The edge of speed

カテゴリー SAILING

モスワールド初日。出艇した頃には15ノットくらい吹いていた風は時間の経過とともに弱まり、風向も風速も非常に不安定な一日でした。イエローフリートはそれでもなんとか2レースを消化したのですが、僕と和歌子のブルーフリートは1レースしか消化できずにタイムアップ。明日はブルーだけ早めに出て1レースし、そのまま沖で組み換えて残りのレースをすることになります。

poststart

Photo by Thierry Martinez

それにしても調子がいいです。フネが速いしスタートも決まってます。動画の2:00からのスタートを見てやってください。ブラックフラッグが揚がる中、胸のすくようなポートスタートで全艇の前を切りました。ティエリーがしっかり写真も撮ってくれてます。額に入れて飾りたい!

1上を4位で周り、そのままフィニッシュまで順位変わらず。15ノットくらいで世界のトップに離されず、抜かれずに走れたのは大きな自信になります。Yachts and Yachtingは日本人が前を走ってビックリしてるみたい。

とはいえ、まだちょっとした判断の遅れやミスで置いていかれるし、そもそもスタートがこんなに決まらなかったら楽なレースはできません。初日だけの男で終わらないように、明日もスパッと走ってきます。

開幕前日

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モスワールド開幕前日。それぞれが思い思いの時間の使い方で過ごします。レースの開始時間に合わせて出艇する選手。ナショナルの結果に納得いかずに大改造を施す選手。午後7時を過ぎても練習から戻ってこない選手。最後まで努力を怠らない選手に女神は微笑むのです。

IMG_1458僕もお昼に少し練習をして、そこで気にくわない部分を改良してたら日が暮れましたw でもこれでナショナルよりさらに走りが良くなるはず。あぁホント楽しみになってきました。

予選レースは明日の午後から。大会期間を通じて微軽風の予報です。

New Weapon

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new foilUKナショナル2日目の朝、念願の新兵器を入手したのでさっそく取り付けました。白く塗ってる方がいままでのセンターボードとラダー、その隣りが新兵器です。より細くて長いのが分かりますね。

センターは2センチ、ラダーは8センチ長くて、付け根部分がくびれています。当然その分高く飛べるし、よりバウを下げた姿勢で水面下の抵抗を減らすことが出来るんです。

レースの朝に付け替えるなんてリスキーと思われるかも知れませんが、このナショナルは前哨戦だし、感触が良くなければまた戻せばいい。既にMach2の上位陣はみな使っています。フォイルの交換は自由なので計測も関係ありません。だから思い切って付けてみたんです。

レースは飛べるか飛べないかの6-8ノットで行われたのですが、スタート前から既に「これは速い」と確信していました。案の定、周りよりも早く飛べるし、飛んだあともスピードが速い。1上を2位で回航し、2上までずっと守っていたのですが、アプローチのタックで落ちてしまい、そこで苦労している間に2艇カモられました。それでも4位フィニッシュは自信になります。

結果16-10-4の総合16位でUKナショナルを終えました。今回はオーストラリアとアメリカの速い連中がエントリーしていないので、もっと上位を狙えるチャンスかも知れません。少なくともフネの戦闘力はかなり高いようです。あとはくだらない沈をしなければ・・・

ちなみに和歌子は70位。どうやら女子が3艇しかエントリーしていないらしく、しかも実力に大差ないみたい。UKナショナルの女子優勝までたったの5点差でした。僕よりもワールドチャンピオンに近いと喜んでいます。全レース1周しかしてないくせにw

ワールド本番は明後日19日から。世界を驚かせる準備はできています。

IMG_4615ワールド前哨戦のUKナショナル初日。そして僕らのヘイリングアイランド出艇初日でもあります。んもー疲れ果てて血尿でも血便でもなんでも出せそうなほどw ホントしんどいっす。本日2レース、16-10で19位みたいだけど、恥ずかしながらレース中に6回沈しました。自分でもビックリ。

まー考えてみれば、4月のスプリングレガッタ以来ずっとナクラばっかりでモスには1回しか乗ってない訳で、僕の体からハイクアウトという項目が完全に消えてしまってるんです。以前より体重は落ちてるし、心肺機能も上っているんだけど、なにしろ太ももがプルプルしてとてもまともに走れないのだ!

しかも噂どおりのチョッピーな海面でダウンウインドがチョー走りにくい。98%の波は素直で走りやすいのに、油断してるとたまにドスンと深い谷間があって、今日のダウンウインドは全レグで沈してました。しかも太もものプルプルによりタック沈までやらかすという体たらく……orz…

あらためてモスはしんどい。そして楽しい。着岸してタリーを返したら、引換に缶ビールをもらえる。そんなモスワールドが大好きです。

束の間の休息

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ヘイリングアイランドは今日もいい風が吹いています。練習に出ようかとも思いましたが、計測が微妙な時間にあることと、日本を出てからずっと休みなしのスケジュールだったことから、積極的に体を休める日としました。昼からビールなんか飲んじゃうもんね。

写真は豪快な4艇積みのトレーラーと、豪快なモスの計測風景です。ワイルドだろうw?

