スロベニアのセールメーカー、ワンセールが試作したソフトウイング。ハードウイング特有の「下ろせない」という欠点を見事に克服しています。リーフもできるそうですし、ジェネカーも張ってますね。

セールはよく飛行機の翼にたとえられます。効率良く揚力を生み出すには、薄いセールよりも、厚みのある翼断面の方が有利なのは間違いありません。オラクルの勝利でウイングセールの優秀さが再認識され、モスでも2010年末にハードウイングが出てきました。ベルモントのワールドでアメリカのチャーリー・マッキーが使ったのですが、なにせよく壊れる。毎日壊れる。いくら性能が良くても、耐久性、可搬性、コストの問題などが山積みで、ハードウイングは普及しませんでした。

その代替案として出てきたのが、先日僕もワンジーで試したソフトウイングです。これならハードウイングが持つ問題をクリアできそうですが、あとはパフォーマンスでソフトセールに対して明らかなアドバンテージが出せるかどうか。現時点ではまだまだ道のりは遠いと言わざるをえませんでした。しかしハイドロフォイルのここ10年の進化を考えれば、ウイングセールも決して不可能ではないでしょう。10年後には常識になっているような気もします。楽しみ。

王者健在

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2016年のオリンピックが開かれるブラジルのイメージといえば、やはりサッカー。ワールドカップ優勝回数も最多の5回を誇ります。サッカー以外にもブラジルは柔道やバレーボールなども強く、なんとなくスポーツ大国のように思われがちですが、実はそうでもありません。

オリンピックで獲得した通算の金メダルの数は23個と意外に少ない。得意のサッカーもオリンピックでは金メダルをとったことがありません。史上最も多くの金メダル(6個)を獲得した競技は、バレーボールとセーリングなのです。ブラジルはセーリングで金6、銀3、銅8と17個のメダルを獲得しています。

なかでもトーベン・グラエル(金2銀1銅2)とロバート・シェイド(金2銀2銅1)は2人だけで10個のメダルを母国にもたらした国民的英雄です。既にトーベンは活躍の場をアメリカスカップやボルボオーシャンレースに移しており、アテネ五輪を最後にオリンピックには出ていません。かたやロバートは、ロンドン五輪を最後にスター級が姿を消すことになり、引退するのかと思いきや、レーザーに復帰して6度目のオリンピックを目指すと宣言し、周囲を驚かせました。

かつてロバートは、レーザー界に君臨する絶対王者でした。世界選手権を制すること8回。オリンピックでも常に表彰台に上がり、イギリスのベン・エインズリーとは数々の名勝負を繰り広げてきました。アトランタではロバートが金、ベンが銀。次のシドニーではベンが金、ロバートが銀。その次のアテネではベンがフィン級に移って金を獲り、ライバル不在のロバートも当然のように金。その後ロバートはスターに乗り換えて、北京で銀、ロンドンで銅を獲り、7年のブランクを経てのレーザー復帰なのです。

robertscheidtそんなロバート・シェイドは現在39歳。(僕と同い年!)ブラジルのレーザー界には、ベンが不在の間にブルーノ・フォンテスという若手が育っていて、ワールドランキングも3位につけています。流石に復帰してもそう簡単には勝てないんじゃないかというのが大方の見方でした。でも、絶対王者の統治はまだ続いていたのです。

まずはオープン参加したイタリア選手権で7レース中トップ6回の圧勝。そして先週行われた母国ブラジルのナショナルでは、ブルーノを含む腕利きの若手たちを相手に、8レース中トップ5回、2位が3回の失点9という勝ちっぷりを見せたのです。凄いとしか言いようがありません。

8405889473_957913132d_o彼を見ていると、若い選手に負けるのを年のせいにできませんね。どんなトレーニングをしてるんだろう。しかも前にも書きましたが、ロバートの奥さんのジンターレもラジアルの世界チャンピオンです。凄過ぎて笑えてきます。

2016年には42歳になるロバートの戦いぶりは、今後も要注目です。負けてられません。がんばろ。

悪夢の120円

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eurjpn120昨年末、野田首相が解散の2文字を口に出したときから、急激な円安が始まりました。それまでずっと1ユーロ100円近辺で安定していたのに、衆院選で自民党が圧勝し、第2次安倍政権がアベノミクスと呼ばれる円安誘導政策を発表する頃には、一気に110円を超えて120円に達しました。

わずか数週間で20パーセントも為替が動いたら、輸入業者は大変ですよ。青色吐息な会社も多いんじゃないですかね。シドニーでフワフワ飛んでる間に利益が無くなっとるじゃないか!安倍政権は支持するが、アベノミクスだけはNOだ!

