確かな収穫

カテゴリー SAILING

モスワールド2017最終日。いつものように正午過ぎから入った南の風「オラ」が12-15ノットまで上がり、シルバーフリートは2レースを行いました。

昨日掴んだスピードの手応えは確かでした。奮起させてくれた和歌子に感謝しないといけませんw 先頭集団ともアップウインドで互角以上に戦い、ダウンウインドは明らかに速い。今日の2レースを1-5でシルバーフリートの5位に上がって大会を終えることができました。

初めてモスワールドでシルバー落ちし、失意のどん底に沈みましたが、最後まで諦めずにできることをやり尽くしたおかげで、大きな大きな宝物を見つけた気がしています。痛みをおして戦い続けた甲斐がありました。少なくともガルダに来る前より、格段に速くなったことだけは確かです。やるべきこともハッキリ見えました。

ゴールドフリートではアルテミスレーシング所属のポール・グティソンが、昨年の葉山ワールドに続いて優勝。フォイラーモスになってから初めての連覇達成です。

2位には史上最年少でACを獲得したばかりのピーター・バーリング。3位はアルテミスでウイングトリマーを務めたイアン・ジェンセン。4位はオラクルのトム・スリングスビー。5位はソフトバンクチームジャパンのスコット・バベッジ。そして6位はアルテミスのネイサン・アウタリッジ。バミューダから飛んできたAC組が見事に上位を占めました。圧巻です。

やっぱり彼らは世界の本当のトップなんだと思い知らされました。しかもスコットを除く5人は金メダリスト。こんな豪華な連中と直接戦えるクラスは絶対にモスしかありません。

夜はトルボレの街に繰り出し、モス乗りでごった返す「ウインズバー」で、ピーターやネイサンと沢山話しができました。いや〜楽しかったな。

来年5月のバミューダワールドに向けて、本気でトップ10を目指そうと決心しました。この連中と本気の戦いができるようになりたい。なってみせる。やるぞ〜。まずは9月の全日本に向けて、フネが帰ってきたらすぐ練習再開だ!

僅かな光明

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ガルダワールド5日目。痛みはまだ残るけど、なんとかレースできています。昨日の徹底したボートワークのおかげでフネはとても乗りやすくなりました。

ただし全然ダメなのがコース取りです。相変わらずガルダの風にやられまくっています。スピードは悪くないので、上手くハマると前にいけるけど、ハマらなかった時の遅れ方が尋常でなく、とてもスピードだけでは取り返せません。

いま、これまでにないスピードと角度のエッジを引き出そうと必死に走らせています。もう少しでこの感覚が自分のものになる。なってしまえば、もっと周りや風を見ながらレースができるようになるでしょう。

今日の最終レースで、初めて和歌子に着順で負けるという屈辱を味わい、腹立たしさのあまりハーバーバックもガチガチの本気で走らせて帰りました。その時についに掴んだ気がしています。明日はその走りをすれば、もっと周りが見えていいレースができる気がする!

失ったものを嘆いても何も前に進みません。最終日、泥水の中から金塊を見つけて帰りたいと思います。あばらの1本や2本、くれてやるわ!

Garda Magic!

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ガルダワールド4日目。シルバーフリートは北側のコースで立て続けに4レースを行いました。購入したP2ライフジャケットがぴったりフィットして、コルセットのような安心感があるのと、痛み止めの効果でそれほど支障なくレースに復帰できました。

やはりこのフリートだとスピードの面ではだいぶ楽になります。ただし今日は風にやられました。1レース目はスタートライン上の大きなエアポケットにハマって3分ほど飛べず、最後尾からのスタート。なんとか17位まで上げたのはまだ幸いでした。2レース目は絶好のスタートから右エンドのギリまで行ってタック。完璧にリードする位置でアプローチしてたのに、上ゲート近くのポケットで完全に失速。右から左から好き放題抜かれて、もう何がなんだか。

ようやく3レース目と4レース目は少し適応して5-7が取れましたが、4レースを終えて現在シルバーフリートの11位です。今日はまさにガルダマジックなレースでした。悔しいけど、シルバーでもこの程度という現実を受け入れなくてはなりません。

着岸後に3時間ほどかけてボートワークをしました。明日は絶対にもっといいレースをしたい。そのために、いまできることを全部やらないと気が済みません。シルバーとはいえ、フリートのレベルは全日本よりも高い。本気で挑んでこそ学ぶことも増えるというものです。良い感覚を掴みかけてるので、それを完全に自分のものにしてやろうと思っています。

