ユースAC選考会

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逗子マリーナで開かれているユースアメリカスカップの選考会を見てきました。第1回は男女合わせて11名が参加。3班に分かれて、体力テスト、面接、GC32でのセーリングと盛り沢山の1日でした。参加者たちは緊張と興奮でお腹いっぱいの一日だったでしょう。

正直な感想として、ソフトバンクチームの選考会と比べると、体力面では大きな差があると言わざるを得ません。求められるのは強靭な体力と聡明な頭脳、そして高いセーリングスキル。この年代で世界に挑めるチャンスを与えられたんだから、もっと貪欲に体力と知識とスキルを磨いて欲しいと感じました。

来年はユースアメリカスカップだけでなく49erとFXのワールドも待っているし、ワールドカップもやって来る。2020年の東京オリンピックまで、世界のセーリングシーンの中心はここ日本なのですよ。頑張れば頑張るだけ報われる、またとないビッグチャンス。ホント羨ましい。

選考で誰が残るのかは分かりませんが、残った人も残らなかった人も、もっとたくさんトレーニングして、もっと英語も勉強して、もっともっと海に出て練習して欲しい。オッサンはそう願うばかりです。

先日モスの練習から拉致された時の映像をもらい、自分が舵持ってるGCを初めて外から見ました。アップウインドフォイリングです。ジャイブの映像はイケてないから見せられませんw 華麗にフォイルジャイブを決められるようになったら公開します。

Seascape Challenge

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DSC_8968クロアチアでシースケープチャレンジがスタートしました。シースケープ27,24,18を使った島周りのロングレースです。今年は社員1号と葉山に18を所有する富松オーナーが24をチャーターして参戦しています。

アドリア海の島々を縫うように設定された134マイル/67マイルのコースを走るこのレース。日本チームは67マイルにエントリーしましたが、18で134マイルを走る強者もいるそうです。

もちろんこのレース、順位をガチガチ争うものではありません。2人にはぜひとも安全に楽しくフィニッシュして、順位争いだけでない楽しさを満喫してきて欲しいと思います。そして来年以降は日本からもっと多くの方々が参加するきっかけになればと望むところです。

yanmarcup葉山モスワールドの直前、5月22日にクルーザーレースのヤンマーカップ2016が琵琶湖で開催されます。今年のヤンマーカップ最大の目玉は、特別ゲストのサー・ラッセル・クーツ!

かつて名だたる富豪たちが挑み、敗れ去っていった至高の銀杯を1度や2度ならず、5度も手にしたレジェンド。現在はカップ防衛チーム、オラクルチームUSAのCEOを務めるミスターアメリカスカップが緊急来日します。

当日はクーツ卿がレースを観戦するだけでなく、レセプションでは参加選手との交流や写真撮影も予定されています。琵琶湖以外からも参加できるように、チャーター艇も用意されるとのこと。カラダ一つで参戦して、伝説のセーラーと触れ合えるまたと無いチャンスです。

最新情報はヤンマーカップのFBページからご覧になって下さい。チャーター艇の情報も近くアップされるはずです。開催まで1ヶ月と迫っていますが、琵琶湖のセーラーはもちろん、全国からの参戦を募っています。ぜひ奮ってご参加ください。

社員1号がクロアチアに旅立ち、忙しさが倍増しているにも関わらず、腹が立つほど天気と風がいいじゃありませんか。得意の現実逃避で2時間だけサボタージュ。ごめんなさい副社長、必ず2時間で戻ります。

脇永さんと2艇で久しぶりに15ノットのご機嫌なシーブリーズを満喫。ダウンウインドで3回も吹っ飛ばされたけど、それもまた楽しです。沖からマンマユートチームのGC32が爆走して来たので寄せに行きました。するとヘルムスマンの松永鉄ちゃんが腰を痛めたから替わってくれないかとのリクエスト。

どうしよう、2時間で戻るって約束したのに・・・

ごめんなさい副社長、約束は守れそうもありません。据膳食わぬは男の恥よ。さぁかかってこいやー!ズバババババババ。

オンショアとオフショアで別物になるのは、モスもGCも一緒です。波が出るとダウンウインドが恐ろしく難しい。しかもバウが突っ込んだ時のスプレーの衝撃がモスとは比べ物になりません。こんなじゃじゃ馬でレースするってどんなんだ。あらためてACの連中がどれだけ化物かを思い知らされました。

結局最後まで舵を持って練習しちゃいました。てへぺろ。マンマユートチームのみなさん、ありがとうございました。

いやー、全然知らなかった。今年のユースワールドからマルチハル種目としてナクラ15が採用されたのは知ってました。(開催地であるオマーンが辞退してしまい、まだ代替地は決まっていません)2017年のユースワールドもナクラ15、そして2018年にブエノスアイレスで開かれるユースオリンピックもナクラ15。

nacra15fそこまでは知ってたんだけど、なんとブエノスアイレスでのナクラ15はこの画像のとおりフォイラーだって言うじゃないですか。マジかよ!