あぁこんなことなら100円切ってるうちに全力で払っとくんだった・・・とか、為替予約しとけば・・・とか、あまりに急だったから振れ戻しがあるかも・・・とか、ウジウジ考えてるヒマがあったらモスにでも乗って飛んでこんかい!

って、誰か言ってくれないかなー・・・

ナショナル2日目に余興として急遽開催されたDash for cashの映像です。編集も上手だけど、最高なのは実況!すっげー面白い。レッドブルレーシングとして何度か画面に出てきます。これだけでも苦労してレッドブル仕様にした甲斐があったってもんだw このメンツと一緒に回らせてもらっただけで光栄です。

ご覧の通り、ホントにマリーナの目の前で走ってて、見てる方も走ってる方も興奮度MAX! マジでAC45のサーキットより面白いかも。こんなイベントを逗子湾の中や江の島のA海面でできたら面白いだろうなー・・・きっと子供たちも大興奮ですよ。

唯一の問題は、選手のレベルが高くないとつまんないこと。まだ日本のフリートのレベルではこんなに楽しいイベントにならない。いつの日かデカイ賞金賭けて、こんな楽しいイベントを日本でもやりたいものです。

zhik.com本家Zhik.comサイトがリニューアルされました。カラフルになったラインナップに合わせるように、グラフィカルでクールなサイトに仕上がっています。ザイクマニアな方は要チェック!ギャラリーコーナーには、隠れキャラのHiroki Gotoがいたりします。ぷぷ。

いまでこそディンギー界を席巻し、老若男女に「ザイク」と正しく発音されるまでに認知されましたが、2007年に弊社が総代理店になった頃は、「ジーク」と読まれていました。(僕自身もそう思っていました)そんなzhikの設立はアテネオリンピック直前の2004年。まだ設立10年に満たないのです。

こんな短期間で世界中のセーラーを虜にするブランドに育つなんて、客観的に見ても凄い。商品力と営業力がうまく噛み合った成功例だと思います。日本はもちろん、世界中でZKマークが増殖しているのです。セーリングウェアの歴史で、これほど短期間に大きな成功を収めた例は他にありません。

彼らは心からセーラーを尊敬し、セーリングを愛しています。とりわけモスが大好き。ハイパフォーマンスで、自由奔放なモスとザイクは切っても切れない関係にあります。ちょうどザイクと取引を始める頃にモスに出会った僕は、この素敵な偶然に感謝し、これからも与えられた身に余るほどの務めを果たしていきたいと思っています。

稀に本家Zhikのサイトにしかない商品についてお問い合わせをいただきます。とてもありがたいことです。日本に入れるか否かは社内で充分に吟味して決定しているつもりですが、我々の気づかない需要について教えられることも多々ありますので、今後もご意見やご要望がありましたら、ご遠慮なくどしどしお問い合わせください。よろしくお願いします。

日本一熱いクラブレースとして名高い葉山マリーナヨットクラブの、新春烏帽子岩レガッタにサニーキッズで参戦しました。リーチングが得意なシースケープ18にとって、葉山スタートの烏帽子岩回航はうってつけのコースだと思ったのです。社員1号と、無二の親友ムラキノボルと3人で真冬の相模湾へ殴り込みじゃー!

Photo by イカミマサノリ and ムラキノボル

北風吹きすさぶ厳しい寒さの中でも、参加28艇とはさすがHMYC。今回は初参戦なので暫定のハンディキャップを与えられてのお試し参加です。もし仮に優勝しても順位は2位に繰り下がるという条件付き。そんな優勝だなんて、とんでもございません。という顔をしながら、当然腹の底では狙っておった訳ですよ。

しかし現実は甘くない。甘いのはスタート後の30秒だけ(モスの時と同じこと言ってる・・・) なにせ参加艇の中でダントツで小さい我々は、勢い良く飛び出したつもりでも、水線長の短さと排水量の小ささが災いし、ラルった時にスピードが簡単に落ちてしまいます。上から下から抜かれ、江の島を過ぎる頃には後ろに数艇の位置まで落ちてしまいました。ムムム・・・

しかもここで北風が息絶え、茅ヶ崎沖はデッドカームに。烏帽子岩が遠くに霞んでいます。あぁ遠いなぁ・・・

プシュ

こういう時には、魔法の小瓶を空けるに限る。日本一の外洋レーシングチーム、ラッキーレディーの師匠たちからそう教わった僕は、忠実に教えを守り、現実逃避に勤しむのでありました。脳内はすでにワイハーの海をフワフワと飛んでおります。アロハー

時折、小悪魔のように現われる半径20mほどの小さなパッチを拾いながら、いっこうに近づかない烏帽子岩に向かっていく様は、まるで大雪の川崎でくらった大渋滞にそっくり。冒険して裏道に回るとハマるという点もまた然り。

かくしてカームにのたうち回ること2時間半。なんとか烏帽子岩を回航し、そよそよの南風を捕まえ、江の島沖に短縮されたフィニッシュラインを横切ったのであります。ワレ奇襲に失敗セリ、トラトラトラ!

