめでとうございます!

星のキレイな夜でした。風はそれほど落ちることなく6-10ノットの間を保ち、我々はラムラインを挟みながらの振れタックをしながら御前崎沖を通過します。

夜中の2時頃でしょうか。東の海面はるか前方に突如オレンジに光るジェネカーが現われました。ん?誰だ?なんでこんなところでジェネカー揚げるんだろう。しかもライトで照らしてるし。ん?なんだ?どんどん大きくなってきたぞ。

ワッチの4人で暫く正体が分からず、ようやく稲葉兄が叫びました。「月だ!」なんと細い細い三日月のテッペンが海面から出てきた、その先端がジェネカーに見えたのでした。信じられないほどキレイな月の出だったなぁ。他のレース艇もきっと見てたんじゃないかな。

そんな驚きもありながら徐々に東の空にかぎろひが立ち、周りの艇団に対しての自分たちの位置が再びハッキリしてきます。う〜ん、思ったほど良くないぞ・・・

夜の間に北東に回ったその艇団の中で南に位置していた我々は、集団の一番下でリフトを食らい、タックしたくても出来ない苦しい位置になってしまいました。回航するべき利島の前に、眼前に新島が迫ってきます。

「ギリギリまで新島に寄せれば島からの吹き下ろしが来たりしないかな」そんな甘い願望を持って新島に寄せると、逆に島を廻る潮の流れに吸い寄せられ、いよいよ利島に向けることすら困難なゾーンに入っちゃったみたい。やばいぞこれ、どうしよう?

「もう、新島回っちゃおうぜ」

誰が言い出したか、こんな逆張りの大博打。でもメンバー8人、誰もそのアイディアに水を差しません。だってその方が楽しそうなんだもんw

急遽バウ先を新島の南端に向けてベア。10マイルほど遠回りをしてでも新島を回って右に出す作戦に出たのでした。3時間ほどかけてようやく新島の向こうから利島が見えた時には、どんなに目を凝らしても、どこにもヨットが見えなくなりました。うわ〜やらかした。これはきっとやらかしたぞと。

そこからはもう気分はクルージングです。まぁどうせ負けるなら派手に負けた方がいいじゃん。新島の絶壁はキレイだったし、いい風吹いて楽しくセーリングして、何が不満なんだよ。右を回って負けたなら悔いはないさ。どうせなら大島も右をまわってやるぜ!

ホントに誰も見えなくなったので、きっとほとんどの艇団に置いていかれたんだろうと思ってました。実は利島の潮にやられて多くの艇団がのたうち回っていたとは知らずに。

利島だけでなく新島も大島も回航した僕らはだいぶ長い距離を走ったはずですが、カームや潮につかまる時間がなかったので、実はいい位置につけていました。そのことをようやく知ったのは、携帯の電波が入る相模湾に入った頃です。

「あれ?まだ5艇しかフィニッシュしてない、ひょっとして悪くないんじゃない?」

急にまた盛り上がった我が軍。10ノットの北東風を受けてコードゼロで驀進。スタートから38時間を経過した午前1時21分、参加51艇中の15位で江の島へフィニッシュしました。長かった〜〜〜〜

きっと成績はそんなに良くないけど、やっぱりこのチームは最高です。あそこで新島を回ろうって言って誰も拒否しないなんて。バカだなぁw だからラッキーレディーが好きなんだな。

地獄と天国を味わった今回のパールレース。つらくて苦しくて、最高に楽しい38時間でした。チームのみんなありがとう。また来年!

男の花道

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さぁやってまいりました。夏の風物詩、伝統の第57回パールレースでございます。3年ぶりに乗せてもらうのはもちろんラッキーレディーVIII!

バウはキウチさん、ピットにヒネさん、ムラさん、トリマーに稲葉ケンタ、斎藤イッポン、ドライバーは稲葉タカヒロと僕、そしてタクティシャンに紅一点のタマちゃんと必勝体制で臨みます。

コンディションは南東の軽風。残念ながらフィニッシュまでずっとアップウインドの予報です。軽量小型艇の我々には不利な戦いですが、そんなことは始めから知れたこと。やってみなきゃ分かるめぇ。

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スタートラインは若干下有利か。いやしゃらくせえ。男なら上一即タック!決まったぜ!

スタート前に全員で熱唱した君が代の余韻か、右に右に伸ばしていく我が軍。しかし無情にも風は左に振れていき、早くも背後には絶望的な戦況が見て取れました。まずい。でもいまは返せない。このまま右に伸ばすしかない・・・

スタートから2時間ほど辛抱して右へ展開し、ついにタック。そしてここから逆襲が始まるのです。風は沖の方が強く、少しずつ少しずつリフトし、艇団に対してぐんぐんとバウが出て行きました。恐らくこのままスターボを10時間ほど走ったはず。フリートの一番右で大きく順位を挽回しながら、初日の夜を迎えました。そしてこれはまだドラマのほんの序章に過ぎなかったのです。2日目に続く。

練習会終了

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imageマルチハル練習会最終日。締めくくりにトーナメント方式のマッチレース練習をし、大いに盛り上がりました。やっぱり勝敗がつくと熱くなります。

結果、東京に向けてナクラの練習を積んでいるSPNの飯束とFXガールの板倉組が優勝。僕と高校生の須賀内くんが2位。そしてファントムでも活躍した深沢/藤木組が3位。新旧入り混じった楽しい4日間でした。