東京オリンピックに向けてナクラ17もフォイラーになると決まっていますが、2年も先駆けてユースがフォイラーになるなんて驚きました。しかもこの15のフォイル、先日紹介した最新のA-catと同じZボードとLラダーなんです。

Zボードの利点はボードの上げ下げが必要ないこと。常に4本のフォイルが接水して走ります。もう一度先日のA-catの映像を見て下さい。

常に風上のボードを上げて、3本のフォイルで走るAC45やGC32よりも安定して走る様子が見て取れます。両方のボードのリフトを使って飛んでいるので、ヒールアンヒールによらず、水中にあるフォイルの表面積の増減によって、ハイトは自然にコントロールされます。旅客船のジェットフォイルと同じ原理です。

デメリットは抵抗が増えることですが、ナクラのようにワンデザインならみんな同じだから問題ないし、クルーにとってタックジャイブでボードの上げ下げが無いメリットは大きい!

実際、デッキ上に挙がってるダガーボードってすごく危険なんです。フネが海面に突っ込んで減速したとき、クルーが吹っ飛ばされてボードのエッジで怪我をするのが一番怖い。だから常にボードを下げていられるのは、体力的に楽なだけじゃなく、安全面でもメリットが大きい。

Lラダーも同様に安全です。GC32のトレーニング中に落水したフランク・カマスが足首を切る大怪我をしたのは記憶に新しいところ。ACのルールでも落水者を守るためにラダーのTフォイルの幅は厳しく規制されています。Lラダーならその心配もありません。

ナクラ15は真っ直ぐなボード、これまでの17と同じCボード、そしてフォイリング用のZボードの3種類を用意して、ダガーケースをボルトオンで交換することで、習熟度に合わせた変更が簡単にできるとのこと。また既存のナクラ17も同様に、ダガーケースを改造することで、ZボードにLラダーのフォイリングカタマランに生まれ変わるようです。

ユースオリンピックの参加資格は14歳から18歳まで。OP卒業して間もない年代の子たちがこんなフネに乗るなんて!凄い時代になったものです。おーいOPっ子たち、覚悟はいいかい?

速さを追求するだけでなく、安全面も考慮しながら、フォイリングはどんどん進化しています。3本足から4本足へ、これは大きな波になりそうです。

積極的疎開

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あまりに重いのでこのブログで触れていませんでしたが、やはり熊本の震災のことが気になります。連日繰り返す、余震と呼ぶには強過ぎる地震によって、被害は拡大していく一方です。生まれ育った九州の真ん中で、いまもライフラインを断たれて不安な夜を過ごしている人たちがいると思うと、胸が締めつけられる思いです。

以前も書きましたが、僕ら家族は葉山に住んでいながら、3.11の直後に2週間の疎開を決行しました。あの時の判断は間違ってなかったと思うし、もし同じような境遇に陥ったら、迷わず同じ判断をします。家族を守ることを最優先に考えれば、疎開がベストだと考えるからです。

もちろん、誰もがこんな行動をとれるとは思いません。仕事がある、守るべき家がある、守るべき地域がある、自分が離れる訳にはいかないという方は残るべきでしょう。でも特に子供や高齢者は、ある程度生活できるレベルに復旧するまでは、被災地から離す訳にはいかないんでしょうか?水も電気も食料も心配いらない場所へ。

日本中からたくさんの支援物資が集まっていますが、あまりの量に仕分けができず、肝心の避難所に届かないというケースは、東日本大震災でもありました。組織も情報の伝達もグチャグチャの現地では、そうした混乱が起こることも想定の範囲のはずです。モノを集めることと同時進行で、人を散らすことが有効なんじゃないかと思えて仕方ありません。

当然、誰がその人たちを引き取るんだというのが問題になります。親類縁者に頼れる人はそれが一番望ましいでしょう。でもたとえ公民館や体育館であっても、ライフラインや食料に事欠かない場所の方が精神的にも肉体的にも楽なはず。受け入れた自治体にとっては経済的な負担が一時的に発生するでしょうが、それこそ義援金をあとから補填することもできるのでは?

現場を知らない素人の戯言なのかなぁ。どうもこういうときに被災地から離れることを、後ろめたいと感じさせる風潮があるように感じるんですよね。人が減ることで、本当に必要な人に物資が行き渡ることにも繋がるのに。

近隣の被害のない自治体にはぜひ受け入れに手を挙げて欲しい。実際3.11の時は全国の市営住宅の空きをうまく活用して、疎開を実行してましたよね。水も電気もガスもない、しかも余震で揺れ続ける被災地の公民館や体育館は、もはや避難所と呼べないと思います。せめて被災していない、本当の避難所へ積極的に移してあげて欲しい。

被災地周辺の自治体には、現地に物資を送るよりも、被災者を受け入れる支援を、というのは難しいでしょうか?