夜はドイツのカルロに招かれて夕食会へ。するとそこは去年のモスワールド開催に対しての、僕への感謝の宴でした。葉山に来てくれたセーラーたちから、これまでで最高のワールドだった。ありがとう。またぜひ開催して欲しい。それも葉山がいい。何があっても必ずまた参加する。本当にたくさんの労いと感謝を伝えられて、涙腺が崩壊しそうでした。素晴らしい仲間たちに囲まれて、忘れ難い一夜を過ごすことができました。カルロありがとう。

泣いても笑ってもあと2日。何を得て帰れるかは自分次第です。

悪夢の3日目

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最高についてない一日でした。まず腹立つのが今日も早朝の先発組。7時半に出艇して、25-30ノットのドン吹きの中をレース海面に向かいます。でも波が悪過ぎて、全然辿り着きません。風上側のA海面はまだ時間通りにスタートできましたが、風下のB海面にはほとんど誰も到達できないんです。

ワンドを一番短くして、バンジーを思い切りきつくして、ハイトをめいっぱい上げて、気合いを入れてバウダウン!ずばばばばばば、うおーーーーージャイブ!ずばばばばばば、あ、ダメだ、グシャーーーーン!

人生で最も激しい沈でした。凄まじいスピードで海面に叩きつけられ、左の脇腹を強打。痛過ぎて呼吸も苦しい。これはやっちまったか?

しばしフネの上で休んで確かめてみましたが、とてもこの風でレースができる状態じゃありません。なんとか飛ばさずにゆっくり走って着岸し、着替えて病院へ行きました。レースは僕が着岸したあと、風が落ちるのを待って行われたそうです。そりゃそうだろ。あれは無理だわ・・・(ちなみに僕が病院にいる間に3人肋骨を痛めたモス乗りが来ました)

レントゲンを撮り、とりあえず折れてないことは分かったので、痛み止めをもらって帰ってきました。そしたらほど良い風に落ちて後発組がレースやってます。まずいなぁ、この展開。

2レースを捨ててしまったので、午後の風でレースをやってくれないことには、シルバーに落ちてしまいます。なんとかレースに出られるように、フィジオにテーピングをしてもらい、痛み止めを2錠飲み、ザイクショップでP2ライフジャケットとコリジョンパッドを購入し、できる準備を整えましたが、午後の風が吹き上がらず、あえなく4レースで予選終了。8-11-DNS-DNSの108位でシルバーフリート確定してしまいました。

どうせ肋骨なんて治療できないんだから、痛み止めをすぐに飲んでレースに復帰するべきだったのかなとも思うけど、無理をしてもっと悪い状態になる可能性の方が高かったし、なによりあの風でもう一度出て行くのが怖かった。シーマンシップとしては正しい判断だったと思います。

しょうがないんだけど、でもホント悔しいです。明日からゴールドフリートで世界最高のセーラーたちと一緒に走れないことが残念でなりません。こんなに仕事休ませてもらって、たくさんお金も使って、家族に寂しい思いもさせて、情けなくて情けなくて・・・

せめてシルバーできっちり前を走って、いま持ってる全力を出して、来年以降に繋げます。できることは全部やって、笑顔で終えられるように。

早朝7時半に出艇してレース海面へ。風速は20ノット程度か。この風域になると角度が取れずに苦しくなります。それでもダウンウインドが速いのと、タックジャイブが調子いいので、中盤からは抜け出せました。

2レースを終えて、フネの横でテイクアウトのピザを食べてたら、マストスタンプが折れかかってるじゃん!あぶね〜・・・交換して事無きを得ました。

というわけで8-11の総合31位スタートです。

ノーレース

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大会初日。気合いを入れて一番出艇し、誰よりも早く海面へ。うーん。どうやら速い。かなり速いぞ。誰と走り合わせても全然走り負けません。ここに来て絶好調か?

ところが北から怪しい雲がどんどん広がってきて、稲妻が光り出しました。本部船の判断よりも早くハーバーに向かい、誰よりも早く帰着。このまま本日はノーレースです。明日は早朝からレースして予選を消化するそうです。

MW2017開幕

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BTCカップは悪天候のため、26日のレース後に延期されました。残念。でもおかげで今日は少しゆっくりとできて、いいリフレッシュになりました。

夕方には風光明媚なマルチェーシネ城で開会式が行われ、いよいよ史上最大のモスワールドの幕開けです。まずは予選2日間をきっちり戦って、気持ちよく決勝に進めるように頑張ります。日本の4名が全員ゴールドフリートに残りますように!