それにしても今回も凄いメンツが集まっていますよ。アルテミスのネイサンやルナロッサのクリスがいるのは知ってましたが、今日たまたま仲良くなって話し込んだフランス人がいたんです。どっかで見たことあるなーと思いながら。でもモスは始めて間もないみたいだし、前にどこかで会ったっけ?と尋ねたら、なんと昨年のミニトランサットで優勝したベノワ・マリーでした。見たことあるの当たり前だ。雑誌やネットで何度も見た顔だわ。こんな外洋ソロレーサーまでモスに乗ってるなんて驚きです。

明日と明後日はワールドの前哨戦、UKナショナルが行われます。久しぶりのモスのレースを楽しんで来たいと思います。

昨日一日かけてフランスを北上し、リールの町に投宿。他の宿泊客たちと一緒にワールドカップの決勝戦を観戦しました。いやー熱い試合でしたね。延長後半の劇的な決勝ゴールに酔いしれました。

そして今朝ベルギーの倉庫にナクラを残し、再びユーロトンネルを通ってイギリスへ。午後2時にはモスワールドの開催地ヘイリングアイランドに到着。顔なじみの面々と再会してなんだかホッとしました。

あぁモスっぽいなと思うのは、そこら中にカーボン張ったりエポキシ混ぜたりしてる連中がw ナクラでは見ない光景です。

自分たちのモスを組み上げて今日のところは終了。明日はセール計測と艇体計測を受けます。

追悼

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今日はこの話題に触れない訳にはいきません。元470級世界チャンピオンであり、現役スナイプセーラーでもある甲斐幸氏が、関東スナイプ参戦中の江の島沖で突然落水し、そのまま帰らぬ人となりました。心筋梗塞とのことです。

イギリスへの移動中にネットから訃報が入り、言葉を失いました。我々の世代のディンギー乗りで、甲斐幸の名前を知らない人間はいません。1979年にオランダ・メデンブリックで開かれた470世界選手権で日本人として初優勝。他にもレーザー、スナイプ、J/24など数々のタイトルを獲得された天才セーラーでした。

これだけの実績がありながら、主流派ではなく、いつも人と違うアプローチを取る異端児であろうとされていたイメージがあります。僕がまだ10代でスナイプに乗っていた頃、国内では甲斐さんが無敵でした。世界を相手に孤軍奮闘するその頃の甲斐さんが、雑誌のインタビューで「ぱっと振り返った時に人と同じくらいのスピードだったらダメなんだよ。やられてると感じる。ドカーンと勝っていないと不満なんだ」と答えていたのを鮮烈に覚えています。

憧れのセーラー甲斐さんと直接レースで戦ったことはほとんどありません。でも強風にこだわって、スピードを追い求める甲斐さんの姿勢には非常に大きな影響を受けました。強風で突っ走ってこそのヨットだろう。そんなメッセージを常に背中から発信し続けた方でした。還暦を過ぎても現役にこだわり大好きなスナイプに乗ったまま亡くなるなんて、不謹慎な言い方かも知れませんが、最後までレジェンドな甲斐さんらしいなと感じてしまいます。

甲斐さん、数カ月前のKAZI誌で「2020年の東京オリンピックではナクラ17に挑戦したい」とおっしゃっていましたね。僕が25年前に高校のヨット部に入ったとき、本屋で手にしたのが「世界チャンプ甲斐幸のディンギーセーリング」でした。あなたの教本でヨットを覚えた男が、四半世紀を経てそのナクラで世界に挑戦しています。いつか僕もそちらに行った時には勝負させてください。

あなたが勇気づけたセーラーは日本中にたくさん残っています。ありがとうございました。心よりご冥福をお祈りいたします。

ビリ争い

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ナクラヨーロピアン最終日。予報よりも弱い8ノット程度の風の中、シルバーフリートの最終レースが行われました。

スタート時こそトラピーズに出る風がありましたが、1マークにたどり着く頃には5ノット程度に落ち、そこからはあるか無いかのパッチを拾いあう微風戦に。そしてここで我々の大きな課題が見つかるのです。ダメだ、微風が全然走らねえw

セールフォーゴールドも、このヨーロピアンも強風レースばかりで、こんな微風でレースをしたことがありません。特にダウンウインドの走らせ方が周りと全然違って、あり得ないほど次々に抜かれまくり、ほぼビリの21位フィニッシュで終えてしまいました。あー、やってもうた。