マルチハルやフォイラーの経験は、他のどんなヨットにも活かせるはず。なぜなら速いので、すべての変化が一瞬で起こるからです。その変化に対応するトレーニングを積めば、他のヨットに乗った時に余裕が生まれます。

今回のメンバーのうち大半は、ナクラで東京を目指す選手たちではありません。まだ確定したペアは1組もいない状況です。だからといって、何もしないでいては時間ばかりが過ぎてしまいます。

今回のメンバーから、ナクラにチャレンジしてみようという若手が出てくる事を望んでいます。それも複数チーム。有望なパートナーがいれば、オジサンだってまたチャレンジしたいぞw

遅まきながら訪れた日本マルチハルの夜明けに乾杯。この火を絶やさないように頑張っていきましょう。僕も和歌子も協力は惜しみませんよ。

さて、ヨット馬鹿は夕方の電車に飛び乗って南伊勢へ。久しぶりのパールレースです!

IMG_7135マルチハル練習会3日目。昼食の時間も惜しいので、今日は朝から夕方までぶっ続けで走り回りました。

若さって素晴らしい。どんどん吸収して、昨日できなかったこともできるようになるもんなぁ。風が予報ほど上がらなかったこともあって、最後まで笑顔で楽しむことが出来ました。やっぱりマルチハルは楽しい!

明日は最終日。走らせるだけでなく、もう少し深いところまでマルチハルの魅力に気づいてもらえたらいいな。最後までいい風が吹きますように。

FXガールズ

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マルチハル合宿2日目。南の風12ノットの絶好のコンディションで、時間を忘れてたっぷり練習しました。

さすがにマルチハル練習会に集まってくるメンバーは、これくらいの風域でも問題なく乗りこなします。特に普段FXに乗ってるメンバーのパフォーマンスの高さには驚かされました。順応も早いし、なにより体力がある。いやースカウトしたいくらいだわ。

明日は更に風域が上がって20ノットに届くかという予報です。明日も笑顔で乗り切れたなら本物だよ。みんな頑張れ〜

IMG_7128本日より28日まで4日間、JSAF主催のマルチハル練習会が葉山港で開催されます。オリンピック強化委員会がマルチハル専門の練習会を開催するのは、おそらくこれが初めてです。その栄えある初回の講師を仰せつかりました。対象は普段420に乗る高校生から49erに乗る社会人まで。ナクラ2艇とファントム1艇を使って、乗り回しで練習します。

これぞ僕のやりたかったこと。若い子たちに伝えないと、せっかく1年半もナクラに全力投球した意義が薄れてしまいます。既に1年近くナクラに乗ってないので、早く伝えないとホントに忘れちゃいかねません。だからもう、なんだか僕の方が前のめりでちょっと恥ずかしい初日でしたw

まずはマルチハルがいかに難しく、かつ楽しいかを体験してもらう。全てはそこからです。あと3日、徐々に風が上がってくる予報なので、最後みんながどんな表情になってるかが楽しみですね。「もうやだ」ってなってるかも知れないけど。

三崎めぐり

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済んだ青空にオフショアブリーズ。こんな日はモスと言いたいところですが、今日は久しぶりにシースケープクルーズと洒落込みましょう。今日の日のためにわざわざ宮崎から神村オーナーも飛んできて下さいました。富松オーナーのTommy IIと我が家のサニーキッズ2艇でクルージング!目指すは三崎の美味しいマグロ!

午前10時に出稿して、三崎到着が12時半。ゆっくりお昼を食べて、午後2時から午後4時過ぎの着艇まで、子供たちも大人たちも心ゆくまで楽しみました。まさにオーシャンピクニック。日常のストレスが洗い流されていくのが分かります。(たいして流すほど貯まってませんが・・・)

今回は2艇だけでしたが、今年こそ3-4艇でもう少し遠出したいですね。保田もいいし、初島や熱海もいいでしょう。オーナー同士の横のつながりも増やしていきたいと考えています。この小さなフネが持ってるポテンシャルはホント大きい!それを証明するためにも率先して遊びますよ。あー忙しい。

今朝からパールレースに向けて回航出発の予定だったのですが、亀井オーナーがファントムに乗りたいとのご意向で、涙をのんで回航組を見送りました。達者でな〜

というわけで、なんだかんだと理由をつけてのファントムです。最近全然モスに乗ってないなw まったく面白くて困る。

DSC00079オーナーと僕が見事に3枚張りで飛んでる写真、のはずが全然飛んでないじゃないか。なにをやってるんだユース組の連中は、まったく。飛んでる写真をちゃんと撮らんかい!

個人的にはようやくジェネカー張った時のフォイルのレーキが掴めて、安定して飛べるようになりました。まったく逆の考え方をしてたようです。レーキをできるだけ少なく飛ばさないと、飛んだあとのリフトが強過ぎてアンコントロールになってしまいます。かといってリフトを減らすと今度は飛ばない。でももっと思い切ってリフトを減らすと、スピードがグッと増して、その結果また飛ぶリフトを得られる。中途半端が一番ダメだということです。

面白いなぁ。新しいことを学んでいけるって、つくづく面白い。明後日からJSAF主催のマルチハル練習会なので、またファントムに乗れるのが楽しみで仕方ありません。あ、いや、ちゃんとナクラにも乗りますよ。分かってますって。

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