成績は着順20位の修正9位。思ったより良かったけど、これはお情けハンディキャップのなせる技で、本来のパフォーマンスにはほど遠い走りだったと言わざるを得ません。次こそは得意のかっ飛びリーチングで、烏帽子岩にガツンと上陸してやるぜ。ワイルドだろー?

なにはともあれ、初めてのHMYCクラブレース参戦は、忘れ難い素晴らしい経験となりました。8年前に一文無しで葉山にやってきた頃を思えば、最小艇とはいえオーナーとしてクラブレースに参戦できるなんて、想像も出来なかったほど光栄なことです。運営のみなさん、HMYCメンバーのみなさん、ありがとうございました。また懲りずにチョコチョコ参戦させてもらいます。

4月7日は第2回ザイクカップなので、奮ってご参加ください。お待ちしてます!

たまには父親らしく、子供たちを公園へ連れて行こう。風のない日は家族サービスに限るぜ。ヘイヘイ。

思いっきり遊んで、お腹が空いたら美味しいお好み焼きとタコ焼き。適当に作っても美味いんだなー。売り出したいくらい美味い。っていうかマジで売れるだろうな、この場所なら。うーん・・・

そんなサイドビジネスを本気で考えた午後でした。ちゃんちゃん。

フォイル整備

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IMG_2212さっそくフォイルを改良してます。古谷さん、いつもありがとうございます!

こういう整備をすると普段以上に海に出たくなります。劇的に速くなってるんじゃないか?と思うともう、いても立ってもいられません。他にもいろんなアイディアが溢れてきて、試したいことがたくさんありすぎる。あぁモスって楽しい。

Mineko 2016

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ウインド乗りの小嶺恵美が新年の挨拶に来てくれました。先日一緒にモスに乗った時には、まだリオに向けた決心をしていませんでしたが、ついに気持ちが固まったそうです。

オリンピックを目指すとはどういうことなのか、軽く話すつもりが、いつの間にか長々と真剣な話になってしまい、反省しています。ごめんねミネコ。偉そうに言ってるけど、オリンピック行ったことないんだよね。てへぺろ。

山口国体以降、陰ながら彼女の活動を支援してきました。海とウインドが好きなんだというのが滲み出ているから応援したくなります。あと3年半、思う存分大好きなウインドに没頭してください。やるんだったらとことんだよ!

2月末からブラジルの世界選手権に遠征するそうです。ブログを始めたそうなので応援してあげてください。頑張れ!

ナショナル総括

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日本に帰ってきても、頭の中でまだフワフワと飛んじゃって仕事が手につきません。9連チャンで飛ぶなんて初めての経験で、刺激的な素晴らしい遠征でした。同時にモスがいかにしんどいクラスかを改めて思い知らされました・・・

2年前のワールドから比べたら、自分自身だいぶ速くなったと思いますが、トップのレベルはさらに速くなっています。しかもジェームス・スピットヒル、ポール・グッディソン、イケール・マルティネスなどのビッグネームがMach2でトレーニングを始めているそうです。10月のハワイワールドでは、すごいメンツが顔を揃えるんじゃないでしょうか。モスはいまや世界最高のセーリングアスリートが集うフリートになりました。モスに乗っても金にならないのにね、楽しいから集まるんだな。

今回手応えを感じたのは強風です。一番吹いたときが一番成績が良かった。もっと吹いてくれれば、もっと上で戦えたんじゃないかな。ダウンウインド走ってて、周りのみんながビビってるのが良く分かりました。僕は怖いと思う事は一度もなかった。余裕が生まれたのは、本栖湖に通った成果だと思います。あの努力はムダじゃなかった。レガッタ全体を通して、スタートもタックジャイブも良かった。これも練習の成果です。

最大の問題点はスピード。特に中風域のクローズが全く戦えませんでした。もっとしっかりスピードテストを重ねていかないとダメですね。いろんな試したいアイディアがあるので、自分のギアとセッティングを見直して、ワールドまでには世界のトップと戦えるスピードを手に入れたいところです。

ちなみにトム・スリングスビーが練習で32.9ノット出したって。うへぇ!今年はもう、35ノット目指すしかないですね。

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