STAR WARS Sunday

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IMG_0040中心気圧978ヘクトパスカルの強烈な低気圧に襲われ、相模湾は60ノットの大荒れです。こんな日は自分の練習も、もちろん凛子の練習もお休み。家族でスターウォーズの第1作にあたるエピソード4を観賞しました。

38年の時を経ても子供たちを夢中にさせるストーリー、衣装、キャラクターの魅力はさすがSF映画の金字塔です。特殊効果やコンピューター画面など、突っ込みどころもあるけど、それもまた味があっていい。やっぱスターウォーズ面白いな。

それにしてもこんな日にOPのレースを開催したりって、ちょっと考えられません。暴風雨の日は海に近づくなって教えるべきじゃないでしょうか。予報から60ノットの日に、とりあえず海に行くっていうのは悪しき習慣だと思いますよ。そんな日くらいは海に行かずにノンビリしましょう。

真の王者

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バルセロナで開かれていた49er/FXのヨーロッパ選手権で、ニュージーランドのピーター・バーリング/ブレア・テュークが2位に60点差をつけて圧勝。同大会4連覇を達成しました。

ちなみに彼らは世界選手権も4連覇。2012年のロンドンオリンピックで銀メダルを獲得して以来、この4年間、出場したすべてのレガッタで負けなし、破竹の25連勝です。しかもピーターは2013年のユースアメリカスカップ、2015年のモスワールドも優勝。負けたのはA-catぐらいじゃないでしょうか。

これでまだ25歳。ブレアも26歳。まったくもって末恐ろしい。このまま4年間負けなしでの金メダルが現実味を帯びてきました。しかもその翌年にはアメリカスカップが控えています。彼らの勢いはどこまで続くのか?

470男子の絶対王者、ベルチャー/ライアンも2週前に再びヨーロッパ選手権を制しました。知りあった頃はあどけないティーンエイジャーだったベルチャーが金メダリストになり、私生活でも二児の父となったことに時の流れを感じます。

昨年12月に彼らは文句なしのリオ五輪代表に選ばれました。その晴れ晴れしい記者会見の5分前、ベルチャーは妻のフレデリーケからの電話で、娘のアメリーがダウン症と診断されたことを告げられました。まさにキャリアの絶頂を迎えていた彼にとって、この事実がどれほど重かったか。僕にはとても想像がつきません。

それから数ヶ月が経ち、彼は自分たちがいかに間違っていたかを思い知ったそうです。先天性の遺伝子疾患であるダウン症は、人種や性別などによらず、800-1,000人に1人の割合で生まれるらしく、世界中にそのコミュニティーが広く存在しています。ベルチャーはそのコミュニティーに感銘を受け、一員になれたことを喜び、アメリーが自分たちの人生をより豊かにしてくれると言っています。

セーリング技術だけでなく、人間としても大きく成長した彼は、きっとリオで2個目の金メダルを獲得して、愛娘アメリーの首にかけてあげることでしょう。素晴らしい友人を持てたことを誇りに思います。

Perfect foil gybe

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バミューダでオラクル、アルテミスと合同練習するソフトバンクチームジャパン。完璧なフォイルジャイブを決めています。ほとんどロスがありません。

上側のダガーを落とすタイミングとその時のダガーのレーキが重要です。タイミングが速過ぎると飛び過ぎるし、遅過ぎると落ちちゃう。レーキを後掲させて、リフトを減らした状態でないと下ろせないし、下ろしたらすぐ前傾させてリフトを生まないと落ちちゃう。

パッと見ると簡単そうだけど、けっこう複雑なことを短時間でやってるはず。そうじゃないとこんなスムーズなジャイブはできません。1回のジャイブでも油圧をたくさん使うから、グラインダーは大変だと思います。雄吾がんばれw

ジャイブは見事だけど、オラクルの方が直線が明らかに速く見えるのは気のせいかな。うん気のせいだな、気のせい気のせい。

ダリの口ひげ

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今年の11月6日にスタートするヴァンデグローブ2016に、海洋冒険家の白石康次郎さんが参戦を表明しました。単独無寄港世界一周レースであるヴァンデグローブは、最も危険で、最も孤独なヨットレースです。白石さんはまだ要件を満たしていないので正式エントリーになっていませんが、ぜひ順調に準備を進めてスタートラインに立って欲しいと思います。

昨年の大西洋横断レース、トランサット・ジャック・ヴァーブルでは、5艇のフォイラーIMOCAが話題をさらいました。しかし終わってみればヴァンデグローブに比べて遥かに短いこのレースで、5艇中4艇がリタイアと、信頼性にはまだ大きな疑問符がついています。

この動画を見れば、そりゃあ誰だってフォイル付けたくなるでしょう。このサルヴァドール・ダリの口ひげのようなフォイルが生み出す揚力で、8トンある艇体がほとんど飛んでいるんですから。ノンフォイラーに比べればスピードの差は歴然です。

でもヴァンデグローブの場合、速いから使うと決められるほど単純ではありません。単独無寄港、さらに無補給のレースなので、トラブったフネを近くの港に寄せて修理することもできなければ、専門家の意見を聞く事すら禁じられているのです。

前回は大会史上に残る激戦でしたが、今回はフォイラーがトラブル無く走れるのかどうかで、レースの順位は大きく変動するでしょう。禁断の果実を手に取るのか否か、レース前から各選手の決断に大きな注目が集まっています。個人的には、やっぱりヒューゴ・ボスにかっ飛んでもらいたいですね。

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