最後は散々なレースをしてしまいましたが、自信過剰になるよりもむしろ、いい戒めになったように思います。ハッキリとした課題がワールド前に見つかって良かった。

ちなみに優勝はスペインのイケール・マルティネス/タラ・パチェコ組。ついにこのコンビが来たかという大物です。他艇種での実績はこのナクラフリートの中でも抜群な2人ですが、ナクラではつい最近までシルバーフリートに落ちることもしばしばでした。初日の第1レースでフネに大穴を空けておきながら、優勝で締めくくるなんて心から尊敬できます。彼らのように来年の今頃にはトップグループで熱い戦いをしたいところです。

もともとこのヨーロピアン参戦は、世界との差を肌で感じ、課題に優先順位をつけることが目的でした。予選通過もシルバー優勝も叶いませんでしたが、確かな手応えと多くの収穫に恵まれた素晴らしい大会だったと言えます。コメントやFBでの熱いご声援ありがとうございました。

さあ次はモスワールド!トレーラーにナクラを積み込み、再びイギリスを目指します。

トップ争い

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IMG_4603決勝2日目。シルバーフリートは16-18ノットの強風で2レースが行われました。どちらのレースもトップ争いを繰り広げながらの3着で、総合成績はシルバーフリートの2位まで上がったようです。

今日はコーチのマークから「ナクラを初めて間もないなんてことは忘れろ。5年乗ってるつもりでレースをしなさい。」とのアドバイスを受け、スタートからアグレッシブに攻めました。やっぱり前を走ると気分がいいし、楽しい!ナクラで初めてヨットレースをしたような感覚です。いままでは後ろを追っかけるばかりでしたから。

でもそれはもちろん周りのレベルが下がったからであって、世界のトップがまだまだ遠いことに変わりはありません。明日はいよいよ最終日。一つでも多くのことを学んで、いろんなトライをして、9月のサンタンデールに繋げたいと思います。最後まで気を抜かず、そして楽しんで走ってきます。

IMG_4602決勝初日。朝から30ノットの北西風が吹き続け、長い長い陸上待機のあとに結局ノーレースとなりました。自然相手のスポーツだから仕方ないとはいえ、4日間で2日しかレース出来ていない残念な状況です。明日はまたスタート時間を早めるそうなので、長い一日になるでしょう。

ナクラ17は今回のリオデジャネイロ五輪から採用になった、まったく新しいクラスですが、再三このブログでお伝えしているように、急激に盛り上がっている「旬」のクラスであるともいえます。ボートパークには他のクラスから転向してきたメダリストや世界チャンピオンがたくさん。なかでも前回のボルボオーシャンレースで総合優勝を飾ったグルパマのフランク・カマス、そして惜しくも途中で逆転されたテレフォニカのイケール・マルティネスの両名が揃ってここにいるのは凄いことですよ。

イケールは470女子の元世界王者、タラ・パチェコとコンビを組んでいるのですが、注目の予選第1レースでクラッシュをしたらしく、バウに大穴を空けてマリーナに戻ってきました。今日のレースは諦めるのかと思ったら、傷跡にアセトンをぶっ掛けて乾燥させ、速乾のパテをマーガリンみたいに塗りたくって、すぐに海面に戻って行きました。そして第2レースでキッチリ2位を取ってくるんだから驚きです。トラブルに動じないシーマンシップは、さすが地球を何周も回った男だなと。

そして地球の裏側アルゼンチンからは、サンチアゴ・ランゲも出場しています。僕が20年前にスナイプに乗っていた頃の圧倒的な世界チャンピオンであり、憧れのヒーローです。こうして同じクラスでレースができる日が来るとは・・・

アルテミスレーシング所属のはずの彼がなんでオリンピッククラスに復帰したの?と聞いてみたら、なんと息子が49erのキャンペーンをしているから、一緒にオリンピックに出たくなったそうです。親子で一緒にヨーロッパのレガッタを転戦するのが楽しくて仕方ないって。そりゃー夢のある話だ。将来うちの子豚たちがそうなることを想像すると、うーん、遠すぎて何も見えねえw

オラクルレーシング所属のマリー・ジョーンズは娘がナクラのニュージーランド代表を目指していて、父として、コーチとしてずっと付きっきりでサポートしています。まーとにかく様々なキャリアを持ったタレントたちが集まっていて、いわばナクラはオリンピッククラスの中のモスみたいな位置づけになっているんです。だからなんだかすごく居心地がいい。あぁいいクラスを選んだなと感じるんですね。

こんな素晴らしいクラスに日本からの挑戦者が現われなかったら大きな損失だったと思います。よーし世界をあっと言わせてやろうじゃないか。

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