10ノット程度で出艇してから徐々に風が上がり、3レース目には20ノットオーバーになりました。湖とはいえ、これくらい風が上がると波も立って、かなりエキサイティングになります。

今日はフォイルをスモールに変えて、迎角をこれまでで最も減らしてみたところ、とてもいいフィーリングを得られました。少なくともこれまでの僕のキャリアの中では一番速い状態なはず。順位も初日よりは良くなりました。

それでもここはガルダなので、伸びるサイドは決まっています。スタート後、岸に向かって2分ほどのスターボを生き残らないとトップ10は取れません。そしてその走りができる連中は、例外なくエクソセットもしくはMach2に、サードパーティー製のハイアスペクトフォイルを付けています。それを持ってない僕は今回はこの程度が精一杯。結局総合35位でイタリアナショナルを終えました。

成績とは相反して、気持ちはとてもポジティブです。ここに来てセールを変え、マストとのマッチングもいいし、中盤以上では充分に戦えるスピードになりました。タックジャイブもかなり高い成功率です。筋肉痛も無くなったし、本番に向けての準備にはベストを尽くしたと胸を張れます。

今回の目標はトップ10ではなく、トップ10%かな。25番以内に入れれば満足です。

明日は恒例のスラロームレース、Bangin’ the corner cupが開催されます。世界中から厳選された12名のエントリーに、今回も選ばれちゃいましたw 周りはメダリストやACセーラーばっかりですが、大和魂でガツンとぶつかってきますよ!お楽しみに。

ワールド前哨戦のイタリアナショナルが始まりました。約150艇のエントリーを半分に分けて、2グループで競います。初日は絶好の風で3レースが行われました。

昨日よりも少し強い風域でも、張り替えたセールは調子がいいです。フリートの中で10番台半ばを走れるスピードはあります。とりあえずそれにホッとしました。テルテールも綺麗に流れるし。やっぱ使い慣れたKAいいな。

ただしシングルが取れるスピードはありません。これはもうハッキリしてます。もはやMach2純正のフォイルではトップグループについていけません。ハイアスペクトのフォイルが必要です。これはバミューダでも分かってたこと。今回新しいフォイルが間に合わなかったから、厳しい戦いになるのは覚悟の上です。

1レース目のスタートの、まさにガンの3秒前に、目の前のフネのシュラウドが切れてリグが倒れました。あやうく突っ込んでしまうところをギリギリかわしたのが今日のハイライトかな。これだけたくさんモスが飛んでたら、もらい事故も少なくありません。安全第一で走らないと、まだ前哨戦ですからね。体調も良くなってきたし、徐々にスロットルを上げていきますよ。

Last minute decision

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ガルダ3日目。悶々と悩みました。そもそも周りが速くなったのか、自分が遅くなったのか。自分が遅くなったんだとしたら、何が原因なのか。周りのセーラーや梶本夫妻に相談したり、古谷さんに電話したりして、ようやく結論を出しました。恐らく問題はリグです。

KAセールからレノンセールに変えたときに、マストもKAからCSTに変えました。モス乗りじゃないと全然分からないと思いますが、新しいセールの方がラフカーブ主体でキャンバーがフラットなセールです。そしてマストは新しい方が断然固い。

ニューセールはリーチがストレートで、ツイストが少なく、ちょっとでもパフが入るとすぐオーバーパワーになります。ずっとそこに苦労してたのですが、世界の主流はノースかレノンなので、これを使いこなせないと戦えないんだと思ってました。でもそれには体重にあったマストが不可欠なんだと悟ったのです。

以前よりブームが引き込めないので、常に内側のテルテールを乱しながら走っていました。これでは角度が取れるはずないし、スピードもそれほど良くない。おそらくこのセールを使いこなすにはマストが体重に合ってないとダメなんでしょう。マストのサイドベンドでセールをツイストさせないと、パワーの逃がしどころがメインシートしか無くなるからです。

じゃあマストを戻す?それもいいけど、新しいセールに古いマストをセットするには、いろいろと細工が必要です。逆にこの固いマストなら、ツイストしやすいKAセールでも前より角度が取れるかも知れません。よし、セールをKAに戻そう。

最後の決め手にAmacと話し、ニューセールを1枚購入することにしました。新しいMSL17はKAの固いマストとフィットするそうなので、いまのマストのまま大丈夫なはず。

さっそく張って使ってみたら、何の違和感もなく気持ちよく走れました。軽風だったけど、ツイストの感じはレノンより使いやすそうです。練習レースでピーター・バーリングに競り勝てたから満足!これ以上、何を望めと言うんだw

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